モーツァルト/ブゾーニ:アレグロ・アッサイ (ピアノ独奏編曲:アントニオ・ポンパ=バルディ)

$25.58

税込|菊倍判|20頁
序文(英語・日本語):アントニオ・ポンパ=バルディ
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説明

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フェルッチョ・ブゾーニの「協奏的小二重奏曲(Duettino Concertante)」は、モーツァルトの「ピアノ協奏曲 ヘ長調」 K459の第3楽章「アレグロ・アッサイ」の2台ピアノ版の編曲ですが、ブゾーニならではのピアニスティックな改変やカデンツァが施された、演奏効果の高い楽曲です。この曲を愛好するピアニストのポンパ=バルディは、モーツァルトの軽やかさとブゾーニの技巧的効果をピアノ独奏で再現できるように細心の注意を払いながらこの楽曲を編曲しました。ブゾーニの隠れた傑作「協奏的小二重奏曲」のソロ編曲としても、モーツァルトのピアノ協奏曲第19番・最終楽章のソロ編曲としても演奏できる編曲です。


ポンパ=バルディによる序文から

フェルッチョ・ブゾーニの「協奏的小二重奏曲(Duettino Concertante)」は、長い間私の好きな作品のひとつでした。これは、W.A.モーツァルトの「ピアノ協奏曲 ヘ長調」 K459の第3楽章「アレグロ・アッサイ」の2台ピアノ版の編曲です。ブゾーニはこの作品を2台ピアノ用に非常に巧みに、そして独創的に編曲しました。彼のバージョンでは、いくつかの自由な改変があり、モーツァルトのカデンツァをよりロマンチックで非常に効果的な彼自身のカデンツァに置き換えています。以下は、ブゾーニ自身が編曲について述べた言葉です。

「トランスクリプション(編曲)はピアノ作品において重要な位置を占めている。正しい視点から見れば、すべての重要なピアノ作品は大きな考えを実用的な楽器に還元したものだ。しかし、トランスクリプションは独立した芸術になった。作曲の出発点がオリジナルであれ、そうでなかろうと関係ない。バッハ、ベートーヴェン、リスト、ブラームスは皆、純粋なトランスクリプションには芸術的価値が隠されていると考えていたようで、彼ら自身も真剣かつ愛情を込めてこの芸術を育んだ。」

「協奏的小二重奏曲」を2台ピアノ版から独奏ピアノ版に編曲することを決めたとき、私は予想通り、演奏可能なものにしながらも、できるだけブゾーニの楽譜の一貫性を保つという課題に直面しました。ブゾーニ自身が、モーツァルトのオリジナルの軽やかさ、機敏さ、いたずらっぽさ、喜び、そして輝きを見事に保つことができていました。 この独奏ピアノ版で「協奏的小二重奏曲」の要素をできるだけ多く保つために、いくつかの速いパッセージは単一機構(単音)から二重機構(重音)に変更され、その結果として大幅に難易度が上がりました。楽曲のよりポリフォニックな部分も、明らかに20本の指ではなく10本の指で演奏されるため、特に難しいです。

また、モーツァルトのオリジナルの持つ軽やかさをできるだけ保とうと努めました。最終的に、この編曲は、元のモーツァルトの作品やブゾーニの「協奏的小二重奏曲」よりも筋肉質に聞こえるかもしれませんが、それでも両巨匠の音楽的な風景や意図に上手く合うものになっていると思います。

究極的には、この編曲の存在理由は私自身の個人的な楽しみですが、もしあなたがこの素晴らしい作品を現在の独奏ピアノ版で挑戦することを決めたならば、あなたの楽しみとなることを願っています。

アントニオ・ポンパ=バルディ
2024年7月

追加情報

重さ 200 g
サイズ 300 × 230 × 2 mm

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