【新刊情報】福間洸太朗「聞かせてよ愛の言葉を」&「シャンソンメドレー」

世界各地で活躍するピアニスト・福間洸太朗が編曲した『聞かせてよ愛の言葉を』と『シャンソンメドレー』の楽譜が遂に出版されます!親しみやすい楽曲が並んでおり幅広い方にお楽しみいただけることでしょう。

この楽譜は2022年12月11日(日)に東京都練馬区・光が丘IMAホールで開催される「福間洸太朗ピアノリサイタル スクリャービンVSラフマニノフ ~輝きを求めて~」と2022年12月23日(金)に埼玉県所沢市・所沢市民文化センターのアークホールにて開催される「所沢ミューズ×音まちコンサート特別公演 福間洸太朗 ~クリスマスに聴く 珠玉のピアノ名曲集~」の2つの会場にて先行販売予定です。

なお、一般販売及び発送開始日は12月26日(月)の予定です。本日よりこちらのページにてご予約が可能です。

『聞かせてよ愛の言葉を』(ルノワール作曲)は、武満徹が終戦間近に陸軍食糧基地の見習士官に聴かせてもらい感銘を受けたという作品で2007年の冬に開催された武満徹の人生と作品を紹介するレクチャーコンサートを機会に福間洸太朗が華やかなピアノ独奏のための編曲に仕立て上げました。また、2016年にフランスプログラムのリサイタルのために福間洸太朗が作曲した『シャンソンメドレー』の楽譜も収録されました。このメドレーは全10曲で構成され、中には「海」(トレネ作曲)、「バラ色の人生」や「愛の讃歌」(ピアフ作曲)、「枯葉」(コスマ作曲))などの有名曲が含まれています。この『シャンソンメドレー』を福間洸太朗は各地で演奏していますが、フランスのみならず世界各国で好評を得ています。

楽譜表紙

福間洸太朗について

20歳でクリーヴランド国際コンクール日本人初の優勝およびショパン賞受賞。
パリ国立高等音楽院、ベルリン芸術大学、コモ湖国際ピアノアカデミーにて学ぶ。20歳でクリーヴランド国際コンクール優勝(日本人初)およびショパン賞受賞。
これまでにカーネギーホール、リンカーン・センター、ウィグモア・ホール、ベルリン・コンツェルトハウス、サル・ガヴォー、サントリーホールなどでリサイタルを開催する他、クリーヴランド管弦楽団、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、フィンランド放送交響楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、トーンキュンストラー管弦楽団、NHK交響楽団など国内外の著名オーケストラと多数共演、50曲以上のピアノ協奏曲を演奏してきた。2016年7月には故ネルソン・フレイレの代役として急遽、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団定期演奏会において、トゥガン・ソヒエフの指揮でブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏し喝采を浴びた。また、フィギュア・スケートのステファン・ランビエルなどの一流スケーターとのコラボレーションや、パリにてパリ・オペラ座バレエ団のエトワール、マチュー・ガニオとも共演するなど幅広い活躍を展開。
CDは「バッハ・ピアノ・トランスクリプションズ」、「France Romance」、「ベートーヴェン・ソナタアルバム」(ナクソス)など、これまでに18枚をリリース。
そのほか、珍しいピアノ作品を取り上げる演奏会シリーズ『レア・ピアノミュージック』のプロデュースや、OTTAVA、ぶらあぼweb stationでの番組パーソナリティを務め、自身のYouTubeチャンネルでも、演奏動画、解説動画、ライブ配信などで幅広い世代から注目されている。多彩なレパートリーと表現力、コンセプチュアルなプログラム、また5か国語を操り国内外で活躍中。テレビ朝日系「徹子の部屋」や「題名のない音楽会」、NHK テレビ「クラシック音楽館」や「クラシック倶楽部」などメディア出演も多数。第39回日本ショパン協会賞受賞。
公式サイト https://kotarofukuma.com/
公式ファンクラブ https://shimmeringwater.net/

福間洸太朗(ふくま こうたろう)

2022年11月の新刊情報(ホジャイノフ、イェディディア、カミェニャク、クラフリーク、石月一匡)

2022年11月の新刊情報をお届けします。本日より印刷版及び紙版のご予約の受付を開始いたします。これらの楽譜の販売・発送開始予定日、ダウンロード可能日は2022年11月30日です。

ニコライ・ホジャイノフ:「さくら・さくら」に基づく即興曲(ピアノ独奏のために)
桜に魅せられたニコライ・ホジャイノフが日本民謡「さくらさくら」に基づく即興曲を書き上げました。桜が持つ不思議な明暗や美、儚さがホジャイノフのイマジネーションと見事な融合を果たしています。日本で始めて桜を見たニコライ・ホジャイノフの衝撃がこの曲から伝わってくることでしょう。
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ニコライ・ホジャイノフの解説より
今あなたが⼿にしているのは、私が⽇本の有名な歌曲「さくらさくら」にもとづいて書いた、即興曲です。⽇本を訪れるようになってから、その花が伝説ともいえるような桜を⾒ることは、私にとってずっと夢でした。それはどんなものだろうかと思いを馳せる美的な楽しみだけでも、私の⼼は躍り、その姿を⾒られる⽇が待ち遠しくなりました。

Photo: Marie Staggat

ニコライ・ホジャイノフ(Nikolay Khozyainov)
ピアニスト、ニコライ・ホジャイノフの音楽性と恐るべきテクニックは、全世界の聴衆を魅了している。これまで、ニューヨークのカーネギーホールやリンカーン・センター、ワシントンのケネディ・センター、ロンドンのウィグモアホール、パリのシャンゼリゼ劇場やサル・ガヴォー、モスクワのチャイコフスキーホール、東京のサントリーホール、シドニー・オペラハウス、チューリッヒのトーンハレ、ローマのクイリナーレ宮殿、マドリード国立音楽堂、国連など、世界の主要なコンサートホールで演奏。リサイタルやコンチェルトで多くの会場を満席にしている。また多くの大統領や首相、文化界、政治界の要人から称賛を受けている。2018年1月の東京サントリーホール公演には、上皇明仁陛下、上皇后美智子陛下(当時の天皇皇后陛下)が臨席された。また 2022年には、スペインの王家から騎士の称号と勲章を授けられた。 ホジャイノフはこれまで、ロンドンのフィルハーモニア管弦楽団、東京交響楽 団、シドニー交響楽団、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団、チェコ・ナショナル交響楽団、ロシア国立交響楽団、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、読売日本交響楽団、アイルランド RTEナショナル交響楽団などを含む多数のオーケストラと共演。
https://www.nikolaykhozyainov.com/


ロン・イェディディア:ピアノソナタ第5番
ロン・イェディディアの数多くのピアノ作品の中でも最長の作品かつ彼の作曲人生の中で記念碑的存在となっているピアノソナタ第5番。この作品は1991年から1992年にかけて作曲され、マルク=アンドレ・アムランに献呈されました。単一楽章ではありますが、全5部構成で演奏には1時間ほど要します。2018年、約26年の時を経てピアニストの江崎昭汰によって日本で世界初演が行われ大きな話題となりました。
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ロン・イェディディア(Ronn Yedidia)
彼の作品は過去20年間に国際的な注目を浴びるようになりました。彼の作品は世界の主要なコンサートホールで取り上げられている他、映画、ラジオ、テレビ番組にも登場し、彼の作曲家兼ピアニストとしての地位を確かなものにしています。彼は現在まで、独奏から大編成オーケストラ作品、宗教音楽やフォークソングなども生み出しています。2007年5月にはオーケストラ作品「ステップ・イン・ザ・ワンダーランド」の世界初演がイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団によって行われました。主な作曲委嘱元には サン・アントニオ国際ピアノコンクール(ラプソディー、2006年)、 シアトル室内楽協会(ピアノとクラリネットとチェロのためのトリオ、2007年)、 ニューヨークのZamir Choraleがあり、2009年には、マンハッタンのBaruch Performing Arts Centerで開催されたThe Concert Meister Seriesのレジデントコンポーザーを務め、数々の作品がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団等の著名なオーケストラによって演奏されました。1994年にはワンダ・トスカニーニ=ホロヴィッツの依頼によりウラディミール・ホロヴィッツの未出版ピアノ作品の校訂と録音にも携わっています。


