説明
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レオポルド・ゴドフスキー編曲の「白鳥」(作曲:サン=サーンス)は、数多くの編曲作品の中でも最も演奏の機会に恵まれている編曲作品です。今回は、アメリカ議会図書館に所蔵されている本編曲作品の自筆譜の情報も取り入れた新版となって登場です。解説は、日本を代表するゴドフスキーの研究家・演奏家でもある西村英士によるもので、サン=サーンスとゴドフスキーの関係にフォーカスした充実の解説となっています。
レオポルド・ゴドフスキー(Leopold Godowsky)
19世紀末から20世紀頭にかけて活躍したコンポーザー=ピアニスト。ほとんど独学でピアノ演奏技術を取得したにもかかわらず、比肩するピアニストは片手で数えるほどしかおらず「ピアニストの中のピアニスト」「ピアニストの王」と呼ばれた。左手のみで演奏する編曲を多く残し、他の作曲家が思いもしなかったような運指を用いてポリフォニックな表現を実現したことで、ラフマニノフは「ピアノ音楽の発展に寄与し続けているのはゴドフスキーだけ」と語っている。ゴドフスキーの代表作品である《ショパンのエチュードによる練習曲》は、90年代以降、カルロ・グランテによる2度にわたる全曲録音、マルク=アンドレ・アムランによる全集、ボリス・ベレゾフスキーによって抜粋録音され、ゴドフスキーの名が一般にも知れ渡るようになった。
西村英士(Eiji Nishimura)
東京大学、京都大学大学院卒業(医学博士)。東大ピアノの会OB。ピアノを田中智子、高須久子の両氏に師事。安田正昭氏、高須博氏の指導も受ける。国際アマチュアピアノコンクール2016 A部門第1位、同コンクール2015 B部門第1位、第18回大阪国際音楽コンクール ピアノ・アウトスタンディング・アマチュア部門第1位、第36回PTNAピアノコンペティション グランミューズ部門B2カテゴリー第1位、第1回東京ピアノコンクール アマチュア部門第1位。1994年、メシアン「みどり児イエスに注ぐ20のまなざし」全曲演奏。日本初演作品はメシアン「前奏曲(遺作)」「シャロットの妖姫」「視奏講義用小品」、ソラブジ「3つのパステーシュ」(KSS 31-1, 3)、ハーバーマン「ソラブジ様式で『月の光に』」、アムラン「全ての短調による12の練習曲第3番『パガニーニ=リストによる』」、グリエール/ルーウェンサール「バレエ『赤いけしの花』より『ロシア水夫の踊り』」、レイトン「5つの練習曲」(Op. 22-1, 3, 5)など多岐にわたる。ゴドフスキー「ショパンのエチュードによる練習曲集」の楽譜で解説をアムランと共同執筆(ヤマハミュージックメディアより出版)。ゴドフスキー「ジャワ組曲」、E. シュルホフ作品集の楽譜でも校訂、解説執筆を手がけたほか、ゴドフスキーに関する雑誌記事やCD解説を多数執筆している。2017年、初CD「コンポーザー=ピアニストを称えて」をリリースした。
http://www.nanasakov.com/1019.html