諸井三郎作品演奏会(2020年6月6日・かつしかシンフォニーヒルズ)

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諸井三郎(1903-1977)

諸井三郎は、日本クラシック音楽初期に大規模かつ重厚なソナタや交響曲を書いた作曲家です。音楽団体「スルヤ」を結成して作品を発表、ドイツに留学して作曲を学び、河上徹太郎、三好達治、小林秀雄、中原中也、大岡昇平らと親交を持つなど、戦前、戦中、戦後を生きた文化人としても重要な存在です。秩父セメント(現・太平洋セメント)の創業者である諸井恒平を父に持ち、作曲家の諸井誠は息子になります。門弟には柴田南雄、入野義朗、戸田邦雄、矢代秋雄、團伊玖磨などがいます。

西洋の作曲スタイルの模倣に留まることなく、そこに独自の美学と様式美を加えた日本作曲界のパイオニアとして、諸井三郎の音楽は独特の位置を占めます。当時の作曲家たちが、流行のフランス印象主義へ影響されたり、日本的な素材の援用に作品のアイデンティティを見出そうとした中、諸井は徹底的にドイツ音楽の構築美を尊び、晦渋ながらも孤高の音楽を追求し続けました。ある種、耽美的とも言える彼の作品は、戦前の日本作曲家とは思えないほどのクオリティを有し、今日においても傾聴に値するでしょう。

しかし、その作品は今日、正当に評価され、演奏されているとは言えません。その要因の一つには、作品のほとんどが未出版ないし絶版となっており、十分に流通していないという出版事情がありました。

その諸井のソナタをはじめとしたピアノ作品の楽譜を優れた浄書、校正と印刷技術によって蘇らせ、その作品の真価を改めて問う歴史的な出版記念演奏会が本演奏会です。演奏家も、森下唯や石川武蔵など若手の実力派を中心とした、作品に相応しいベストメンバーを揃えています。

間違いなく、二度とない歴史的演奏会になります。
聴き逃せば後悔する。
是非、当日会場に足を運び歴史の目撃者となってください。


プログラム

■第1部 (開場 :午後1時45分 開演 :午後2時30分 終演予定時間 :午後3時)
諸井三郎による歌曲作品·演奏会 [ソプラノ:齊藤芙友子 ピアノ:江崎昭汰]
ソプラノと管弦楽のための2つの歌曲 作品10 (1935) -ピアノ伴奏版 他

■第2部 (開演 予定時間 :午後3時20分 終演予定時間 :午後4時10分)
音楽評論家・ 片山杜秀による講演「諸井三郎について」 (仮題)

■第3部 (開演予定時間 :午後5時00分 終演予定時間 :午後7時25分)
諸井三郎によるピアノ作品·大演奏会
2つの即興曲 (1922) [演奏:蔡翰平]
ピアノソナタ 第2番 変イ短調 作品7 (1927) [演奏:石川武蔵]
ピアノソナタ 第4番 (1930) [演奏:蔡翰平]
ピアノソナタ 第1番 ハ長調 作品5 (1933) [演奏:松本伸章]
ピアノソナタ 第2番 作品20 (1940) [演奏:森下唯]
ピアノのための組曲 作品23 (1942) [演奏:萩生哲郎]
前奏曲とアレグロ・ジョコーソ (1971) [演奏:萩生哲郎]

2020年6月6日(土)
かつしかシンフォニーヒルズ ・ アイリスホール
チケット: 5000円 全公演通し券(全席自由)

開催場所 : かつしかシンフォニーヒルズ・ アイリスホール
会場住所:東京都葛飾区立石6丁目33-1
最寄り駅:京成線青砥駅 会場まで徒歩5分


コロナウイルス COVID-19 への対応について(2020年3月現在)
こちらの公演は通常通り開催予定です。チケット販売開始日・購入方法につきましては2020年4月中旬頃にお知らせいたします。以下のフォームに氏名とメールアドレスの入力と登録をして頂きました方に優先的に販売開始時と購入方法をお知らせいたします。


企画 : 合同会社ミューズ・プレス
協賛 : ナクソス・ジャパン、 ミッテンバルト、藝術集団 鳳組、Piascore株式会社
後援 : スリーシェルズ、 JK Arts