トマシュ・カミェニャク:忘却のワルツ 作品69 & 舟歌 作品56
ヨーロッパを中心に活躍するコンポーザー=ピアニストのトマシュ・カミェニャクによるピアノ作品が初の出版です。「忘却のワルツ 作品69」はカミェニャクが最も敬愛する作曲家であるフランツ・リストの影響を受け作曲されました。全5曲で構成され、悲しげなワルツが並びます。なお、演奏の難易度は中級者から上級者向けとなっています。「舟歌 作品56」は、ショパンの代表曲である「舟歌」の”影”の部分を描いた作品であり、薄暗く憂鬱な雰囲気が立ち込めます。
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カミェニャクの解説より
忘却のワルツ 作品69
ワルツの構想は、ガブリエラ・ツェンツェロルツ・ユンギエヴィッチ(Gabriela Szendzelorz-Jungiewicz)から得たものです。2004年、私がまだ学生だった頃、彼女からワルツを作曲してほしいと頼まれ、それがきっかけで『3つのワルツ』作品33を作曲し、彼女は今も弾き続けています。 2018年に、《忘却のワルツ(Die Walzer der Vergessenheit)》 作品69を完成させました。原案を与えてくれたガブリエラに感謝したいと思っています。これらのワルツはリストの忘れられたワルツ(Valses Oubliées)に倣ったものです。 これらは別々に存在し、必ずしも一連の作品として演奏される必要はありません。

舟唄 作品56
2013年10月、私はヴェネチアにいました。舟歌のインスピレーションを得るのにふさわしい場所でしたが、《舟歌》 作品56は故郷のTarnowskie Góry(タルノフスキェ・グルィ)で作曲しました。ピアニストは舟歌といえば、まずショパンを連想するのではないでしょうか。しかし、ヴェネチアはショパンが魅力豊かに描写したような、美しい観光都市であるとは限りません。時には霧が立ちこめ、すべてが薄暗く不明瞭になることがあるので、それを舟歌で伝えられたらと思っています。

トマシュ・カミェニャク(Tomasz Kamieniak)
トマシュ・カミェニャクはピアニストであり作曲家である。フランツ・リストやシャルル=ヴァランタン・アルカンの曲はもとより、知名度の低い作曲家の曲も好んで演奏している。 カトヴィツェのポーランド国立カロル・シマノフスキ音楽アカデミーのピアノ科にて、ヨアンナ・ドマンスカに師事。卒業後は、ドイツのフランツ・リスト・ヴァイマル音楽大学のロルフ=ディーター・アレンスに師事した他、コンスタンチン・シェルバコフ(マスタークラス)、ズビグニエフ・ラウボ教授(カトヴィツェの大学院)、ロンドンのレスリー・ハワードの下でさらに演奏技術に磨きをかけた。 第4回ワイマール国際フランツ・リストコンクールにて特別賞受賞。 出版社Acte Préalable主催の第4回録音プロジェクト「忘れられたポーランドの音楽」コンクールでグランプリを受賞し、ヨゼフ・ヴィニアフスキのピアノ作品を録音。カトヴィツェの政府機関であるマーシャル・オフィスとバイロイトのワーグナー協会から奨学金を授与されたほか、タルノフスキー・ゴーリー市長から文化的功績を称えて賞を授与されている。


ヴァーツラフ・クラフリーク:ジャズの様式による練習曲 – ピアノのために 第2巻(第6番-第10番)
チェコ共和国のピアニストであるヴァーツラフ・クラフリーク作曲による《ジャズの様式による練習曲》(全15曲・全3巻予定)の第2巻の楽譜が第1巻に続いて出版されます。クラフリークは幼い頃から父の影響でジャズやクラシック音楽を親しみ、プラハ音楽院ではヨゼフ・スークのピアノ作品の演奏で知られるパヴェル・シュチェパーンのもとでピアノを学びました。彼は「自分自身を作曲家と意識したことない」と語っており、今回出版される曲集《ジャズの様式による練習曲》は、時間の経過と共に決まった形をとるようになったクラフリークの即興演奏が投影されたものであり、この”即興演奏”には、ジャズやクラシック音楽の語法に基づいたものです。1曲あたり3~4分と演奏会のアンコールピース、発表会で披露する曲としても大変ピッタリです。
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ヴァーツラフ・クラフリーク(Václav Krahulík)
1966年、チェコスロバキアのウースチー・ナド・ラベム(現在のチェコ共和国)に生まれる。テプリツェ音楽院、そしてプラハ音楽院のパヴェル・シュチェパーンのクラスでピアノを学ぶ。若い頃は、ピアノのヴィルトゥオーゾとして、自作の«ソナタ 嬰ヘ調»の演奏で現代作品の最優秀解釈賞などいくつかの賞を受賞している。ソリスト、室内楽奏者、伴奏者として演奏活動を行っている。ソロCDを数枚録音しているほか、数多くのレコーディングに参加している。また、ウースチー・ナド・ラベムのヤン・エヴァンゲリスタ・プルキニェ大学などで音楽教師も務めている。フランツ・リストの後期作品や、音楽的ロマン主義からモダニズムへの転換に関する著作など、音楽学的な著作もある。クラシック音楽のピアニストのキャリアとしてだけでなく、時にはポピュラー音楽や音楽劇のプロジェクトにも参画し、ホルン奏者で指揮者であるラデク・バボラークがアストル・ピアソラの作品に捧げたオルケストリーナ・アンサンブルのCD2枚に参加している。


石月一匡:チェロとギターのための編曲集
昭和のギター界を牽引した名ギタリスト石月一匡による『チェロとギターのための編曲集』が再版。バロック時代から古典派時代の数々の名曲が1冊に収まっており、ギター奏者及びチェロ奏者にとって重要なレパートリーとなること間違いないでしょう。
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収録楽曲
F. クープラン:5つの演奏会用小品
A. ヴィヴァルディ:ソナタ ホ短調 作品14-1 RV40
G. Ph. テレマン:ソナタ ホ短調 TWV 41:e5
G. B. サマルティーニ:ソナタ ト短調
F. J. ハイドン:アダージョ(チェロ協奏曲 ニ長調 第2番 Hob.VIIb:2)
L. ボッケリーニ :ソナタ イ長調 G. 4
J.-B. ブレヴァル:ソナタ ト長調 作品12-5
W. A. モーツァルト:ソナタ 変ロ長調 K 292/196c
L. V. ベートーヴェン:アンダンテと変奏曲 ニ長調 WoO 44b
F. メンデルスゾーン=バルトルディ:無言歌 作品109
C. サン=サーンス:白鳥(「動物の謝肉祭」より)
P. チャイコフスキー:感傷的なワルツ 作品51-6
G. フォーレ:夢のあとに 作品7-1

序文より
チェロの独奏は普通はピアノまたはチェンバロを伴うが、ギターとの二重奏に適した作品も少なくない。バロック時代及び古典派時代のものがそれである。ギターの音域とチェロの音域が、ほぼ同じであること、してピアノやチェンバロと異なり、ギターにはスラーやポルタメントという弦楽器特有の奏法があること、音色が類似していることなどから、音量のバランスさえ考慮して演奏すれば好ましい二重奏になり得る。曲集中、テレマン、モーツァルト、ベートーヴェンの作品は各々ヴィオラ・ダ・ガンバ、ファゴット、マンドリンからチェロに移したものであり、ギターのパートは、チェンバロ、ピアノまたはチェロから編曲したものである。

石月一匡(いしづき かずまさ)
1933年、長野市生まれ。ギタリスト、ガンビスト、作曲家、編曲家。16歳より、ギターと作曲を独学で始める。1969年、オスカー・ギリアによるマスタークラスのコンクール最優秀賞を受賞。ギター演奏を溝渕浩五郎、阿部保夫、オスカー・ギリアに師事。生涯を通じて、クラシック音楽におけるギターの地位向上に尽力した。ギターはヘルマン・ハウザー3世を愛用。
演奏活動では、ソロ以外にもギター室内楽を重点的に演奏し、数多くの作品を初演した。それらには、ギター五重奏曲(M. カステルヌーヴォ=テデスコ作曲)、ギターオブリガード付き交響曲(ボッケリーニ作曲)、ギター協奏曲(ボッケリーニ作曲、カサド編曲)などが含まれる。
1961年に「ギター室内楽協会」を設立・主催、当時は世界的にもギターを用いた室内楽を演奏する楽団は珍しかった。1983年には、ロココ音楽・古典派音楽の演奏を中心とする合奏団「ボーテン・デル・カンマムジーク」を組織した。出版物は、自作・編曲以外にも「ギター室内楽選集」(全音楽譜出版社)を始めとした室内楽譜が数多く、他にも好評を博した「ジュリアーニ・ギター名曲選」(全音)などがある。

