説明
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ベルギー出身のピアニスト/作曲家、ワルター・フレミンクスによるピアノ作品集が、ピアニストの福間洸太朗による運指及び校訂を経て出版されます。この作品集には、フレミンクス自身の作曲作品のほか、グノーやポンキエッリ、シュトラウス2世の楽曲をピアノ独奏や連弾用に編曲した作品を収録。フレミンクスの作品には、音楽教育者としての豊かな経験や家族との温かな時間、音楽を分かち合う喜び、そしてユーモアが溢れています。特に「シャンパン・ポルカ」では、”任意の楽器”としてシャンパンで演奏に参加するという遊び心溢れる趣向も含まれています。
収録曲目
シャルル・グノー / W. フレミンクス編曲: アヴェ・マリア(ピアノ独奏)
アミルカレ・ポンキエッリ / W. フレミンクス編曲: 時の踊り(ピアノ独奏&ピアノ連弾)
W. フレミンクス:左手のための練習曲(ピアノ独奏)
W. フレミンクス:シューマニア(ピアノ独奏)
W. フレミンクス:クラスター・ブギ(ピアノ連弾)
ヨハン・シュトラウス II / W. フレミンクス編曲:シャンパン・ポルカ(ピアノ連弾)
ヨハン・シュトラウス II / W. フレミンクス編曲:ピチカート・ポルカ(ピアノ連弾)
ワルター・フレミンクスによる序文より
正直に言うと、これらの編曲を書いたとき、出版するつもりはありませんでした。しかし、数年前に福間洸太朗さんと出会い、彼のおかげで予想外のことが実現しました。音楽がいかに人々をつなぐかを感じさせる出来事です。 ピアノの先生として、私は生徒のために左手だけ、または右手だけで弾ける小さな曲を書いてきました。毎年、スキー休暇から帰ってきたら手首を骨折している不運な人が必ずいたからです。この曲集にも1曲、左手のための練習曲が収録されています。 4手の編曲は偶然生まれたものでした。[…] 最後の仕上げをしてくれた福間洸太朗さんに感謝します。この編曲や作品が、たくさんのピアニストに楽しんでもらえることを願っています。福間洸太朗による序文より
ワルター・フレミンクスさんと奥様のミアさんとは、2018年アントワープの演奏会で知り合いました。主催者のご友人ということで、公演翌日ご自宅に招いてくださり、素敵なサロンで内輪のホームコンサートをさせていただきました。その後、私を息子のように可愛がってくださり、欧州の私の演奏会に何度も足を運んでくださり、私も御宅に定期的に遊びに行くようになりました。ある時、ピアノ教師のワルターさんが趣味で編曲や作曲もされると聞き、楽譜を拝見したところ、私自身が弾いてみたい作品がいくつもありました。彼がアレンジしたシュトラウスのシャンパン・ポルカは、私達の仲間の誰かの誕生日には、これを弾いてシャンパンを開けるというのが恒例行事となりました。心温まる優しいメロディの「シューマニア」は、2020年の私の誕生日にワルターさんがプレゼントしてくださった曲です。そして、グノーの「アヴェ・マリア」の編曲は、今では私にとって大切なアンコールピースとなっています。
ワルター・フレミンクス
1944年アントワープ生まれ、7歳でピアノを始める。地元の王立音楽院に入学し、ウジェーヌ・トレイのピアノ科で優秀な成績を収め一等賞を獲得、室内楽の高等ディプロマを取得する。1966年にブリュッセル王立音楽院のピアノ科に入学し、ロベール・ステヤートのもとで学び、高等ディプロマを取得。アントワープの教育者ジャック・ド・ティエージュや、チェコのピアニスト、イヴァン・モラヴェッツとの交流は、彼にとって非常に重要なものだった。1970年のベートーヴェン・コンクールと、1972年の欧州放送連合によるスクリャービン・コンクールに入賞。1974年には、ベルギー政府よりヴィルトゥオジティ賞を授与される。彼は、ソリスト、室内楽奏者、伴奏者として定期的に演奏を行っており、ソリストとしては、ベルギー国立管弦楽団、BRTフィルハーモニー管弦楽団、リエージュ管弦楽団、プリマ・ラ・ムジカ室内管弦楽団などと共演。彼はいくつかのCD録音を行い、ベルギーのラジオやテレビにも出演。長年、ブリュッセル王立音楽院とメヘレン市立音楽院でピアノ教師および伴奏者を務めた。