第2部・講演

片山杜秀|政治学者/音楽評論家
1963年生まれ。慶應義塾大学法学部教授、三原市芸術文化センター館長、サントリー芸術財団理事、アフィニス文化財団理事。著書に『未完のファシズム』『近代日本の右翼思想』『鬼子の歌』『音盤考現学』など。吉田秀和賞、司馬遼太郎賞、サントリー学芸賞、京都大学人文科学研究所人文協会賞、慶應義塾・義塾賞などを受ける。吉田秀和賞、小林秀雄賞、尾高賞、佐治敬三賞などの審査員を務める。


第3部・諸井三郎によるピアノ作品·大演奏会

森下唯|ピアニスト/作曲家/編曲家
ソロでのリサイタルのほか、オーケストラとの共演、リート伴奏、室内楽などの分野で活動し、スタジオ・ミュージシャンとしても多くのレコーディングに参加。演奏以外にも、映像作品への楽曲提供や文筆など幅広く手がけている。 「ピアニート公爵」としては、2007年のニコニコ動画への投稿で一躍注目の的となった(「ピアニート公爵」は動画投稿時にニートを自称していたことから視聴者に名付けられたもの)。本名の森下唯名義では作曲家アルカンの紹介に力を入れており、アルカン生誕200年となる2013年から継続的にオール・アルカン・リサイタルを行う。東京芸術大学卒業、同大学大学院修了。2004年、第2回東京音楽コンクール第2位。調布音楽祭アソシエイト・プロデューサー。2015年より東京藝術大学非常勤講師(指揮科演奏研究員)。


松本伸章|ピアニスト
宮崎県出身。東京音楽大学ピアノ演奏家コースに特待奨学生として在学し、同大学卒業時に日本ピアノ調律師協会新人演奏会、東京音楽大学卒業演奏会に出演。東京芸術大学別科を首席で修了後に渡独。明治安田クオリティオブライフ文化財団より助成を受けドイツ国立フライブルク音楽大学大学院に学び、同課程を首席で修了。飯塚新人音楽コンクール第1位。コンセール・マロニエ21第2位。ロケッタ市国際ピアノコンクール第1位。特にロマン派と現代作品の演奏において各方面から高い評価を得ており、近年は脇絢乃氏とのピアノデュオでデュオ作品の新曲初演等の普及活動も行っている。これまでに、矢野恭子、水谷稚佳子、山口泉恵、弘中孝、迫昭嘉、ミヒャエル・ロイシュナーの各氏に師事。マスタークラスにてクラウス・シルデ、ヴィクトル・リャードフ、マッティ・ラエカリオ、コンラート・リヒターの各氏に師事。現在は、ソロ・室内楽奏者として活動を多岐に渡らせている。


石川武蔵|ピアニスト
桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)にて岡本美智子氏に師事し、同校卒業後、桐朋学園大学ソリストディプロマコースに進む。フランス・パリ国立高等音楽院に審査員満場一致で合格し渡仏し、ジャック・ルヴィエ氏のクラスにて学ぶ。2010年桐朋学園大学ソリストディプロマコース修了。2011年パリ国立高等音楽院ピアノ科修士課程を首席修了。同時にブリュートナー賞を授与され、受賞記念リサイタルを開催。また、同音楽院室内楽科にてフィリップ・ベルノルド氏、ミシェル・モラゲス氏に師事し2012年審査員満場一致の優秀な成績でディプロム取得。その後、スコラ・カントルム(パリ)にてジョルジュ・プリューデルマシェール氏に師事し、2014年に上級課程ディプロム取得。同年秋に日本へ帰国。2006年クールシュヴェール国際音楽アカデミーinかさまにて音楽賞受賞。2008年より4年間ローム・ミュージックファンデーション奨学生。2015年ABC新人音楽賞。2018年テレザ・ヤクーナ国際ピアノコンクール第3位。室内楽奏者としてはこれまでにサル・プレイエルやサル・コルトーなどで演奏。また現代音楽作品の初演や邦人作品のフランス初演も多数行っている。


蔡翰平(さいかんぺい)|ピアニスト
宮城県仙台市出身。6歳よりピアノを始め、桐朋学園大学附属「子供のための音楽教室」仙台教室にて学ぶ。宮城県宮城第一高等学校を卒業後にベルギーへ渡り、ブリュッセル王立音楽院に留学。学士課程を経て修士課程を最優秀の成績で修了する。現在、桐朋学園大学院大学(修士課程)に在籍。第16回チッタ・ディ・ロッケッタ国際ピアノコンクール第2位、第3回セシリア国際音楽コンクール第3位、第5回イスキア国際ピアノコンクール第2位など多数の国際コンクールで上位入賞。仙台・東京を中心に自身のソロリサイタル及び他ピアニストとのジョイントリサイタルを開催する他、ピアノアンサンブルや室内楽、伴奏など様々な分野で幅広く演奏活動を展開する。これまでにピアノを徳本美智子、庄司美知子、菅野潤、ヨハン・シュミットの各氏に、現在は鶴見彩、岡田博美の各氏に師事。