2022年10月の新刊情報(ニコライ・ホジャイノフ、グリンカ/佐伯涼真、平野義久、山田耕筰)

2022年10月の新刊情報をお届けします。本日よりご予約の受付を開始いたします。また、近日中にPDFの予約販売も開始予定です。これらの楽譜の販売・発送開始予定日は2022年10月25日です。

ジャコモ・プッチーニ – ニコライ・ホジャイノフ:蝶々夫人 ハミング・コーラス(ピアノ独奏のために)
プッチーニの代表作のひとつである歌劇「蝶々夫人」から「ハミング・コーラス」が世界中で活躍するピアニスト、ニコライ・ホジャイノフによってピアノ独奏用作品として生まれ変わりました。この作品はオーケストラをバックにコーラスがハミングで歌う半ば合唱曲のような作品です。ホジャイノフは、トレモロを用いることでハミングの持つ独特で魅惑的な雰囲気を表現しました。なお、この編曲は日本でのピアノリサイタルでも演奏され、人気を博しています。

Photo: Marie Staggat

ニコライ・ホジャイノフ(Nikolay Khozyainov)
ピアニスト、ニコライ・ホジャイノフの音楽性と恐るべきテクニックは、全世界の聴衆を魅了している。これまで、ニューヨークのカーネギーホールやリンカーン・センター、ワシントンのケネディ・センター、ロンドンのウィグモアホール、パリのシャンゼリゼ劇場やサル・ガヴォー、モスクワのチャイコフスキーホール、東京のサントリーホール、シドニー・オペラハウス、チューリッヒのトーンハレ、ローマのクイリナーレ宮殿、マドリード国立音楽堂、国連など、世界の主要なコンサートホールで演奏。リサイタルやコンチェルトで多くの会場を満席にしている。また多くの大統領や首相、文化界、政治界の要人から称賛を受けている。2018年1月の東京サントリーホール公演には、上皇明仁陛下、上皇后美智子陛下(当時の天皇皇后陛下)が臨席された。また 2022年には、スペインの王家から騎士の称号と勲章を授けられた。 ホジャイノフはこれまで、ロンドンのフィルハーモニア管弦楽団、東京交響楽 団、シドニー交響楽団、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団、チェコ・ナショナル交響楽団、ロシア国立交響楽団、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、読売日本交響楽団、アイルランド RTEナショナル交響楽団などを含む多数のオーケストラと共演。
https://www.nikolaykhozyainov.com/


グリンカ/佐伯涼真:序曲 歌劇『ルスランとリュドミラ』(演奏会用ピアノ独奏編曲)
ムラヴィンスキーの指揮(録音)で広く知られているグリンカ作曲の歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲。意外にもこの作品の演奏会向けのピアノ独奏編曲版は存在するようで存在していませんでしたが今回、ピアニストの佐伯涼真が原曲に敬意を払いつつ非常にピアニスティックな作品に仕立て上げました。演奏にはかなりの技術が要求されますが、”演奏会用編曲”と謳っただけに華やかで特にアンコールピースには持って来いの作品です。

佐伯 涼真(さえき りょうま)
2000年さいたま市生まれ。7歳よりピアノを始める。第32回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールピアノ部門高校生の部第1位。第3回K Pianoコンクール高校生部門第1位。2019年、桐朋学園大学音楽学部音楽学科ピアノ専攻に入学。第26回フッペル鳥栖ピアノコンクール2020フッペル部門第2位。2021年桐朋ピアノコンペティションファイナリスト。2022年桐朋ピアノコンチェルト・コンペティション第1位。これまでにピアノを山上有紀子、武田美和子、中井恒仁、チェンバロを有田千代子、室内楽を村上寿昭、落合美和子、作曲を森山智宏の各氏に師事。


平野義久:Pickled Plum Rag & Rag Simulation(ピアノのために)
オーケストラ作品から劇伴作品まで幅広い作品を生み出している作曲家・平野義久のピアノ作品の楽譜が出版です。平野によれば「タラコ・スパゲティ」ないしは「抹茶アイス」を目指したという、通常のラグタイムとは一味違う彼ならではの強烈な作品です。

10代の頃ジャズに傾倒していたこともあり、ラグタイムは私にとって親しみある音楽ジャンルだ。 実際、スコット・ジョプリンの呑気さからアート・テイタムの桁違いな猛者っぷりまで、私は折に触れてこのユニークな音楽に魅了され、心踊らせてきた。劇伴の仕事においても、ジョプリンのいくつかの作品を様々な楽器編成でアレンジしたサウンドトラックを制作したことがあったし、もちろんオリジナルだって何度となく書いている。 思うにラグタイムとは、純然たる楽しみであり、眉間にシワよりも口角を上げることに寄与する、ハッピーかつアンチエイジングな音楽である。
だが、純音楽作品としてのラグを書いたのは、この2曲が初めてだ。かなりキテレツで冗談音楽めいたセクションも含まれるが、それは僕にとっての、そして願わくば聴衆にとっての「口角の上がる」純粋な楽しさとして響いてくれればと思う。言わずもがな、演奏家にとっては、「眉間にシワ」を深々と刻まずにはいられないエイジング促進必至のフレーズ群となる。ごめん。
平野義久による楽曲解説より

平野義久(ひらの よしひさ)
1971年12月7日和歌山県新宮市生まれ。5歳よりヴァイオリンを始める。バロック音楽に魅了され、小学生の頃から独学で作曲を始める。高校時代にジャズと邂逅、また、ジョン・ゾーンへの心酔を契機に現代音楽に心惹かれるようになる。一方で、ショスタコーヴィチの交響曲に強い感銘を受け、本格的な作曲の修行を決意する。高校卒業後紆余曲折を経て渡米、イーストマン音楽院で作曲をクリストファー・ラウス、ジョセフ・シュワントナー両氏に師事する。バタイユ、クロソウスキー、マンディアルグ、ジュネら20世紀フランスの作家・思想家に傾倒し、授業もそっちのけで多くの時間を読書、そして作曲に費やす。紆余曲折を経て同院中退、その後帰国。さらなる紆余曲折を経て2001年に劇伴作曲家としてデビュー。以来今日に至るまで数多くのサウンドトラックを世に送り出している。文学・哲学から落語・モードファッション、さらには動物・昆虫・素粒子までこよなく愛する好奇心旺盛な作曲家。ただし幼少時のトラウマ体験により芋虫恐怖症。


山田耕筰 ピアノ曲拾遺 全3巻

クラシック専門レーベルのVacances Musicalesとの共同プロジェクトにより「赤とんぼ」や「この道」などの歌曲でも広く知られた国民的作曲家・山田耕筰の埋もれた傑作ピアノ作品の楽譜を出版します。解説は音楽学者の高久暁、校訂・校閲はピアニストの杉浦菜々子によるものです。拾遺(しゅうい)とは、余ったり見落とされたものを集めたもののこと。存在は知られていたものの、これまでなぜか出版されたことのなかった作品や、未完作品の補筆完成版を収録しています。

山田耕筰:ピアノ曲拾遺 第一集《古典様式による初期作品》
ガヴォット、ロンド、変奏曲といった未だかつて出版されたことのないベルリン時代の作品群の出版、及び、かつて旧第一法規からその一部が出版されたもののその後絶版状態となっているソナタ、シャコンヌといった古典様式の作品群の復刻。これらの作品は日本クラシック音楽黎明期の貴重な記録であり、日本人が最初にヨーロッパでクラシック音楽を本格的に学んだ際の瑞々しい喜びが反映された佳曲です。

収録曲目:メヌエット 変ホ長調 / 2つのソナチネ / ソナタ ホ長調 / アレグロ・モデラート / ソナタ ト長調 / ガヴォット ト長調 / マーチ ト長調 / 秋の日のメロディ / 無言歌 / 変奏曲 ト短調 / 変奏曲 イ長調 / 主題と変奏曲 ハ長調 / シャコンヌ ハ短調 / シャコンヌ ハ長調 / オリムピック行進曲 輝く朝日

