グリーンスリーブス(レイモンド・ルーウェンサール編曲)

¥1,650

税込|菊倍|8頁
採譜:今泉響平
楽譜サンプル

説明

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グリーンスリーブスはイギリス民謡として現代でもよく知られているが、著名な作曲家たちもこのメロディーに魅せられて作品に援用している。ブゾーニ(エレジー4番「トゥーランドットの居間」)、ヴォーン=ウィリアムズ(オペラ「恋するサー・ジョン」の間奏曲と、そこから発展して作曲された「グリーンスリーブスによる幻想曲」)、ホルスト(「軍楽隊のための組曲 第2番」)などが知られている。ルーウェンサールのアレンジは、原曲の持つメランコリックさよりは陰鬱さを感じさせるものだが、これはアルバムタイトルの「Moonlight and Keyboard」というテーマに沿ったものだろう。このアルバムには他にドビュッシーやベートーヴェン、サン=サーンス(ゴドフスキー編)などの作品が収録されている。黒衣をまとったメフィストフェレス的なヴィルトゥオーゾのイメージで後に知られるようになるルーウェンサールだが、彼の黒好みがすでにこの時に出ているのが面白い。ウェストミンスターは短命に終わったレーベルだが、現在そのカタログはドイツグラモフォンが取得しており、このグリーンスリーブスのアレンジはボックスセット「The Liszt Legacy」に収録されている。この印象深い箱の表紙は、ルーウェンサールがウェストミンスターに残した「Toccatas for piano」のものだ。


レイモンド・ルーウェンサール
レイモンド・ルーウェンサール(1923-1988)はアメリカ生まれのピアニストで、シャルル=ヴァランタン・アルカンの作品再評価に貢献したことで知られる。1948年、ミトロプーロスが指揮するフィラデルフィア・オーケストラとの共演で華々しくデビューするが、1953年にニューヨーク・セントラルパークで暴漢に襲われ負傷し、1962年までの間、公の舞台からは離れてしまう。アメリカの小さな独立系レーベル、ウェストミンスターへの録音を行ったのはこの隠遁していた時期に当たる。このレーベルからアルバムを出したエゴン・ペトリ、クララ・ハスキル、パウル・バドゥラ=スコダらと同様に、ルーウェンサールも当時滞在していたヨーロッパで録音を行ったと思われる。

追加情報

重さ150 g
サイズ30 × 23 × 0.1 mm