ダウンロード版 – マルテンポ:ラフマニノフの作品に基づくピアノのための2つの編曲

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税込|菊倍|20頁
序文(英語・日本語):ヴィンチェンツォ・マルテンポ
サンプル楽譜

説明

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収録楽曲
ラフマニノフの作品に基づくピアノのための2つの編曲
・ピアノのための組曲第1番より第3楽章「涙」
・チェロソナタより第3楽章 アンダンテ

編曲者による序文
2台のピアノのための組曲第1番「幻想的絵画」 作品5はラフマニノフが19~20歳の時に書かれたもので、4つの楽章はミハイル・レールモントフ、ジョージ・ゴードン・バイロン、フョードル・イヴァーノヴィチ・チュッチェフ、アレクセイ・ステパノヴィチ・ホミャコーフの詩から発想を得ています。特に第3楽章「涙(Les Larmes)」はロシアの詩人でラフマニノフが生まれた年に死去したチュッチェフの詩からアイディアを得ており、その感動的な描写は非常に効果的に音楽へ反映されています:悲しみの涙が粒へと変わる様 ― 8分音符が五線へと滴る様 ― は悲しげで追悼的な下降形の旋律で表現されています。

美しいアンダンテを含むチェロ・ソナタ ト短調 作品19は、ワーグナーやリストを彷彿とさせる、やや古典的な構造や和音が使われており、そこからは後にラフマニノフがスクリャービンやロシア5人組とは対照的に傾倒したロマン派の作風の基礎を感じ取ることができます。


ヴィンチェンツォ・マルテンポ
1985年、イタリア・カンパニア州ベネヴェント生まれ。セルジオ・フォオレンティーノの弟子であったサルヴァトーレ・オルランドに師事し、2005 年にローマ・サンタチェチーリア音楽院を最高位の成績で卒業。2006年の第13回ヴェネツィア・ピアノコンクール入賞後は、アメリカやヨーロッパ、アジアの世界各地で演奏活動を行う。これまでにドイツ・フーズム城音楽祭やライディング・リスト音楽祭、マイアミ・国際ピアノ音楽祭、メキシコ・国際ピアノ音楽祭“El blanco y negro”など数々の音楽祭にも出演し熱狂的な支持を得る。2013年にはシャルル=ヴァランタン・アルカンの「全ての短調による12の練習曲」の全曲演奏会を日本の横浜で行い好評を博す。リストのピアノ作品集(Gramola)やアルカンの「全ての短調による12の練習曲」(Piano Classics)、リストのハンガリー狂詩曲全曲(Piano Classics)やリャプノフの「12の超絶技巧練習曲」(Piano Classics)他などを録音し、これまでに合計11枚のCDをリリース。それらのCDは数々の音楽雑誌から高い評価を得て特選盤として紹介される。ピアニストとしての活動の傍ら、ラヴェルの組曲「ダフニスとクロエ」やハンス・ロットの交響曲第1番をピアノ独奏用に編曲、「ピアノソナタ」や「ピアノのための練習曲」などの自作曲も生み出している。また、教育活動も積極的に行っており、各地のマスタークラスに講師として招待されているほか、オランダ・アイントホーフェンにてイモラ国際ピアノアカデミーの分校を設立する際には設立者・講師の一人としても活躍した。現在は、ベネヴェントのカルロ・ジェズアルド音楽院で教鞭を執る。