山田耕筰:ピアノ曲拾遺 第二集《山田耕筰歌曲によるピアノ編曲》(平野真奈、永井みなみ、青木聡汰による)
山田耕筰の名を不朽にしているのは何といっても「赤とんぼ」や「この道」といった日本人なら誰でも知る名曲歌曲ですが、「からたちの花」については山田自身の編曲が存在し、現在でも演奏されています。その山田の例に倣い、若手作曲家の青木聡汰 、平野真奈、永井みなみが山田の名曲の数々をピアノ作品として生まれ変わらせました。

収録作品:山田耕筰:からたちの花 / 平野真奈編曲:赤とんぼ、あわて床屋、ペチカ / 永井みなみ編曲:この道 / 青木聡汰編曲:鐘が鳴ります、城ヶ島の雨、砂山、六騎

山田耕筰:ピアノ曲拾遺 第三集《未完成作品の補筆完成》
山田が遂には完成させることがなかった「ソナタ・エクスタジエ」「アンプロンプチュ」「神戸の想い出」「セレナード」といった大作を、気鋭の作曲家・即興演奏化の榎 政則が補筆完成。いずれも現在知られている山田のピアノ作品にはない大規模な作品であり、スクリャービンやショパンの影響を受けつつ山田独自のピアニズムに昇華された日本ピアノ音楽黎明期の精華と言える充実した内容です。

収録曲目:アンプロンプチュ* / ソナタ・エクスタジエ* / セレナード* / わが神戸時代の思い出* / 《付録》源氏楽帖 (い)「桐壺」の巻より (ろ)「若紫」の巻より (は)「末摘花」の巻より (に)「紅葉の賀」の巻より (ほ)「花の宴」の巻より (へ)「花散里」の巻より (と)「須磨」の巻より

髙久 暁(たかく さとる)
音楽学・音楽評論。日本大学芸術学部教授(芸術学[音楽学]・美学)。主な研究分野として20世紀の亡命ロシア人音楽家の生涯と創作(ニコライ・メトネル、アレクサンドル・チェレプニンほか)、アジア諸国のピアノ文化史、日本人及び台湾人作曲家の創作史(篠原眞、郭芝苑、許常惠ほか)、近現代ギリシャを中心とするバルカン半島諸国の芸術音楽史など。共著・論文・翻訳等多数。校訂・編集楽譜として世界初出版の初期稿を含むニコライ・メトネル《忘れられた調べ 第1集》作品38(全音楽譜出版社)、マルク=アンドレ・アムラン《コン・インティミッシモ・センティメント》(音楽之友社/Edition Peters)、ワルター・ギーゼキング《シャコンヌ》(ミューズ・プレス)ほか。

杉浦 菜々子(すぎうら ななこ)
ピアニスト。武蔵野音楽大学大学院博士前期課程修了。 日本人作品の演奏をライフワークとし、出版における調査や資料収集、校正、校閲に当たっている。近年は委嘱や新作の初演にも積極的に取り組んでいる。2016年よりピティナ公開録音コンサートで「日本人作品の夕べ」シリーズとし、数多くの日本人作品を演奏、録音している。ピティナピアノ曲辞典には演奏動画多数と曲解説が登録されている。 2018年11月に1stアルバム「山田耕筰ピアノ作品集」をリリース(『レコード芸術』誌【特選盤】)。2021年11月2ndアルバム「休暇の日々~フランスバロックからセヴラック、タイユフェールまで」を、2022年3月3rdアルバム「J.S.バッハ&S.L.ヴァイス リュート作品の鍵盤用トランスクリプション集」(『レコード芸術』誌【準特選盤】)を、2022年6月「近藤浩平&山田耕筰ピアノ作品集『麦草峠のギター』」を、2022年9月「知られざる山田耕筰のピアノ音楽」(『レコード芸術』誌【準特選盤】)をリリース。


2022年9月の新刊情報(ニコラス・ナモラーゼ、ロン・イェディディア)

2022年9月の新刊情報をお届けします。本日よりご予約の受付を開始いたします。また、近日中にPDFの予約販売も開始予定です。これらの楽譜の販売・発送開始予定日は2022年9月25日です。

ラフマニノフ/ニコラス・ナモラーゼ:アダージョ(交響曲第2番 作品27より)ピアノ独奏版
世界で活躍するコンポーザー=ピアニストであるニコラス・ナモラーゼの初の編曲作品が遂に出版です。ラフマニノフのオーケストラ作品で最も有名な曲のひとつ、アダージョ(交響曲第2番 作品27より)は、作曲から約100年経ても多くの人々を魅了し続けています。これまで数多くのピアノ独奏編曲が生み出されてきましたが、作曲家の顔も持つナモラーゼによってピアノ曲として完成度の高い編曲に仕上がりました。原曲のハーモニーを尊重しつつ、オーケストラのもつ重厚感をピアノで表現することに見事成功し、作品の後半ではピアニスティックなパッセージも登場し演奏者はもちろん、聴衆も飽きさせません。演奏には高度な技術が求められますが、非常に演奏効果の高い編曲です。

冒頭部分
後半部分

Pianists will delight in this exciting transcription by Nicolas Namoradze of a symphonic masterpiece.

—— Norma Fisher (Pianist)

ニコラス・ナモラーゼ(Nicolas Namoradze)
コンポーザー=ピアニストのニコラス・ナモラーゼは、クラシック音楽最高峰のコンクールの1つでもあるカナダのカルガリーで開催されたホーネンス国際ピアノコンペティションで2018年に優勝し、国際的な注目を浴びるようになりました。批評家からは「輝かしく…繊細で色彩豊かである」(ニューヨーク・タイムズ)、「実に豪華である」(ウォール・ストリート・ジャーナル)などと高い評価を受けている他、WQXRの「20 for 20:Artists to Watch/クラシック音楽を再定義する今注目すべきアーティスト」の1人として選ばれました。作曲家としてはケン=デイヴィッド・マズア、テッサ・ラーク、メトロポリス・アンサンブル、モメンタ、ヴェローナ、バルカーダ四重奏団などの主要アーティストやアンサンブルによって作品が演奏されています。また、チェルシー音楽祭、ホーネンスフェスティバル、サンタフェなどの音楽祭からの委嘱で昨比を書いています。他にも、ファビエンヌ・ヴェルディエ監督の映像作品「Walking painting」やフランスのエクサン・プロヴァンス音楽祭に関連して制作されたショートフィルム「Nuit d’opera a Aix」にも参加しています。


ロン・イェディディア:12の大練習曲 第1集 第2巻(第5番-第8番)
2021年11月から出版が始まったロン・イェディディアによるピアノ独奏のための作品、その名も「大練習曲(Grand Etudes)」。全24曲作曲され、完結までに約30年近くを要しました。これらの作品の一部は、イェディディア自身によって演奏・録音され、多くのピアノファンの中を魅了しています。今回は、1994年と1995年に作曲された第5番から第8番までの作品を出版します。この作品が書かれた時期は、まるで異世界の源からミューズが降りてきたかのように、「宇宙的なインスピレーション」が高まった時期であったと作曲者は語っています。

■収録楽曲
大練習曲第5番 / 大練習曲第6番「日の出」/ 大練習曲第7番「洋上の飛行」/ 大練習曲第8番「夜の砂漠の呼び声」

ロン・イェディディア(Ronn Yedidia)
彼の作品は過去20年間に国際的な注目を浴びるようになりました。作品は世界の主要なコンサートホールで取り上げられている他、映画、ラジオ、テレビ番組にも登場し、彼の作曲家兼ピアニストとしての地位を確かなものにしています。1960年、イスラエルのテルアビブに生まれ、アルフレッド・コルトーの弟子であったプニーナ・ザルツマンのもとで幼い頃からピアノを学びました。
現在までにイェディディアの作品は、EMIやナクソス、ソニーBMGなどの大手レーベルにも収録されました。アメリカのレーベル・Altarusによってリリースされた自作自演アルバム『Yedidia Plays Yedidia』は世界中の作曲家やピアニストから注目を浴び話題となりました。また、ニューヨーク・ピアノ・アカデミーの創設者でもあり、後進の育成に努めています。


