説明
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アルカンのあまり知られていない練習曲「野蛮に」は、2000年代にフランスで再発されましたが、今回より初版に忠実な譜面を作成し、未発表のレイモンド・ルーウェンサールによる序文を追加しました。
ルーウェンサールはアルカン弾きとして知られたアメリカのピアニストで、彼のアルカン演奏は19世紀ヴィルトゥオーゾの伝統を踏まえた圧倒的なものでした。彼にはアルカンの楽譜集を編纂する計画があったようですが、それは十分な形では世に出ていません。シャーマー社から発売された彼の序文を付したアルカン曲集には、なぜかこの練習曲「野蛮に」は含まれていません。死後に彼の遺品は散逸してしまったため、アルカンと同じように、ルーウェンサールのこのプロジェクトもまた謎に包まれています。
アルカンのアッラ・バルバロ (抜粋) ー レイモンド・ルーウェンサールによる
この完全に忘れ去られた作品を、1857年にひっそりと世に出て以来、初めて再出版できることを嬉しく思います。アルカンの作品が彼の生前にあまり知られず演奏されることも少なかったことを考えると、パリでも最も大きな2つの出版社、リショーとブランデュスからたくさんの作品が出版されていたことは驚きです。この2社はドイツと密接なつながりがあり、アルカンの作品もいくつか当地で発売されています。彼の作品は、他のパリの出版社からも数点刊行されており、若書きのものはロンドンで出版されました。その痕跡は出版社のカタログ(そして辞典など)にて確認することができます。しかし、この「野蛮に」についてはどこにも書かれていません。アルカンについて書いている著述者の誰も、この作品の存在について言及していません。私もさんざん調査してようやく楽譜を1冊、見たことがあるだけです。…