説明
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無伴奏ヴァイオリン・ソナタ1番、パルティータ1番、ソナタ2番をもとにしたゴドフスキーによるピアノ編曲作品。ゴドフスキーは複数のメロディーを幾つも組み合わせ対位法的に同時進行させる。その手腕は実に見事であり、あたかもバッハ自身が書いたように思わせるところ、まさにピアノ王ゴドフスキ-以外には書き得ない楽譜となっている。他に今回がCD初録音となる、Henselt/Godowskyの”If I were a bird”と更にシークレット・トラックもある。
ゴドフスキーについて
ゴドフスキーは19世紀末〜20世紀頭にかけて活躍したピアニスト・作曲家。ほとんど独学でピアノ演奏技術を取得したにもかかわらず、比肩するピアニストは片手で数えるほどしかおらず「ピアニストの中のピアニスト」「ピアニストの王」と呼ばれた。
彼の曲は小さい手でも複雑な対位法を弾けるように考え抜かれたもので、ラフマニノフをして「ゴドフスキーの曲は皮の手袋のように手に馴染む」「ピアノ音楽の発展に寄与し続けているのはゴドフスキーだけ」と言わしめた。かつてはそのあまりの独創的な処方故に演奏機会が少なかったが、近年、録音や演奏会で聞くことができる機会が増えつつある。
ミヒャエル・ナナサコフについて
楽譜通りの演奏が困難だったり、演奏される機会が少なく録音も稀である作品を取り上げる世界初のヴァーチャル・ピアニスト。1955年リトアニアのヴィトリニュス生まれ、という設定であるが、実際にはプロデューサーである七澤順一が、コンピュータと自動演奏ピアノを用いて行っている録音プロジェクトである。90年に発売されたゴドフスキーの「ショパンのエチュードによる練習曲」でデビュー。当時満足な録音が無かった中で、超人的な演奏を実現して見せたことで大きな注目を集めた。