これまでにミューズ・プレスから出版されたロン・イェディディア&ニコラス・ナモラーゼのピアノ作品

2022年8月の新刊情報(ダニエル・クラーメル、ロベルト・ピアーナ、アントニオ・ポンパ=バルディ、ユーニー・ハン、ヴァーツラフ・クラフリーク)

2022年8月の新刊情報をお届けします。本日よりご予約の受付を開始いたします。
なお、これらの楽譜の販売・発送開始予定日は2022年8月25日です。

ダニエル・クラーメル:6つの演奏会用練習曲 & クレド
ウクライナ出身のジャズピアニストであるダニエル・クラ―メルのピアノ作品がミューズプレスから出版です。今回出版する《6つの演奏会用練習曲》は1987年、ロシア(旧ソ連)の出版社からニコライ・カプースチンの《8つの演奏会用練習曲》と合本で9930部ほど発行されたにも関わらず大変入手困難な楽譜でありました。しかし、今回の再出版にあたって、クラ―メルによって運指の追加、テンポの見直しなど楽譜が改訂されることになりました。また、演奏会用練習曲と併せて、これまでは第三者による非公式の採譜版しか出回っていなかった彼の代表作である《クレド》のロングバージョンもクラーメルによって監修され、この楽譜に正式版として収録されました。


V.クラフリーク:ジャズの様式による練習曲 – ピアノのために 第1巻(第1番-第5番)
チェコ共和国のピアニストであるヴァーツラフ・クラフリーク作曲による《ジャズの様式による練習曲》(全15曲・全3巻予定)の楽譜が遂に刊行開始します。クラフリークは幼い頃から父の影響でジャズやクラシック音楽を親しみ、プラハ音楽院ではヨゼフ・スークのピアノ作品の演奏で知られるパヴェル・シュチェパーンのもとでピアノを学びました。彼は「自分自身を作曲家と意識したことない」と語っており、今回出版される《ジャズの様式による練習曲》は、時間の経過と共に決まった形をとるようになったクラフリークの即興演奏が投影されたものであり、この”即興演奏”は、ジャズやクラシック音楽の語法に基づいたものです。1曲あたり3~4分と演奏会のアンコールピース、発表会で披露する曲としても大変ピッタリです。


ラフマニノフ/ユーニー・ハン:アンダンデ・カンタービレ《パガニーニの主題による狂詩曲》より(ピアノ独奏版)
数々のピアノコンクールに入賞し、現在は香港バプティスト大学ピアノ科助教授を務めるユーニー・ハン。彼女がセルゲイ・ラフマニノフ作曲《パガニーニの主題による狂詩曲》の最も有名な第18変奏「アンダンテ・カンタービレ」をピアノ独奏用に編曲をしました。この編曲は、2020年にリリースしたピアノアルバム「Hollywood Romance」(Universal Classics)に収録されています。この「アンダンテ・カンタービレ」は、1980年公開の恋愛映画『ある日どこかで』の愛のテーマとして使われているほか、CMなどでもよく使用されていることから、ラフマニノフの書いたメロディの中でももっとも有名なものでしょう。


レスピーギ/アントニオ・ポンパ=バルディ:ヴァイオリン・ソナタ(ピアノ独奏版)
「ローマ三部作」で知られるイタリアの作曲家であるオットリーノ・レスピーギの作品の中でも傑作と言われれている《ヴァイオリンソナタ》がアントニオ・ポンパ=バルディの手によって“ピアノソナタ”として生まれ変わりました。この編曲はコロナウィルスが大流行した時期に数ヵ月ほどで書き上げられ、ポンパ=バルディの自奏動画がYouTubeに投稿されました。演奏動画は大好評で楽譜の出版を望む声が多くありました。曲中では、より効果的な音響空間を作り出すためにソステヌート・ペダルを多用する必要があり、必然的に難易度の高い作品に仕上がっています。なお、演奏動画ではポンパ=バルディの高度なペダルテクニックを垣間見ることができます。


ロベルト・ピアーナ:プッチーニの《ラ・ボエーム》による大幻想曲(ピアノのために)
イタリアを代表するコンポーザー=ピアニストであるロベルト・ピアーナはピアノのためのオペラ・パラフレーズ(幻想曲)を書く行為を「楽曲を洗練する上での研究所」と語り、この創作行為を通して、ピアノの可能性を追求しました。今回、ピアーナによって作られた「プッチーニの《ラ・ボエーム》による大幻想曲」は、演奏に約30分かかり、演奏には技術的にも音楽的にも大変な労力を要します。曲中、私たちが一度はどこかで聞いたことがある「私の名前はミミ(Sì, mi chiamano Mimì)」や「私が街を歩けば(Quando men vo)」、 「年老いた外套よ、きいておくれ(Vecchia zimarra, senti)」などのアリアも登場し、どこか親しみを感じることでしょう。

【新刊情報】山中惇史:翡翠の時 (2021) – ピアノソロ —

この度、作曲家・ピアニストとして活躍する山中惇史のピアノ作品「翡翠の時」を出版いたします。

「翡翠の時」の楽譜表紙

本作品は、2021年に開催されたピティナ・ピアノコンペティションの特級セミファイナルの課題曲として委嘱されたことにより誕生しました。コンクールという極限の状態にいる音楽への愛を携えた演奏者たちと作曲者が幼少期に出会った凛とした翡翠の姿が重なった奇跡的な作品です。こちらのページからご購入いただけます。

「翡翠の時」作品に寄せて
小学校からの帰り道、生茂る木々を分け入った先に小さなほとりがあり、枝の先に翡翠が。息を飲むように、そっと覗き見たエメラルドグリーンの美しさは今でも脳裏に鮮烈に焼き付いています。

コンクールという極限状態にさらされる場に音楽への愛を携え挑もうとする皆さんを思った時、何故かその翡翠の凛とした姿が頭によぎりました。この上なく純で、一瞬で過ぎ去る幻の時。

ファンタジーを持って演奏していただければ幸いです。

商品情報
作品名:「翡翠の時」(2021)
序文(英語・日本語):山中 惇史
ページ数:16ページ
ISBN978-4-90966-88-2
表紙イラスト:Rachel Toll
表紙デザイン&コンセプト:泉 美菜子

今泉響平による演奏

【お知らせ】
なお、こちらの「翡翠の時」は、作曲者である山中惇史によって下記の演奏会にて取り上げられます。
チケットをご希望の方は、①お名前 ②枚数 ③ご連絡先 を明記の上、以下のメールまでお問い合わせください。
山中惇史ピアノ・リサイタル実行委員会:atsushiyamanakapianorecital@gmail.com


山中惇史
東京藝術大学音楽学部作曲科を経て同大学音楽研究科修士課程作曲専攻修了。後に同大学器楽専攻ピアノ科卒業。第26回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門第1位受賞。器楽、室内楽、合唱など多数がヤマハミュージックメディア、カワイ出版などから出版されている。
またピアニストとしては2018年にリサイタル・デビュー。共演者としても絶大なる信頼を置かれ、国内外の著名なアーティストに指名を受け共演を重ねる。ピアニスト、作曲家、アレンジャーとして参加した各CDはレコード芸術誌にて特選盤、 準特選盤に選出されている。東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、群馬交響楽団など多数のオーケストラとの共演、作品が演奏されている。2020年にピアニスト・作曲家の高橋優介とのピアノデュオ『176』(アン・セット・シス)を結成。自らの編曲によりオーケストラ作品の演奏に挑み、第1弾として『レスピーギ/ローマ三部作』をメインに演奏会を開催、同時にカワイ出版より楽譜出版、ライブレコーディングもされた。
最新アルバム『ジョン・ウィリアムズ・ピアノコレクション』がエイベックス・クラシックスより2021年10月に発売。今シーズン(2021)では、ピティナ・ピアノコンペティション特級新曲課題曲、朗読音楽劇「シャーロックホームズ」(主演・山寺宏一、脚本/演出/構成・野坂実)の作曲を担当、セントラル愛知交響楽団定期公演に招かれリスト/ピアノ協奏曲第1番を演奏など、活動は多岐にわたる。東京藝術大学非常勤講師。

