【楽譜・初出版】黛敏郎作曲の「12の前奏曲」と「エレジー」

黛敏郎生誕90年記念シリーズとして、スリーシェルズが合同会社ミューズ・プレスへ資料協力をした楽譜が2019年2月22日に2冊の楽譜が発売されます。先行販売は、2月22日から24日かけて東京文化会館にて行われている東京二期会による「金閣寺」(作曲:黛敏郎)の公演にて行われます。一般販売は、2月25日(月曜日)よりミューズ・プレスのウェブショップにて開始します。

今回は2タイトルの楽譜を出版します。詳細は以下の通りです。

ソプラノとピアノのためのエレジー
価格:¥1,000(税込)
ページ数:8ページ
出版番号:MP-02201
企画協力:スリーシェルズ、黛家
発売日:2019年2月22日
発行部数:30部(第1刷)

1948年、東京音楽学校(現東京藝術大学)在学中に作曲された2ページの断片的な歌曲「ソプラノとピアノのためのエレジー」。作曲経緯などは一切分かっておらず、黛によって記された作詞者“Mr. K YABE”の詳細も不明である。


ピアノのための12の前奏曲
価格:¥3,000(税込)
ページ数:44ページ
出版番号:MP-02202
企画協力:スリーシェルズ、黛家
発売日:2019年2月22日
発行部数:50部(第1刷)

1945年から1946年の間に作曲された黛敏郎の初期作品に位置する「12の前奏曲」。もともとは2巻構成の24曲に渡る前奏曲集が構想されたが、黛自身のノートに「十二曲だけで纏めて第一巻とする(第二巻は来年頃着手)」と記されたものの前半の12曲のみが完成に至った。本格的な作曲を開始する準備として位置付けられ作品番号を0としたが、それぞれにタイトルが与えられ個性的な作品が並ぶ。70年の時を経て、スリーシェルズと黛家の協力の下、遂に楽譜が出版される。

黛敏郎による自筆譜表紙


「12の前奏曲」の収録曲目

I. Marche
II. Arabesque
III. Barcarole
IV. Toccata
V. Fantasie
VI. Pastorale
VII. Intermezzo
VIII. Sarabande
IX. Berceuse
X. Nocturne
XI. Sérénade
XII. Élégie

もともとは第1巻と第2巻に分かれる全24曲の前奏曲集となる予定であったが、後半の12曲は構想のみで終わった


黛 敏郎 Toshiro MAYUZUMI(1929-1997)

1929年(昭和4年)2月20日、横浜生まれ。東京音楽学校(東京藝術大学)で橋本國彦、池内友次郎、伊福部昭等に師事。1948年(昭和23年)に作曲した「拾個の独奏楽器の為のディヴェルティメント」により才能を認められる。1950年(昭和25年)作曲の「スフェノグラム」は、翌年のISCM国際現代音楽祭に入選して海外でも知られるようになる。1951年(昭和26年)パリ・コンセルヴァトワールへ留学、トニー・オーバン等に学ぶ。フランスから帰国後、ミュージック・コンクレートや日本初の電子音楽を手がけた。1953年(昭和28年)芥川也寸志、團伊玖磨と「3人の会」を結成。また、吉田秀和等と「二十世紀音楽研究所」を設立。雅楽・声明をはじめ、日本の伝統音楽にも造詣を深める一方、交響曲、バレエ、オペラ、映画音楽等の大作を発表した。1964年(昭和39年)より、テレビ番組「題名のない音楽会」の企画、出演。東京藝術大学講師、茶道「裏千家淡交会」顧問、評議員。「日本作曲家協議会」会長、「日本著作権協会」会長などを歴任した。1997年(平成9年)4月10日逝去。 主な作品は「ルンバ・ラプソディ」(1948)、「饗宴」(1954)、「曼荼羅交響曲」(1960)、「シロフォン小協奏曲」(1965)、オペラ「金閣寺」(1976)、オペラ「KOJIKI」(1993)、バレエ「The KABUKI」(1986)、バレエ「M」(1993)他がある。ピアノ曲は、「前奏曲集」「金の枝の踊り」「天地創造」などがある。  受賞歴は「涅槃交響曲」(1958)第7回尾高賞、「BUGAKU」(1962)第15回尾高賞、ISCM入選(昭和31、32、38年)。毎日映画コンクール音楽賞(昭和25、32、38、40年)。毎日演劇賞(昭和33年)。ブルーリボン賞(昭和40年)。仏教伝道文化賞(昭和50年)。紫綬褒章(昭和61年)。受賞歴は「涅槃交響曲」(1958)第7回尾高賞、「BUGAKU」(1962)第15回尾高賞、ISCM入選(昭和31、32、38年)。毎日映画コンクール音楽賞(昭和25、32、38、40年)。毎日演劇賞(昭和33年)。ブルーリボン賞(昭和40年)。仏教伝道文化賞(昭和50年)。紫綬褒章(昭和61年)。