説明
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収録楽曲 & 平野弦による楽曲解説
1. 練習曲 ヘ短調(第1稿)/ 2. 練習曲 ヘ短調(第2稿)
本来は、知人が某TVドラマの関係者で、そのドラマの作中で使用するとのことで作曲したのだが、その話は有耶無耶となった。当初の依頼内容の関係で、同じモチーフで正反対の曲調となっている。
3. 前奏曲とフーガ
Jazzの要素を取り入れており、フリードリヒ・グルダのオマージュ、基い、パロディである。
4. フーガ ヘ短調
フーガと言えば一も二もなく当然先ずはバッハではあるが、フランクの様なロマン派のフーガもまた大好物な私である。従って、この作品はセザール・フランクのオマージュ、基い、パロディである。
5. 夜想曲「壊れた籠」- 左手のために
ジョン・ケージが没した1992年の某日、友人たちでケージ追悼の演奏会を開催した。ケージの作品や、ケージにインスパイアされた作品の中で、私のこの作品だけ全然コンセプトに従ってはいなかったが、タイトルだけ、Broken Cage (=壊れた籠)と言うことで勘弁してもらった。
6. フーガ 変ホ短調 – 左手のために(或いは両手のために)
レオポルド・ゴドフスキーなどにも目がない私は、左手だけで三声のフーガを作ってみたくなった。しかし難しすぎる場合の保険をかけて、両手で演奏しても可とした。だが、なるべく左手だけで、という点に念を押させていただく。
7. 「荒城の月」の主題によるフーガ
フーガとしてはこれが最初に作曲したものである。中学生のころから良い主題になるかも、と思いながら、19歳の時やっと形になった。
8. サミュエル・バーバー:弦楽のためのアダージョ(ピアノ独奏編曲:平野弦)
原曲は弦楽四重奏であり、後にバーバー自身の編曲による弦楽オーケストラ版が有名なのは言うまでもない。(更に、「Agnus Dei」として合唱版もある。)
いずれも弦楽器(又は声)の特色である持続音がこの作品の肝であるのだが、これをピアノと言う減衰音しか出せない楽器で敢えて演奏しようと試みた。
平野弦
1968年8月2日、和歌山県新宮市生まれ。4歳からピアノを始める。新宮市立新宮高校を一学期で中退後、翌年、私立国際海洋高校に第一期生として入学。卒業後、一浪の後、東京藝術大学器楽課ピアノ専攻へ進学。野村真理、神野明の各氏に師事。卒業に6年を要した。