ロン・イェディディア:エデンの園に向かって(ピアノのために)

¥5,390

税込|菊倍|28頁
序文:ロン・イェディディア
サンプル楽譜

説明

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1997年に作曲された『エデンの園に向かって』は、『エーテル』(1996年作曲)と対置される作品と言えるでしょう。本作は同様に旅を表現しており、繊細に始まって徐々に発展し、壮大なフィナーレを迎えます。しかし、この作品は異なる特徴を持ち、雄弁で広大な旋律、素早いパッセージ、そして終始調性的な和声進行で構成されています。色彩豊かな輝きや純粋さは、絶え間ない長調の和声感によるものです。『エデンの園に向かって』は、天国へと魂が昇る様子を描いた叙事詩的幻想曲であり、魂に宿る希望や幸福、そして自由が本作品の根幹を成すコンセプトです。もちろん、葛藤と緊張がこの壮大な旅には不可欠な要素であり、それらが重要なクライマックスのいくつかを創り上げています。それらは、解決または未解決で終わります。快活なコーダは旅の頂点、超越的な勝利と天国の現出です。本作品を弟で詩人のギル・イェディディアに捧げます。


ロン・イェディディア
彼の作品は過去20年間に国際的な注目を浴びるようになりました。彼の作品は世界の主要なコンサートホールで取り上げられている他、映画、ラジオ、テレビ番組にも登場し、彼の作曲家兼ピアニストとしての地位を確かなものにしています。1960年、イスラエルのテルアビブに生まれ、幼い頃からアルフレッド・コルトーの弟子であったプニーナ・ザルツマンのもとでピアノを学びました。8歳にして「Young Concert Artists Competition of Israel」で第1位を受賞しピアニストしてのキャリアをスタートさせましたが、15歳で作曲家の道に進むことを決意します。1984年にジュリアード音楽院の作曲科に進学しデイヴィッド・ダイアモンドやミルトン・バビットの元で研鑽を積みながらLincoln Center Scholarship、the Irving Berlin Scholarship、Henry Mancini Prize、the Richard Rodgers Scholarship等の主要な賞や奨学金を贈与された他、1987年と1989年にはジュリアード作曲コンクールに入賞しました。1991年に同音楽院の博士課程を卒業した後は当時の現代音楽の流行からの脱却を決意し、伝統的な旋律 - 和声 - 形式 - 耽美主義 - 和声感 - ドラマ性 - 対話性の再構築に乗り出しました。彼はフォークやジャズといったクラシック以外のジャンルも愛好しており、これらの音楽が根源的に調性に基づいていることから、彼の音楽語法の拡大に結びつきました。彼は現在まで、独奏から大編成オーケストラ作品、宗教音楽やフォークソングなども生み出しています。2007年5月にはオーケストラ作品「ステップ・イン・ザ・ワンダーランド」の世界初演がイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団によって行われました。主な作曲委嘱元には サン・アントニオ国際ピアノコンクール(ラプソディー、2006年)、 シアトル室内楽協会(ピアノとクラリネットとチェロのためのトリオ、2007年)、 ニューヨークのZamir Choraleがあり、2009年には、マンハッタンのBaruch Performing Arts Centerで開催されたThe Concert Meister Seriesのレジデントコンポーザーを務め、数々の作品がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団等の著名なオーケストラによって演奏されました。1994年にはワンダ・トスカニーニ=ホロヴィッツの依頼によりウラディミール・ホロヴィッツの未出版ピアノ作品の校訂と録音にも携わっています。

現在までにイェディディアの作品は、EMIやナクソス、ソニーBMGなどの大手レーベルにも収録されました。イギリスのレーベル・Altarusによってリリースされた自作自演アルバム『Yedidia Plays Yedidia』は世界中の作曲家やピアニストから注目を浴び話題となりました。また、ニューヨーク・ピアノ・アカデミーの創設者でもあり後進の育成に力を注ぎ多くの作曲家やピアニストを育て上げています。

追加情報

重さ200 g
サイズ30 × 23 × 0.2 mm