Twitter: @ginyamagin Instagram: @yamanaka.atsushi

山中惇史
photo ©Imura Shigeto

2022年5月の新刊情報(平野弦、山本純ノ介、レスリー・ハワード、ローガン・スケルトン、ゴドフスキー、カミェニャク、ブランシェ)

2022年5月の新刊情報をお届けします。


平野弦:ピアノ作品集
彼の名前をYouTubeで見かけたことがある方も多いかもしれません。恐らくは、人間離れした驚異的なテクニックで超難曲である一柳慧の「タイム・シークエンス」や「ピアノ・メディア」を演奏している姿をYouTubeでご覧になった方が多いでしょう。これまで、彼の自作曲である「前奏曲とフーガ」や平野弦による「弦楽のためのアダージョ」(作曲:バーバー)のピアノ独奏編曲は、楽譜出版を要望する声が多数上がっていました。今回それらの作品も含め、一部のピアノ愛好家で存在が囁かれていた平野弦によるオリジナルピアノ作品も数曲、そして平野弦による楽曲解説も加えピアノ作品集として登場します。

収録楽曲
練習曲 ヘ短調(第1稿)/ 練習曲 ヘ短調(第2稿) / 前奏曲とフーガ / フーガ ヘ短調 / 夜想曲「壊れた籠」- 左手のために / フーガ 変ホ短調 – 左手のために(或いは両手のために) / 「荒城の月」の主題によるフーガ / サミュエル・バーバー:弦楽のためのアダージョ(ピアノ独奏編曲:平野弦)


山本純ノ介:梅花月下の舞(二十五絃筝のために)
日本を代表する箏曲家の野坂操壽の委嘱によって作曲家の山本純ノ介は二十絃筝の魅力に憑りつかれ約1年半の歳月をかけ、2016年に「梅花月下の舞」を完成させました。この作品は、二十五絃筝による私小説のような交響詩的抒情組曲として生まれ、現代人としての感覚を活かした浪漫的でより抒情的な時間と空間に想いを馳せた作品にしたいという考えが根底にあります。

山本純ノ介の解説より
一曲目「蕾膨らむ」は厳しい寒さの中で新しい芽、命が「存(ある)」場所や意義、主張を感じさせる。その瞬間、喜びや不安が交錯し対峙しはじめる。鼓動その息吹。
二曲目「花見ゆる」は実際の花芯が花神によって何層にも織りなす花弁に変様、変貌する様。成長の喜び、期待であるが「待つこと」への試練、我慢が同時にある。最後の三曲目「散華」は多くの困難なパッセージ群を完奏し最後に短歌を吟じることで、新しい事象に到達したとする。散華は感謝、救い、希望に昇華した音楽に変貌する。吟唱後の結尾では第一曲目冒頭の音列を活かしたフレーズが変容され再現。続いて第三曲冒頭の律動による異なる音律が現れ、新たな息吹の存在を予見して曲は閉じる。

サン=サーンス/ゴドフスキー編曲:白鳥(ピアノ独奏版)
本作品は、ゴドフスキーの数多くの編曲作品の中でも最も演奏の機会に恵まれている編曲作品です。今回、出版にあたってアメリカ議会図書館に所蔵されている自筆譜の情報も取り入れています。新版となって登場です。解説は、日本を代表するゴドフスキーの研究家・演奏家でもある西村英士によるもので、サン=サーンスとゴドフスキーの関係にフォーカスした充実の解説となっています。

西村英士の解説より
...ゴドフスキーはフランス、トルヴィルの港で船を降り、リストの住むワイマールを目指した。しかし汽車が出発して間もなく、彼の目に飛び込んできたのは、何とリストの訃報を知らせる新聞記事だった。ちょうどこの直前、7月31日にリストは74歳でこの世を去ったのだった。あてを失ったゴドフスキーは途方に暮れたに違いない。しばらく彼はパリに滞在し、今後の身の振り方を考えた。フランス語を話せず、お金もなく、生活に苦労する中、アメリカへ戻ることも頭をよぎったが、結局、彼はヨーロッパに残って別の音楽家に師事することを模索した。リスト亡き後、ゴドフスキーが欧州最高の音楽家と考えたのはサン=サーンスだった。...

エミール=ロベール・ブランシェ:エチュード・ポリトナル 作品94
作曲家として、また登山家としても知られるスイス出身のエミール=ローベル・ブランシェの未出版ピアノ作品のひとつであった作品が初の出版となります。「エチュード・ポリトナル」というタイトルの通り”多調”の個性的な作品です。


エミール=ロベール・ブランシェ
スイス生まれのコンポーザー=ピアニスト。音楽の手ほどきをイグナツ・モシュレスの弟子でもあり、教会オルガニストでもあった父シャルル・ブランシェから受ける。また、ドイツに渡り、グスタフ・イェンセンとフリードリヒ・ヴィルヘルム・フランケ、フェルッチョ・ブゾーニの下で学んだ。ドイツから帰国後は、ローザンヌ音楽院でピアノ科の教授を務めるが、1908年以降は、教育活動、作曲活動、コンサート活動や登山に専心した。彼の作品は作品番号が付くものだけで100曲以上、その中で相当の数がピアノ独奏のために書かれている。


レスリー・ハワード:カタラーニのオペラ「ラ・ワリー」の回想 – ピアノのための演奏会用幻想曲
「もしもリストがカタラーニ作曲のオペラ《ラ・ワリー》に基づきパラフレーズを作曲していたなら?」そのような構想のもと、フランツ・リストの作品のスペシャリストであるレスリー・ハワードが幻想曲に仕立て上げました。「ラ・ワリー」の中のアリアである「Ebben’ ne andrô lontano(さようなら、故郷の家よ)」は、この幻想曲の大部分を占めます。ちなみに、このアリアは数年前に人気を博した映画「ディーバ」でも取り上げられたことにより非常に多くの方に知られることになりました。レスリー・ハワード自身の演奏によって英国の音楽レーベルであるHyperionから録音もリリースされています。


チャイコフスキー:ソナタ ヘ短調 第1番 – 遺作(校訂:補筆完成:レスリー・ハワード)
ロシアで出版されたチャイコフスキーのピアノ作品集の中に掲載されたピアノソナタ(作品集の中では”Allegro”と名付けられています)の断片をレスリー・ハワードが補筆・完成させました。このピアノソナタが作曲された経緯や作曲が途中で破棄された理由などは謎に包まれたままです。しかし、レスリー・ハワードは「このソナタは、《ピアノソナタ ハ短調 作品80》とも引けを取らない程の力強さを持った作品」と語っています。なお、ハワード自身の演奏によって英国の音楽レーベルであるHyperionから録音もリリースされています。

レスリー・ハワードの解説より
今回の補筆完成版では、主題回帰の導入、第2主題への移行の導入と第2主題の若干の変更、自筆譜で削除された旋律から続く短いコーダの導入を行いました。コーダについては、チャイコフスキーの初期作品「ロシア風スケルツォ(Scherzo à la russe)」 作品1 第1番を参考にしています。編曲にあたっては、言うまでもなく可能な限り少ない改編を念頭におきました。完成した編曲は338小節から成る約10分のソナタで、自信に満ちた若きチャイコフスキーの修辞的なジェスチャーと旋律的な抒情味が後に成熟した彼の個性を予期させます。(チャイコフスキーはこの作品の第2主題を「スケルツォ」 作品2 第2番のトリオに導入しています)。

レスリー・ハワード:アルバムリーフ & ピアノソナタ 第1番
レスリー・ハワードによるオリジナルのピアノ作品が初出版です。アルバムリーフは、イギリスに永住をした後の1973年にロンドンで作曲され、1曲目は「ドムラとピアノフォルテのためのロシアの主題による小品」(レスリー・ハワード作曲)の旋律を用いた復調の作品。2曲目は、パーシー・グレインジャーの音楽の「未知」の部分に焦点を当てた作品です。ピアノソナタは、21歳の時に作曲された十二音技法的作品です。


