説明
横濱の持つ異国情緒や伝統・近代化を表現した「横濱ノスタルジア」。2018年、本作品でRMN International Call for Piano Solo Worksにて優勝を果たし、RMN Music よりピアノアルバム「Modern Music for Piano」に収録され注目を浴びました。
作曲者・濱川礼による序文抜粋
本作品は第39回ピティナ・ピアノコンペティショングランミューズ部門入賞者記念コンサート(2016年2月27日)で自ら演奏するために書き下ろしました。
曲を創るにあたって思いついたタイトルが「横濱ノスタルジア」です。横濱は生まれ育った土地ではありませんが、長年住んでいたこともあり愛着のある街です。横濱の持つ異国情緒や伝統・近代化をうまく表現できればと思い、みなとみらいから中華街、元町、山手辺りを、年末・年始に何回も巡り歩きイメージを高めました。
横濱の一つの特徴として考えたのが「赤い靴」(作曲:本居長世、作詞:野口雨情)です。山下公園内にある「赤い靴はいてた女の子像」に話しかけながら雑踏の中で大晦日から新年を迎えたのも今となっては良い思い出です。メインの横濱ノスタルジアのテーマは「赤い靴」のコード進行から新たにメロディを創作し、そのメロディに対して更に新たなコード進行(リハモナイズ)を付けています。曲中、至るところにオリジナルの「赤い靴」のテーマの断片も出てきますのでお聴き逃しなく。
また曲の中間部と最後に花火を模した特殊奏法があります。恐らく過去のいかなる作曲家も用いたことの無い新奏法ですので、楽譜を見てお楽しみください。一曲を通して横濱をノスタルジックに感じて頂ければこの上無い喜びです。
濱川 礼(はまかわ れい)
東京都出身。電気メーカー勤務を経て2020年現在、中京大学工学部教授。3歳からピアノを始め、大学時代はピアノサークルに所属。大学卒業後はしばらくクラシックピアノから遠ざかりジャズ系を演奏していたが、転職後再開。近年は知られざる曲を演奏し広めていくことをアマチュアながら自らの使命としている。最近は作曲にも興味を持ち細々と創作中。数年前に右手に局所性ジストニアを発症したことにより現在は創作も演奏も左手のための作品が中心になっている。本作品もその一曲。
2018年、本作品(“Yokohama Nostalgia (for the left hand alone)”)で RMN International Call for Piano Solo Works 2018 優勝、同年 RMN Musicよりアルバム「Modern Music for Piano」 に収録される。更に2019 年、“Untranslatable Words”が RMN International Call for Piano Solo Works2019で特別賞(Special mention)を受賞、2020年に RMN Musicよりアルバム 「In Focus」に収録される。