説明
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収録曲は、19世紀前半から21世紀までの3世紀にわたるコンポーザー=ピアニストの系譜を時代順にたどる構成となっている。リスト、ショパン、ツェルニーら同時代の作曲家6人が自慢の腕を競い合ったユニークな合作「ヘクサメロン」、リストの強力なライヴァルで、彼との“ピアノの決闘”で知られるタールベルク、ショパンと同時代とは信じられないほど斬新な作品を生み出していたアルカン、現代を含め古今東西で最高のピアニストと言われる独学の超人ゴドフスキー、恐ろしく複雑かつ長大な作品を書きながら一切発表しなかった奇人ソラブジ、驚くべきカリスマ性を兼ね備えたアメリカの剛腕ピアニスト・ルーウェンサール(レーヴェンタール)、そして21世紀の今日、世界のピアノマニアを熱狂させているマルク=アンドレ・アムラン。特にソラブジ、ルーウェンサール、アムランの録音は世界的にも貴重で、もちろん本邦初録音である(それ以外もタールベルクを除きすべて本邦初録音)。 西村の演奏は技巧だけに溺れず、抜群のリズム感と色彩感、繊細にコントロールされた音色で、難しさを超えた所にあるピアノ音楽の頂点の輝きを見事に引き出している。
西村英士
1972年生まれ。東京大学医学部医学科、京都大学大学院研究科博士課程(外科学専攻)卒業。医学博士。5歳よりピアノを始め、田中智子、高須久子の両氏に師事。安田正昭、高須博両氏の指導も受ける。大学時代に東大ピアノの会に所属、多数の演奏会に出演。卒業後も京都大学および英国King’s College Hospitalで移植外科の臨床に携わりつつ、演奏活動を継続。現在は外科・内科をデュアルにこなす臨床医として首都圏の病院で診療活動にあたる。国際アマチュアピアノコンクール2016 A部門第1位、第36回PTNAピアノコンペティション グランミューズ部門 B2カテゴリー第1位、第1回東京ピアノコンクール アマチュア部門第1位など入賞歴多数。ゴドフスキー「ショパンのエチュードによる練習曲集」の楽譜で解説をマルク=アンドレ・アムランと共同執筆したほか、数々の楽譜出版やCD解説、雑誌への執筆を手がけている。