萩生哲郎|ピアニスト
6歳よりピアノを始める。慶應義塾大学卒業。音楽関連企業で音楽配信サービスの運営に携わる傍ら演奏活動を行う。2015年にはフィンランド、エストニアの音楽祭でシベリウスの作品を演奏、日本人作曲家の作品の紹介にも力を入れている。  コンサートの企画や作曲活動も行い、最近は趣味の鉄道を絡め、路面電車を貸し切ったコンサートを複数回企画・開催したり、ピアノ連弾のための作品「横須賀・総武快速線の音楽」を発表したりした。


第1部・諸井三郎による歌曲·演奏会

齊藤芙友子|ソプラノ
佐賀市出身。佐賀女子短期大学付属佐賀女子高校音楽コースを経て、大分県立芸術文化短期大学音楽科声楽コース卒業。同短期大学専攻科音楽専攻修了。同大学在学中、「第31回音楽専攻科修了演奏会」「第15回別府アルゲリッチ音楽祭オープニング若手演奏家コンサート」「第85回読売新人演奏会」等、数々の演奏会に出演。第67,68回全日本学生音楽コンクール北九州大会声楽部門大学の部第2位受賞。第8回横浜国際音楽コンクール声楽部門大学の部2位(第1位該当者なし)受賞。2015年、ベルギー王国へ渡欧。ベルギー王立リエージュ音楽院歌曲科修士課程を首席で修了。ルクセンブルク音楽院オペラ科にて学ぶ。古楽、室内楽、オペラ等の幅広いレパートリーを持ち、ベルギー、オランダ、フランスの各地で数々の演奏会に出演。マーストリヒト(オランダ)にてフォーレ作曲レクイエムのソプラノソリストを務める。第11回「Edition du Concours〜Les Nouveaux Talents de l’Art Lyrique」入選。「Chambre de Namur」(古楽演奏団体)オーディションに合格。これまでに声楽を小野しのぶ、山本昌子、愛甲久美、ロジェ・ジョアキン、アルフィオ・グラッソ、エレーヌ・ベルナルディ、リオネル・ロートの各氏に師事。また、古楽、室内楽をティボー・ルナルツ、フランソワ・デップの両氏に師事。大分二期会準会員。


江崎昭汰|ピアニスト
1992年、福岡県生まれ。大分県立芸術文化短期大学・ピアノ科卒業後、ベルギーのリエージュ王立音楽院のピアノ科に入学。ヨーロッパ各国で演奏活動も行い、ベルギー人作曲家(P.ブスマンス、P. バルトロメー、他)のピアノ作品も取り上げ、作曲家から高い評価を得る。また、演奏機会に恵まれない作品の紹介にも積極的に取り組みながら、 2016年には兵庫県神戸市にてロナルド・スティーヴンソンの「DSCHによるパッサカリア」の日本初演を果たす。楽器奏者や歌手の伴奏ピアニストとしても数々の音楽会に招待される。2018年7月、エクサン・プロヴァンス音楽祭主催の声楽家とピアノのためのマスタークラスに受講生として参加した。2018年8月5日にイスラエル出身の作曲家であるロン・イェディディアのピアノソナタ第5番を東京で作曲家の立ち会いのもと世界初演を行い、好評を得る。また、蒐集家としても活動し、楽譜やCD・レコード、音楽家の自筆譜・手紙やピアノロールなどの蒐集も行っている。現在、システムエンジニアとして勤務する傍ら楽譜浄書家としても活動しており、質の高い楽譜は世界中の作曲家から好評を得ている。


弊社ではこれまでに以下の諸井三郎作品の楽譜を刊行してきました。
悲歌 ロ短調 – ピアノのために (1921)
2つの即興曲 (1922)
ピアノのための幻想曲 (1923)
ピアノソナタ 第二番 変イ短調 作品7 (1927)
ピアノソナタ 第4番 作品22 (1930)
ピアノソナタ 第2番 作品20 (1940)
ピアノのための組曲 作品23 (1942)
前奏曲とアレグロ・ジョコーソ (1970-1971)

諸井三郎の代表作品である交響曲第3番のフルスコアも出版予定です。