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山田耕筰の名を不朽にしているのは何といっても「赤とんぼ」や「この道」といった日本人なら誰でも知る名曲歌曲ですが、「からたちの花」については山田自身の編曲が存在し、現在でも演奏されています。その山田の例に倣い、若手作曲家の青木聡汰 、平野真奈、永井みなみが山田の名曲の数々をピアノ音楽に生まれ変わらせてくれました。
収録内容
「山田耕筰ピアノ曲拾遺」に寄せて (髙久 暁)
山田耕筰:からたちの花
山田耕筰/平野真奈:赤とんぼ
山田耕筰/平野真奈:あわて床屋
山田耕筰/平野真奈:ペチカ
山田耕筰/永井みなみ:この道
山田耕筰/青木聡汰:鐘が鳴ります
山田耕筰/青木聡汰:城ヶ島の雨
山田耕筰/青木聡汰:砂山
山田耕筰/青木聡汰:六騎
山田耕筰/青木聡汰 編曲:砂山(演奏:杉浦菜々子)
平野 真奈(ひらの まな)
新潟県出身。武蔵野音楽大学器楽科ピアノ専攻卒業のち、東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。 委嘱作品の作曲や編曲、映画、ドラマ等の映像音楽や舞台音楽等の制作に携わっており、クラシック音楽を基盤としながらもジャンルにとらわれない音楽制作を行っている。 自作曲や自身が編曲を手掛けた編曲譜が多数刊行されている他、自身のオリジナルピアノソロアルバムや音楽を担当したサウンドトラックが発売されている。 第7回ドヴォルザーク国際作曲コンクール(チェコ)にて特別賞・ベスト宗教歌曲賞を受賞。
永井 みなみ(ながい みなみ)
作曲家・ピアニスト。大阪府立夕陽丘高校音楽科ピアノ専攻を経て、東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。第8回東京国際歌曲作曲コンクール最高位受賞。文化庁オペラ創作人材育成事業において作品が選出され、2019年、2020年に日本語オペラ『ヒメアザミ』(台本:中屋敷法仁)を昭和音楽大学にて一部初演。ピアノやアンサンブル、声楽、邦楽、映像作品への提供など、さまざまなジャンルで作曲活動を行う。
青木 聡汰(あおき そうた)
札幌市出身。小学生の頃、ベルリオーズ、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーらの作品に衝撃を受け、作曲を始める。東京藝術大学作曲科在学中の2016年に、混声合唱とピアノのための「夜想曲」……中原中也による3つの《si》で第21回TIAA全日本作曲家コンクール合唱部門にて第1位を受賞。2021年第2回ウィトゲンシュタイン記念・左手のピアノ国際コンクール作曲部門3位入賞。また、第15回アジア文化社『文芸思潮』現代詩賞にて優秀賞を受賞するなど、近年は詩作活動にも励み、劇作家とのコラボレーションや、朗読、作詞の提供なども行っている。
髙久 暁(たかく さとる)
音楽学・音楽評論。日本大学芸術学部教授(芸術学[音楽学]・美学)。主な研究分野として20世紀の亡命ロシア人音楽家の生涯と創作(ニコライ・メトネル、アレクサンドル・チェレプニンほか)、アジア諸国のピアノ文化史、日本人及び台湾人作曲家の創作史(篠原眞、郭芝苑、許常惠ほか)、近現代ギリシャを中心とするバルカン半島諸国の芸術音楽史など。共著・論文・翻訳等多数。校訂・編集楽譜として世界初出版の初期稿を含むニコライ・メトネル《忘れられた調べ 第1集》作品38(全音楽譜出版社)、マルク=アンドレ・アムラン《コン・インティミッシモ・センティメント》(音楽之友社/Edition Peters)、ワルター・ギーゼキング《シャコンヌ》(ミューズ・プレス)ほか。
杉浦 菜々子(すぎうら ななこ)
ピアニスト。武蔵野音楽大学大学院博士前期課程修了。 日本人作品の演奏をライフワークとし、出版における調査や資料収集、校正、校閲に当たっている。近年は委嘱や新作の初演にも積極的に取り組んでいる。2016年よりピティナ公開録音コンサートで「日本人作品の夕べ」シリーズとし、数多くの日本人作品を演奏、録音している。ピティナピアノ曲辞典には演奏動画多数と曲解説が登録されている。 2018年11月に1stアルバム「山田耕筰ピアノ作品集」をリリース(『レコード芸術』誌【特選盤】)。2021年11月2ndアルバム「休暇の日々~フランスバロックからセヴラック、タイユフェールまで」を、2022年3月3rdアルバム「J.S.バッハ&S.L.ヴァイス リュート作品の鍵盤用トランスクリプション集」(『レコード芸術』誌【準特選盤】)を、2022年6月「近藤浩平&山田耕筰ピアノ作品集『麦草峠のギター』」を、2022年9月「知られざる山田耕筰のピアノ音楽」(『レコード芸術』誌【準特選盤】)をリリース。