説明
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アブラハム・ゴメスによる序文
「3つの小品」は、2020年8月から2021年3月にかけて私の個人的なプロジェクトとして取り組み、私のクラリネットの恩師であるジュリアン・エルヴェ氏 (Julien Hervé)に捧げています。 これらの3つの作品はオーケストラにおける一般的なEb管クラリネットの使われ方とは異なる側面からこの楽器の特性を探求すると同時に、Eb管クラリネットのソロ・レパートリーを充実させることを目的としています。第1曲はクロード・ドビュッシー的な表現方法を取り入れており、増三和音のアルペジオ、全音音階、そして水のような流動性を持つメロディーが象徴的です。 第2曲は憂鬱とした表情を持ち、主旋律が遠い記憶を映し出します。 第3曲は2つの対照的な部分から成っており、前半は遊び心のあるいたずら好きなキャラクター、後半はしなやかで叙情的な表情を持っています。
アブラハム・ゴメス(Abraham Gómez)
メキシコのモンテレイ出身であるアブラハム・ゴメスはモンテレイ音楽院クラリネット科にてロバート・ホイット (Robert Hoit) とヴァンゲル・タンガロフ(Vanguel Tangarov)に師事し2012年に学士課程を卒業した。その後、オランダのロッテルダム音楽院クラリネット科(Codarts, University for the Arts)にてジュリアン・エルヴェ(Julien Hervé)とブルーノ・ボナンセア(Bruno Bonansea)に師事し2019年に修士課程を修了した。
また、イェフダ・ギラッド (Yehuda Gilad / Israel-USA), フィリップ・クパー (Philippe Cupper / France), オリヴィエ・パティ (Olivier Patey / France), ダヴィデ・ラットゥアーダ (Davide Lattuada / Italy), ヴェンツェル・フックス (Wenzel Fuchs /Germany)などのマスタークラスを受講。
2015年と2018年にはメキシコ国立自治大学音楽学部が主催する” National Clarinet Contest “にて2位を獲得した。また2017年にはCONACYT-FINBAとHolland Scholarshipnoの奨学生に選出されロッテルダム音楽院への留学を実現させたほか、FONCA2020(メキシコ文化芸術評議会国立文化芸術基金)から支援金”Contigo en la distancia”を授与されている。現在はクラリネット奏者としての活動と並行してメキシコの作曲家Kenichi Ikunoに作曲を師事。様々な作曲家との交流を通して、特にクラリネットにおける色彩や技法の拡張を目指した作曲活動を展開している。