アレクサンドル・フォンテーヌ :「なんと儚く、なんと虚しいことだろうか」 前奏曲とフーガ(ピアノのために)作品44

¥2,200

税込|菊倍判|16頁
序文:アレクサンドル・フォンテーヌ
サンプル楽譜

説明

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本作品は福間洸太朗氏による委嘱によって生まれました。2012年11月8日に同氏よりベルリンにて世界初演され、2015年1月27日に東京オペラシティにて日本初演されています。アレクサンドル・フォンテーヌはバッハに対する一種の個人的なオマージュとしてこの作品を書き下ろしています。

アレクサンドル・フォンテーヌによる解説より抜粋
本作品は2012年11月8日ベルリンのピアノサロン・クリストフォリで福間洸太朗氏によって初演されています(その後、東京オペラシティにて2015年1月27日に再び演奏されています)。二項式の「プレリュードとフーガ」はライプツィヒの教会音楽、例えば”平均律クラヴィーア”などで頻繁に使用されていますが、同様に彼のオルガンの作品でも使用されています(プレリュードからトッカータやファンタジアなどへの移行が容易になるような形で)。
バッハの音楽ではプレリュードの構造が自由である場合(いくつかの繰り返される形式的な骨組みを除いて)、フーガでは予想されるパターンが多用されることがあり、これは西洋音楽界における天才がたどり着いた作曲技法の極地と言えるでしょう。
本作品では徐々に規模と壮大さを増す瞑想的なプレリュードの後、フーガはより活気に満ち、非常に技巧的になります。 また対位法、対主題、反行、ストレット、ゲマトリア、黄金比、フィボナッチ数列などのバッハの技法を多く取り入れ、同時に彼から受け継がれたリズミカルでメロディックな構造の構築にも留意しました。
この作品のタイトルは、キリスト教のルター派の礼拝で使われる「合唱曲(chorale)」(宗教的な歌)から直接拝借しました。 何故か?それはこの作品ではバッハ(カンタータ、オルガン曲のプレリュードなど)やレーガーの作品のように、フーガの主題(Vicissitudesとstrettiの後)がコラールの旋律に重ね合わさられているからです。

福間洸太朗による演奏音源


アレクサンドル・フォンテーヌ
1980年にフランスのルーアン近郊に生まれたアレクサンドル・フォンテーヌは、ルーアン音楽院にて9歳でチェロ、12歳で作曲を始めました。 その後、パリ、オーベルヴィリエ、ラ・クルヌーヴ音楽院で多くのクラスを修了しました。 器楽、理論の両方で多数の賞を受賞しています。2004年にパリ国立音楽院に入学し、和声(Bernard de CREPYのクラス)、対位法(Pierre PINCEMAILLE)、フーガとフォーム(Thierry ESCAICH)、楽曲分析(Alain LOUVIER)、オーケストレーション(Yan MARESZ)での受賞歴があります。また 音楽学の修士号も取得しています。音楽院、協会で教鞭を執ったほか、作曲家としてソロ楽器から大規模なオーケストラに至るまで65作品以上を書き上げています。 彼の音楽はドイツから日本、ジョージア、モロッコに至るまで世界中で録音、演奏されています。

 

追加情報

重さ200 g
サイズ30 × 23 × 0.1 mm