説明
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ニコラス・ナモラーゼによる解説より抜粋
「Moon, Refracted(月、屈折する)」は私の最初の日本ツアーに先んじて2019年に作曲された。この作品は滝廉太郎(1879-1903)によって作曲された有名な日本の歌曲「荒城の月」に呼応している。主題と変奏の形式に基づいて、滝による旋律がそのまま提示された後、私の手による単一の変奏曲が続く。音数が少なく瞑想的なこの作品は、滝廉太郎の歌曲にある特有の空気と、日本的な美学の「侘び寂び」の概念の中にある要素に影響を受けた。(訳:澤渡朋之)
ニコラス・ナモラーゼによる演奏
ニコラス・ナモラーゼ
コンポーザー=ピアニストのニコラス・ナモラーゼは、クラシック音楽最高峰のコンクールの1つでもあるカナダのカルガリーで開催されたホーネンス国際ピアノコンペティションで2018年に優勝し、国際的な注目を浴びるようになりました。批評家からは「輝かしく…繊細で色彩豊かである」(ニューヨーク・タイムズ)、「実に豪華である」(ウォール・ストリート・ジャーナル)などと高い評価を受けている他、WQXRの「20 for 20:Artists to Watch/クラシック音楽を再定義する今注目すべきアーティスト」の1人として選ばれました。
ホーネンス賞受賞者としてはカーネギーホール、ウィグモアホール、コンツェルトハウスベルリン、東京文化会館、ガードナー美術館(ボストン)、92nd Street Y(ニューヨーク)、トッパンホール(東京)、deSingel(アントワープ)でのリサイタルを行っています。また、ルール・ピアノフェスティバル、タングルウッド、バンフ芸術芸術創造センター、トロントサマーミュージック、テラビミュージックフェスティバル、 マイアミ国際ピアノ・フェスティバル、サンタフェ・チェンバー・ミュージック・フェスティバルといった音楽祭の出演を果たしています。また、Honens、Hyperion、Steinway、Edition Klavier-Festival Ruhrといったレーベルとの録音の他、 ロンドンフィルハーモニー、ミルウォーキー交響楽団、カルガリー・フィルハーモニー交響楽団、ウィニペグ交響楽団、オタワ国立芸術センターオーケストラといった楽団とも共演しています。
作曲家としてはケン=デイヴィッド・マズア、テッサ・ラーク、メトロポリス・アンサンブル、モメンタ、ヴェローナ、バルカーダ四重奏団などの主要アーティストやアンサンブルによって取り上げられています。また、チェルシー音楽祭、ホーネンスフェスティバル、サンタフェなどの音楽祭からも作品が委嘱されました。その他には、ファビエンヌ・ヴェルディエ監督の映像作品「Walking painting」やフランスのエクサン・プロヴァンス音楽祭に関連して制作されたショートフィルム「Nuit d’opera a Aix」にも参加しています。