ロン・イェディディア:ピアノソナタ 第5番

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税込|菊倍|80頁
序文(英語・日本語):ロン・イェディディア

説明

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ロン・イェディディアの数多くのピアノ作品の中でも最長の作品かつ彼の作曲人生の中で記念碑的存在となっているピアノソナタ第5番。この作品は1991年から1992年にかけて作曲され、マルク=アンドレ・アムランに献呈されました。単一楽章ではありますが、全5部構成で演奏には1時間ほど要します。2018年、約26年の時を経てピアニストの江崎昭汰によって日本で世界初演が行われ大きな話題となりました。

ロン・イェディディアの楽曲解説より
ピアノソナタ第5番は、1991年7月から1992年4月にかけて作曲された。1991年、カナダのモントリオールにてイエディディアのピアノソナタ第3番「叫び」を演奏し、その衝撃的な演奏によってこの曲の誕生のきっかけを作ったカナダのピアニスト、マルク=アンドレ・アムランに捧げられている。
スクリャービンの後期ピアノソナタに触発され、緻密で短い1楽章の中に音の層を拡大することで、垂直方向に大きな現象をもたらしたピアノソナタ第3番「叫び」とは異なる方法で、境界を打ち破ろうというのがこの曲のアイディアである。今回、イェディディアは、水平的・直線的な側面の拡大を試みた。1時間の長大なソナタは、いくつかのセクションから成る単一楽章で書かれており、素早い主題とゆっくりとした2つの主題が展開される。 

【世界初演時の演奏】


ロン・イェディディア
彼の作品は過去20年間に国際的な注目を浴びるようになりました。彼の作品は世界の主要なコンサートホールで取り上げられている他、映画、ラジオ、テレビ番組にも登場し、彼の作曲家兼ピアニストとしての地位を確かなものにしています。1960年、イスラエルのテルアビブに生まれ、幼い頃からアルフレッド・コルトーの弟子であったプニーナ・ザルツマンのもとでピアノを学びました。8歳にして「Young Concert Artists Competition of Israel」で第1位を受賞しピアニストしてのキャリアをスタートさせましたが、15歳で作曲家の道に進むことを決意します。1984年にジュリアード音楽院の作曲科に進学しデイヴィッド・ダイアモンドやミルトン・バビットの元で研鑽を積みながらLincoln Center Scholarship、the Irving Berlin Scholarship、Henry Mancini Prize、the Richard Rodgers Scholarship等の主要な賞や奨学金を贈与された他、1987年と1989年にはジュリアード作曲コンクールに入賞しました。1991年に同音楽院の博士課程を卒業した後は当時の現代音楽の流行からの脱却を決意し、伝統的な旋律 - 和声 - 形式 - 耽美主義 - 和声感 - ドラマ性 - 対話性の再構築に乗り出しました。彼はフォークやジャズといったクラシック以外のジャンルも愛好しており、これらの音楽が根源的に調性に基づいていることから、彼の音楽語法の拡大に結びつきました。彼は現在まで、独奏から大編成オーケストラ作品、宗教音楽やフォークソングなども生み出しています。2007年5月にはオーケストラ作品「ステップ・イン・ザ・ワンダーランド」の世界初演がイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団によって行われました。主な作曲委嘱元には サン・アントニオ国際ピアノコンクール(ラプソディー、2006年)、 シアトル室内楽協会(ピアノとクラリネットとチェロのためのトリオ、2007年)、 ニューヨークのZamir Choraleがあり、2009年には、マンハッタンのBaruch Performing Arts Centerで開催されたThe Concert Meister Seriesのレジデントコンポーザーを務め、数々の作品がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団等の著名なオーケストラによって演奏されました。1994年にはワンダ・トスカニーニ=ホロヴィッツの依頼によりウラディミール・ホロヴィッツの未出版ピアノ作品の校訂と録音にも携わっています。

現在までにイェディディアの作品は、EMIやナクソス、ソニーBMGなどの大手レーベルにも収録されました。イギリスのレーベル・Altarusによってリリースされた自作自演アルバム『Yedidia Plays Yedidia』は世界中の作曲家やピアニストから注目を浴び話題となりました。また、ニューヨーク・ピアノ・アカデミーの創設者でもあり後進の育成に努めています。

追加情報

重さ 400 g
サイズ 30 × 23 × 0.5 mm