W.A. モーツァルト:組曲(補筆:ローガン・スケルトン&ヒョン・ジョン・ウォン)
数々の名曲を生み出してきたW.A. モーツァルトは、意外なことに序曲、アルマンド、クーラントやジーグ、そしてサラバンドの断片といった組曲の様式に模倣した、または組曲の断片と考えることができる鍵盤楽器作品を作曲していました。モーツァルトの死後、妻のコンスタンツェによって彼のスケッチの9割ほどが破棄されたと言われており、これらの組曲の断片は破棄を免れた作品の一部かもしれません。この楽譜は、モーツァルトの未完のバロック組曲、あるいは失われたかもしれない組曲を再構築するための試みが具現化されたものです。ローガン・スケルトンによる4ページに渡る充実した解説、約80ページに渡る2種類の組曲と付録を掲載し、充実した楽譜となっています。

収録楽曲
組曲 – 修正版(序曲、アルマンド、クーラント、ドゥーブルを伴うサラバンド、メヌエットとトリオ、ガヴォット、ジーグ)/ 組曲 – ハ長(序曲、アルマンド、クーラント、ドゥーブルを伴うサラバンド、メヌエットとトリオ、ガヴォット、ジーグ)/ サラバンド(原曲の断片)、モーツァルトによるトリオ 変ロ長調(原調)/ M.シュタードラーによるトリオ ロ短調(原調)/ M.シュタードラーによるトリオ イ短調 / ガヴォット《Les petits rien》より(原調) / ジーグ ト長調(原調)


トマシュ・カミェニャク:ピアノ編曲集(サン=サーンス、グノー、リスト、イギリス国歌&クイーン)
19世紀に目覚ましく発展した「編曲」の伝統。リスト、タールベルク、サン=サーンス、アルカンなどが次々と編曲作品を生み出し、ロマン派時代を語る上で外すことのできない名編曲は数多く存在しています。このピアノ編曲集には、その伝統に対して深い共感と尊敬を持ったカミェニャクによる「ピアニスティック」な編曲作品が収められています。なお、リスト、サン=サーンス、そしてイギリス出身のロックバンドであるQueenの作品の個性的な編曲作品が並びます。演奏会のアンコールピースとしてもピッタリです。

収録楽曲
フランツ・リスト:信頼(Verlassen) / サン=サーンス:もしもあなたが私に何も言うことがないのなら(Si vous n’avez rien à me dire) / カミェニャク:英国国家に基づく幻想曲”Al-Li-Thal” / Queen: Who Wants to Live Forever


トマシュ・カミェニャク:ピアノソナタ 第1番「孤独」 作品39
ベルリンを拠点に活躍するコンポーザー=ピアニストであるトマシュ・カミェニャクがヘンリク・グレツキの娘であるアンナ・ゴレツカの委嘱によって作曲したピアノソナタ第1番が初出版です。カミェニャクは、ピアニストとしてもヨーロッパを中心として活躍し、シャルル=ヴァランタン・アルカンやフランツ・リストなどのロマン派音楽を積極的に演奏しています。このピアノソナタは、アラン・ポーの詩「孤独」からインスピレーションを得て、フランツ・リストの《ピアノソナタ ロ短調》を倣ったものかつ、リヒャルト・ワーグナーの精神をも受け継いだ作品です。カミェニャクによる演奏はコチラで聴くことができます。

平野義久によるピアノ曲「10のプレリュード」&「薔薇の奇蹟」初出版

劇伴作曲家として活躍する作曲家・平野義久によるピアノ曲が待望の初出版です。「10のプレリュード」は、それぞれ花の名前がタイトルとして記され、繊細でメランコリックな作風から力強い情熱的な作品が並んでいます。「薔薇の奇蹟」は、フランスの小説家であるジャン・ジュネの世界観にインスパイアされ、若かりし頃の平野義久が感じたジュネが醸し出すダンディズム、ロマンティシズムが色濃く描かれています。

作品名:10のプレリュード&薔薇の奇蹟(ピアノのために)
作曲:平野義久
価格:3500円(税抜)
ページ数:52
解説:平野義久(日本語・英語)

商品購入ページはコチラ

楽譜の発送は、3月7日(月)から順次行います。

― Contents (目次) ―
「10 Préludes (10のプレリュード)」
I. Mangnolia
II.  Forget-Me-Not
III. Dahlia
IV. Tuberose
V. Gymnaster
VI. Tatarian Aster
VII. Christmas Rose
VIII. Snowdrop
IX. LyCoris
X. Blue Rose

「Le miracle de la rose (薔薇の奇蹟)」

平野義久による楽曲解説
 本作品のCDが出た時、私はブックレットに「10 Préludes(10のプレリュード)」はポップス作品だと書いた。些かイキッた表現で、今読み返すと正直恥ずかしくもなるのだが、実際それは本心に違いなかった。
 だがその時、私はこの「ポップス」という言葉を、あるひとつのイデーに集約させて、独断的な解釈を施していた。それに則った作品ということで、本作をして「ポップス」などとうそぶいた訳なのだが、さてここで、ひとつきちんと警告せねばならない。もし本作を額面通り「ポップス」だと思ってピアノに置いたならば、あなたは大いなる困惑に苛まれることになる。つまり、本作品は本来のポップス的な音楽的形式やスタイルからは著しく乖離している。本作をポップスたらしめる要素はただひとつ、上記のイデー、すなわち「表現者と聴者のシンパシーの共有」のみである。


平野義久

1971年12月7日和歌山県新宮市生まれ。5歳よりヴァイオリンを始める。バロック音楽に魅了され、小学生の頃から独学で作曲を始める。高校時代にジャズと邂逅、また、ジョン・ゾーンへの心酔を契機に現代音楽に心惹かれるようになる。一方で、ショスタコーヴィチの交響曲に強い感銘を受け、本格的な作曲の修行を決意する。
高校卒業後紆余曲折を経て渡米、イーストマン音楽院で作曲をクリストファー・ラウス、ジョセフ・シュワントナー両氏に師事する。バタイユ、クロソウスキー、マンディアルグ、ジュネら20世紀フランスの作家・思想家に傾倒し、授業もそっちのけで多くの時間を読書、そして作曲に費やす。
紆余曲折を経て同院中退、その後帰国。さらなる紆余曲折を経て2001年に劇伴作曲家としてデビュー。以来今日に至るまで数多くのサウンドトラックを世に送り出している。
文学・哲学から落語・モードファッション、さらには動物・昆虫・素粒子までこよなく愛する好奇心旺盛な作曲家。ただし幼少時のトラウマ体験により芋虫恐怖症。

【楽譜出版決定・予約受付中】Konami Amusement (Virkato Wakhmaninov): ピアノ協奏曲第1番”蠍火” – ピアノソロ編曲:角野隼斗(かてぃん)

現在世界中から注目を浴び活躍しているピアニスト、角野隼斗(かてぃん/Cateen)がピアノソロ用に編曲したピアノ協奏曲第1番”蠍火”(作曲:Konami Amusement/Virkato Wakhmaninov)の楽譜が待望の出版です。

この曲は10代の角野に衝撃を与えた楽曲のひとつで、2019年にYouTubeで公開されると大きな話題となり、2022年2月現在で228万回再生を記録しています。もともと”蠍火”は音ゲー(曲やリズムに合わせて操作をしてスコアを競う音楽ゲーム)である「beatmania IIDX 11 IIDX RED」収録曲のひとつですが、タイトルからも分かるようにクラシック的な要素が強く、ピアノ協奏曲に相応しい情熱的な作品です。その作品が角野の手により演奏効果の高い、ピアニスティックな編曲に仕上がりました。この楽譜を演奏動画と楽しむも良し、ピアノの前で音に出してみるのも良し、様々な形でお楽しみいただけることでしょう。

楽譜の販売日は2月22日です。現在、以下のページより予約受付中です。
https://muse-press.com/item/mp05001/

作品名:ピアノ協奏曲第1番”蠍火”
作曲:Konami Amusement (Virkato Wakhmaninov)
ピアノソロ編曲:角野 隼斗(かてぃん)
価格:2000円(税抜)
ページ数:16
解説:角野隼斗(日本語・英語)
ISBN:978-4-909668-68-4
出版:合同会社ミューズ・プレス

本商品は、株式会社コナミアミューズメントとの契約により許諾された権利を使用して、合同会社ミューズ・プレスが製造したものです。



角野隼斗

1995年生まれ。2018年、東京大学大学院在学中にピティナピアノコンペティション特級グランプリ受賞。これをきっかけに本格的に音楽活動を始める。2021年、第18回ショパン国際ピアノコンクールでセミファイナリスト。これまでに読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、国立ブラショフ・フィルハーモニー交響楽団等と共演。2018年9月より半年間、フランス音響音楽研究所(IRCAM)にて音楽情報処理の研究に従事。これまでにジャン=マルク・ルイサダ、金子勝子、吉田友昭の各氏に師事。

