説明
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『子どものための12の前奏曲』は1994〜95年に作曲され、1996年の初出版前にいくつかの改訂が行われました。作曲当時、ピアノ教師としての第一歩を踏み出したイェディディアは、子どもたちのために短く、魅力的で演奏しやすいピアノ曲を作る必要性を感じていました。本作は、彼の子ども時代の思い出や若い生徒たちから得たインスピレーションをもとに生まれた、曲集です。音楽を通し、奏者の純粋な表現を試みる作品であると同時に、初級から中級のピアノ学習者の技術向上を目的とした教育的な作品にもなっています。
ロン・イェディディアによる序文
「子どものための12の前奏曲」は、1994年と1995年に作曲され、1996年に最初の出版前にいくつかの改訂が行われました。初出版は、ニューヨークのVerse Music(BMIと提携しているロン・イェディディアの個人出版社)から行われました。
当時、私はピアノ教師としての最初の一歩を踏み出し、子供たちと音楽の世界に魅了されました。この新しい経験は、子供たちのために短くて魅力的で、演奏しやすいピアノ曲を作曲する必要性を私に感じさせました。この音楽は、私自身の子供時代の思い出や私の若い生徒たちからインスピレーションを得た音のイメージ集として、すぐに形を成しました。それは純粋さの表現でありながら、初級から中級の生徒たちのピアノ演奏の技術を向上させるための教育的なツールとしても機能するものでした。実際、数名の生徒がこれらの新作の前奏曲をリサイタルで演奏するほど、すぐに学びました。
時系列的に見て、最初の8曲の前奏曲は、そのままの順序で保持されました。しかし、最後の4曲の前奏曲は、全体のセットとして必要な対比と流れを考慮して順番が入れ替えられました。ほとんどの前奏曲はニューヨークでの授業後に作曲されましたが、第10番「娘のピアノで」と第11番「ヌヌが物語を聞く」は、それぞれ1994年と1995年に南アフリカ共和国ヨハネスブルグで娘のリオールと過ごした際に作曲されました。第12番「イスラエルの歌」は、当時の優秀な若い生徒ジョン・リーに捧げられ、彼が間もなく初演しました。私自身も、この「子どものための12の前奏曲」を含む自作の作品を、その後の複数のリサイタルや発表会で演奏しました。
ロン・イェディディアの作品は過去20年間に国際的な注目を浴びるようになりました。彼の作品は世界の主要なコンサートホールで取り上げられている他、映画、ラジオ、テレビ番組にも登場し、彼の作曲家兼ピアニストとしての地位を確かなものにしています。 1960年、イスラエルのテルアビブに生まれ、幼い頃からアルフレッド・コルトーの弟子であったプニーナ・ザルツマンのもとでピアノを学びました。8歳にして「Young Concert Artists Competition of Israel」で第1位を受賞しピアニストしてのキャリアをスタートさせましたが、15歳で作曲家の道に進むことを決意します。1984年にジュリアード音楽院の作曲科に進学しデイヴィッド・ダイアモンドやミルトン・バビットの元で研鑽を積みながらLincoln Center Scholarship、the Irving Berlin Scholarship、Henry Mancini Prize、the Richard Rodgers Scholarship等の主要な賞や奨学金を贈与された他、1987年と1989年にはジュリアード作曲コンクールに入賞しました。