鐵百合奈:ベートーヴェン ピアノ協奏曲第0番 WoO4 カデンツァ – 実演の視点から見たピアノ書法の研究

18.26

税込|菊倍|36頁

説明

1784年、ベートーヴェンが13歳の頃に初めて書いた協奏曲作品である変ホ長調 WoO 4、通称《ピアノ協奏曲第0番》のためのカデンツァを鐵百合奈が作曲しました。カデンツァは、少年ベートーヴェンの様式感をに合わせつつも現代の価値観に沿った「読み直し」であり、鐵が好むベートーヴェンのピアノソナタ第7番第2楽章の印象的な旋律も仕込んだ特徴的なカデンツァです。《ピアノ協奏曲第0番》とタンゲンテンフリューゲルに焦点を当てた博論の1節も併録され、読み応えのある内容です。

目次
・出版に寄せて
・鐵百合奈によるベートーヴェン《ピアノ協奏曲第0番》変ホ長調 WoO4のためのカデンツァ
・ベートーヴェン《ピアノ協奏曲第0番》変ホ長調 WoO4について
1. 想定された楽器は?
2. ピアノ協奏曲第0番と選帝侯ソナタ
3. 師ネーフェの教育とC.P.E. バッハからの影響
4. タンゲンテンフリューゲル Tangentenflügel
コラム《久保田彰氏復元によるシュレーターアクションのタンゲンテンフリューゲル》
5.編曲およびカデンツァにおける「読み直し」
6.自作カデンツァについて


鐵 百合奈(てつ ゆりな)
2019年、N&FよりデビューCD《シューマン:ピアノ・ソナタ3番 ブラームス:左手のためのシャコンヌ》をリリース。「レコード芸術」で準特選盤、毎日新聞で特薦盤となる。2021年には2枚目のCD《シューマン:ピアノ・ソナタ2番,1番》が、「レコード芸術」で準特選盤、毎日新聞で特薦盤、「音楽現代」などで推薦盤となる。
2019年からベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏シリーズを「美竹清花さろん(現・渋谷美竹サロン)」で開催、NHKからドキュメンタリーが放映される。並行してソナタ全曲録音を行い、2022年3月に《ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲集上巻》(CD5枚組み)が発売され、「レコード芸術」で特選盤となる。
多くのリサイタルを開くほか、読売日本交響楽団、東京交響楽団、広島交響楽団などと共演。三井住友海上文化財団の派遣アーティストとしても演奏活動を行っている。
第86回日本音楽コンクール第2位、岩谷賞(聴衆賞)、三宅賞。第4回高松国際ピアノコンクール審議員特別賞。第20回日本クラシック音楽コンクール高校の部第1位、グランプリ。第11回大阪国際音楽コンクール、第14回ローゼンストック国際ピアノコンクール、各第1位。 2015年、皇居内桃華楽堂において御前演奏。2017年度香川県文化芸術新人賞。
ヤマハ音楽振興会、よんでん文化振興財団、岩谷時子 Foundation for Youth、宗次エンジェル基金より、奨学金の助成を受ける。
学術面では、論文「『ソナタ形式』からの解放」で第4回柴田南雄音楽評論賞(本賞)を受賞、翌年「演奏の復権:『分析』から音楽を取り戻す」で第5回同本賞を連続受賞。
東京藝術大学附属音楽高等学校、同大、同修士課程、同博士後期課程を修了、論文「演奏解釈の流行と盛衰、繰り返される『読み直し』:18世紀から現在に至るベートーヴェン受容の変遷を踏まえて」で博士号を取得。2020年より桐朋学園大学院大学専任講師に就任。

追加情報

重さ 300 g
サイズ 30 × 23 × 0.2 mm