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イタリアの作曲家であるオットリーノ・レスピーギの作品の中でも傑作と言われれている「ヴァイオリンソナタ」がアントニオ・ポンパ=バルディの手によって「ピアノソナタ」として生まれ変わりました。この編曲はCovid-19が大流行した時期に数ヵ月ほどで書き上げられ、ポンパ=バルディ自身によって演奏動画がYouTubeに投稿されました。演奏動画は大好評で楽譜の出版を望む声が多くあがりました。曲中では、より効果的な音響空間を作り出すためにソステヌート・ペダルを多用する必要があり、必然的に難易度の高い作品に仕上がっています。なお、演奏動画ではポンパ=バルディの高度なペダルテクニックを垣間見ることができます。
I. Moderato
II. Andante espressivo
III. Passacaglia. Allegro moderato ma energico
アントニオ・ポンパ=バルディ
イタリアのフォッジャで生まれ育ったアントニオ・ポンパ=バルディは、1999年にクリーブランド国際ピアノコンクールで優勝し、5大陸にまたがるキャリアをスタートさせた。1998年、フランスのパリで開催されたマルグリット・ロン=ジャック・ティボー・コンクールで最優秀賞、2001年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで銀賞を受賞している。
ニューヨークのカーネギーホール、クリーブランドのセヴェランスホール、ミラノのサラ・ヴェルディ、ボストンのシンフォニーホール、上海の上海大劇院、パリのサル・プレイエルなど、世界の主要コンサートホールで公演を行っているほか、ハンス・グラーフジェームズ・コンロン、ミゲル・ハルト=ベドヤ、セオドア・クチャール、ベンジャミン・ザンダー、ルイス・レーン、キース・ロックハートといった、一流の指揮者や、タカックス弦楽四重奏団、アリソン・バルサム、シャロン・ロビンソン、アレタ・ズーラ、クリーブランド管弦楽団、ダラス交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニックの首席奏者などとも共演している。
60曲以上の協奏曲のレパートリーを持ち、近年ではラフマニノフのピアノ協奏曲全曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲5曲、ブラームスの両協奏曲を様々なオーケストラと演奏している。ケンタウルス・レコード、ハルモニア・ムンディ、スタインウェイ、アジカ、ブリリアント・クラシックス、ブリリアント・クラシックスなど、さまざまなレーベルから録音をリリースしており、その中には グリーグのピアノ曲と室内楽曲全集、ヨーゼフ・ラインベルガーのピアノ・ソナタ全集、フンメルのピアノ・ソナタ全集、ブラームス、シューマン、リスト、レスピーギ、ラフマニノフなどが含まれる。
2013年よりスタインウェイのアーティストとして活動しており、フランシス・プーランクとエディット・ピアフの没後50年を記念して、両者の曲をピアノ独奏用に編曲したCDと ナポリの名曲を編曲したCD「ナポリ」をスタインウェイ・レーベルから発表している。そのほか、メンデルスゾーン、ハイドン、フンメルのヴァイオリン、ピアノとオーケストラのための協奏曲や、ロベルト・ピアーナの《ラ・ボエーム》と《カルメン》を題材にしたオペラファンタジーのCDなどもリリース。
国際的なピアノコンクールの審査員として招かれることも多く、クリーブランド、ヒルトンヘッド、E-Competition(ミネアポリス)、BNDESリオデジャネイロ、エドワード・グリーグ(ベルゲン)などで審査員を務めているほか、2006年よりサンノゼ国際ピアノコンクールの審査委員長およびアーティスティック・アドバイザーを務める。
現在は、クリーブランド音楽院のピアノ科で教鞭を執っており、教え子はマルグリット・ロン、ヒルトン・ヘッド、イサン・ユン、ジーナ・バッカウアーなどの主要なコンクールで入賞している。アメリカ国内はもとより、世界各地の大学、音楽学校、音楽祭に招かれ、定期的にマスタークラスを開催しており、北京中国音楽院、瀋陽音楽院、を含む機関から名誉教授の称号を授与されている。