東京大学大学院を卒業し、現在は国内外でコンサート活動を行う傍ら、“Cateen(かてぃん)”名義で自ら作編曲および演奏した動画をYouTubeにて配信し、チャンネル登録者数は92万人超、総再生回数は1億回(2022年2月現在)を突破。2020年12月にリリースした1stフルアルバム「HAYATOSM」(eplus music)は、オリコンデイリー8位を獲得。「情熱大陸」「バース・デイ」「題名のない音楽会」などテレビ出演多数。CASIO電子楽器アンバサダー、スタインウェイアーティスト。クラシック音楽に確かな位置を築きつつも、ジャンルを越えた音楽すべてに丁寧に軸足を置く、真に新しいタイプのピアニストとして注目を集めている。
https://hayatosum.com/

Hayato Sumino ©︎@ogata_photo

エドゥアルド・バグダサリアン:ピアノのための「24の前奏曲」

24の前奏曲(表紙)

エドゥアルド・バグダサリアン、彼はアルメニアをの音楽を語る上で絶対に欠かせない作曲家。彼の代表作のひとつであるピアノのために書かれた「24の前奏曲」を出版します。「24の前奏曲」は、1951年、1953年、1954年、そして1958年にそれぞれ6曲ずつ作曲され、1961年に初出版されました。しかしながら、程なくして絶版となり、楽譜の入手も極めて困難となりました。今回、アルメニアのピアノ音楽のスペシャリストとしてもを知られるアルメニア出身・アメリカ在住のピアニストであるラフィ・ベサリアンによって誤植が多数存在していた初版楽譜が見直され、新たにベサリアンの校訂版として登場します。また、ベサリアン自身による運指も付け加えられ、これから作品を学ぶ方にとって手助けとなるでしょう。

ご予約はこちらから
(発送予定日:2021年11月2日)
5000円(税込)|菊倍版(リング製本)|82頁
校訂・運指:ラフィ・ベサリアン
ISBN978-4-909668-79-0

「24の前奏曲」の中でも代表的な作品である第6番(演奏:ラフィ・ベサリアン)

ラフィ・ベサリアンによる楽曲解説
特異な発想、充溢した比喩的イメージ、濃厚で新鮮なハーモニーの表現、民謡に感化され更にバグダサリアンによってより濃くされたアルメニア音楽の色彩はこの作曲集特有のものである。更にバグダサリアン自身の流暢な鍵盤さばきが様々なピアノテクニックを用いた多種多様な個々の前奏曲の作曲を発展する根源となったのであろう。第2番は舞曲であり、アルメニア民謡の中でももっとも流行したスタイル、そしてこの作品集内でもよく使われているジャンルである。それとは別に第3番は東洋風のプレストエチュード。そして、第4番は技巧的なトッカータ。もっとも表現豊かでロマンチックな壮大たる第6番は、色彩豊かでヴィルトゥオージックな『絵画』であり、アルメニアの広大な風景を連想させ、「24の前奏曲」のハイライトと言える程の代表的な作品である。エスニックな遊び心にジャズ的な要素を含みながらも中間にベースラインのソノリティーが駆動する第7番。儚い美しさの中にニューエイジ音楽を仄めかす第8番では、上品に透明感のある印象主義的なカラーをも纏う。第9番は優雅なメヌエット。そして、第11番でバグダサリアンは、ひとつの独特なフィギュレーションを曲全体において発展させ、ミステリアスなトランクイロ(A部, A’部)が底力のあるダンスのような展開部(B部)と見事に並置される。印象音楽のようにはじまる第14番はやがて情熱的なラフマニノフのように中部で迫力とドラマを伴う。第18番はショパンのような親密なノクターン。短い曲である第23番のトッカータは本作品集内のもうひとつのクライマックスとなり、痛烈かつ刺激的である第24番はそのラプソディックな気質にとても感動的なアルメニア歌曲のようなメロディーをたずさえる。まるでバラードのように。


エドゥアルド・バグダサリアン(Eduard Baghdasarian)
アルメニア音楽の近代発展において重要な存在である。輝かしいピアニストであり作曲家、そして教育者でもあったバグダサリアンは彼の故郷であるアルメニア共和国により1963年に『名誉芸術家』と命名された。エレヴァンのコミタス音楽大学でG.V.サラジェヴ氏(ピアノ)とG.I.イェギザリアン氏(作曲)の門下よりピアノ科と作曲科の両課程で学位を取得。その後1951年から1953年の間、モスクワでG.I.リティンスキー氏のもとで博士号を取得する。その間、1953年にバグダサリアンはアルメニアの遠隔地へ旅をしながら各地の民謡などを収集し、そのメロディーを彼自身の作曲に次々と用いた。(まさに『アルメニア音楽の父』と呼ばれるコミタス・ヴァスルダペットが20世紀初頭に行ったことと同じである。)バグダサリアンはロマノス・メリキアン音楽大学教授を勤めたのちエレヴァン・コミタス音楽大学の教授となった。

バグダサリアンは全ての音楽ジャンルに精通し、クラシック、ジャズ、ポップや付随音楽を作曲し、アルメニアの中世音楽を編集した作品集まで見事に作り上げた。彼がほぼ全てのジャンルでの作曲を手がける。そんな中、バレエ曲『チェス』(1960)とピアノ協奏曲(1970)は、もっとも有名と言えることができ、バグダサリアンの創造性の主な焦点はピアノを用いた楽曲にある。彼の素晴らしい感性とピアノという楽器の性質に対する理解力は、最高度の表現を用いた作曲を可能にした。アルメニア民謡や伝統音楽を根元に、またそこに自然と繋がる彼自身のピアノ楽曲のスタイルを開花する事が出来たのである。バグダサリアンの作品の中で是非ここで記載しておきたいのは、ピアノ五重奏、24の前奏曲、クラリネットとピアノのためのソナタ、ピアノのためのアルメニアン・フォークダンス作品集、そしてかの有名なヴァイオリンとピアノのためのラプソディーとノクターン。バグダサリアンは度々、彼自身の作品の初演コンサートを行ったことでも知られている。

ラフィ・ベサリアン(Raffi Besalyan)
「ホロヴィッツらのロシアンピアニズムの正統を受け継ぐ存在」(ショパン誌)、「伴盤の奇才」(ファンファーレ誌)、「威厳ある存在と解釈の天分に恵まれた驚異のピアニスト」(アメリカン レコー ドガイド)、「力強く切れのよいタッチ、たっぷりと情緒のこもる表現を聴かせるなど高い水準を行く充実したリサイタルはこのピアニストへの注目をうながすに十分だ」(レコード芸術)と称賛され たラフィ・ベサリアンは、人を引きつける魅力と情熱によりその国際的な名声を確立した。

アルメニア・エレバン生まれのベサリアンは、特別英才児のためのチャイコフスキー音楽学校で学んだ後、エレバン・コミタス音楽大学で音楽修士号、及び博士号を取得。更に米国ローワン大学、ニューヨークのマンハッタン音楽大学で学位を取得。セルゲイ・ベルセギアン、著名なアメリカのピアニストであるバイロン・ジャニスに師事。モスクワ国立音楽院においてアレクセイ・ナセドキン、ヴィクター・メルジァノフ、ナウム・シュタルクマンに師事し研鑽を積む。ジョセフ・ホフマン国際コンクール、ニューヨーク フリンナ・アーバーバック国際コンクール、 アーティスト国際コンクールなどでも優勝。北米南米、ヨーロッパ、ロシアそしてアジアで演奏活動を繰り広げ、彼の演奏は2003年のカーネギーホールデビューをはじめ、ニューヨークのマーキンホール、ケネディ―センター、シカゴ・オーケストラホール、アトランタ・シンフォニーホール、デトロイト・マックス・フィッシャーミ ュージックホール、モスクワ音楽院ラフマニノフホール、ロシアのマリーザル、そして日本ではいずみホール、フェニックスホールなど名声ある会場において喝采を受けてきた。
公式ページ(https://www.raffibesalyan.com/)