ダウンロード版 – トマシュ・カミェニャク:忘却のワルツ 作品69 & 舟歌 作品56

21.79

税込|電子版(PDF)|48頁
解説(英語・日本語):トマシュ・カミェニャク
楽譜サンプル

説明

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ヨーロッパを中心に活躍するコンポーザー=ピアニストのトマシュ・カミェニャクによるピアノ作品が初の出版です。「忘却のワルツ 作品69」はカミェニャクが最も敬愛する作曲家であるフランツ・リストの影響を受け作曲されました。全5曲で構成され、悲しげなワルツが並びます。なお、演奏の難易度は中級者から上級者向けとなっています。「舟歌 作品56」は、ショパンの代表曲である「舟歌」の”影”の部分を描いた作品であり、薄暗く憂鬱な雰囲気が立ち込めます。

収録楽曲
忘却のワルツ 作品69
舟歌 作品56

忘却のワルツ 作品69
ワルツの構想は、ガブリエラ・ツェンツェロルツ・ユンギエヴィッチ(Gabriela Szendzelorz-Jungiewicz)から得たものです。2004年、私がまだ学生だった頃、彼女からワルツを作曲してほしいと頼まれ、それがきっかけで『3つのワルツ』作品33を作曲し、彼女は今も弾き続けています。 2018年に、《忘却のワルツ(Die Walzer der Vergessenheit)》 作品69を完成させました。原案を与えてくれたガブリエラに感謝したいと思っています。これらのワルツはリストの忘れられたワルツ(Valses Oubliées)に倣ったものです。 これらは別々に存在し、必ずしも一連の作品として演奏される必要はありません。

舟唄 作品56
2013年10月、私はヴェネチアにいました。舟歌のインスピレーションを得るのにふさわしい場所でしたが、《舟歌》 作品56は故郷のTarnowskie Góry(タルノフスキェ・グルィ)で作曲しました。ピアニストは舟歌といえば、まずショパンを連想するのではないでしょうか。しかし、ヴェネチアはショパンが魅力豊かに描写したような、美しい観光都市であるとは限りません。時には霧が立ちこめ、すべてが薄暗く不明瞭になることがあるので、それを舟歌で伝えられたらと思っています。


トマシュ・カミェニャク
トマシュ・カミェニャクはピアニストであり作曲家である。フランツ・リストやシャルル=ヴァランタン・アルカンの曲はもとより、知名度の低い作曲家の曲も好んで演奏している。
カトヴィツェのポーランド国立カロル・シマノフスキ音楽アカデミーのピアノ科にて、ヨアンナ・ドマンスカに師事。卒業後は、ドイツのフランツ・リスト・ヴァイマル音楽大学のロルフ=ディーター・アレンスに師事した他、コンスタンチン・シェルバコフ(マスタークラス)、ズビグニエフ・ラウボ教授(カトヴィツェの大学院)、ロンドンのレスリー・ハワードの下でさらに演奏技術に磨きをかけた。
第4回ワイマール国際フランツ・リストコンクールにて特別賞受賞。 出版社Acte Préalable主催の第4回録音プロジェクト「忘れられたポーランドの音楽」コンクールでグランプリを受賞し、ヨゼフ・ヴィニアフスキのピアノ作品を録音。カトヴィツェの政府機関であるマーシャル・オフィスとバイロイトのワーグナー協会から奨学金を授与されたほか、タルノフスキー・ゴーリー市長から文化的功績を称えて賞を授与されている。
主なソロ活動としては、レヴォカ(スロバキア)のインディアン・サマー音楽祭、ソフィア(ブルガリア)のピアノ・エクストラヴァガンザ・フェスティバルに加え、キエフ、ワイマール、ロンドン、バイロイト、キェルツェのシヴィエトクリスカ・フィルハーモニーでのリサイタルにおけるアルカン《独奏ピアノのための協奏曲》の演奏、カトヴィツェ音楽院、ビエルスコ・ビアウァとザコパネにおけるアルカンの《独奏ピアノのための交響曲》等がある。
バイロイトとヴェネチアでワーグナー協会主催のリサイタルを開催。 2008年、バイロイトのシュタイングレーバー・ハウスでの3部構成のリサイタルでは、1876年からのリストのピアノによるワーグナーの全曲トランスクリプションを演奏した。また、トマシュはロンドンでレスリー・ハワードとリストの2台ピアノ編曲による《ファウスト交響曲》を演奏した。2021年、アメリカ・リスト協会フェスティバルで録画映像による演奏を行った。
オーケストラとの共演では、アンジェイ・アフェルトヴィチ率いるポーランド・ユース・シンフォニー・オーケストラとの共演でリストのピアノ協奏曲第2番でデビューした。その他、ポーランド音楽祭「Swego nie Znacie」において、モニカ・ウォリンスカの指揮の下でコシャリン・フィルと、シヴィエトクリスキ音楽祭ではアレクサンダー・ウォーカー指揮で、シヴィエトクリスキ・フィルとヴィエニャフスキのピアノ協奏曲を演奏している。
ビトムでの現代音楽祭では、ミエチスワフ・ウンガー指揮、ノモス弦楽オーケストラにてヘンリク・グレツキの協奏曲とフィリップ・グラスのチロル協奏曲を、ヤヴォルツノではマチェイ・トマシエヴィチ指揮、アルケッティ弦楽オーケストラにてヴォイチェフ・キラールの第2ピアノ協奏曲とゴレツキの協奏曲を演奏している。
カミェニャクは作曲家でもあり、その膨大な作品は演奏家だけでなく、聴衆の間でも高い評価を得ている。彼は、ピアノ曲、チェンバロ曲、室内楽曲、声楽曲、映画音楽、そしてキラル、ゴレツキ、グラス、プレスナー、コルンゴルト、プロコフィエフ、リストなどの作品のピアノ編曲を手がけている。彼の作品は、アンナ・ゴレツカ、ガブリエラ・シュイントツィーロツ=ユンギェヴィ、アレクサンドラ・ガジェカ=アントシェヴィチなどのアーティストによって演奏されている。
ディスコグラフィーには、ヨゼフ・ヴィエニャフスキの作品を収録したアルバム(Acte Préalable)、自作ピアノ曲のアルバム2枚(Acte Préalable)、ヴァレンティン・シルヴェストロフの作品を収録したアルバム(Brilliant Classics)、リスト・ポロニクム集の第1巻(DUX)などがある。現在はベルリンに在住。(公式ウェブサイト