新刊のお知らせ:ヴェルディ・オペラ編曲(マーク・ヴァイナー編)

合同会社ミューズ・プレスより、イギリスを中心に活躍しているピアニストであるマーク・ヴァイナーの編曲作品である『行けわが思いよ、金色の翼に乗って』(ヴェルディ作曲・オペラ「ナブッコ」より)の楽譜出版をお知らせいたします。出版日は2018年7月2日を予定しています。

編曲者はこちらの編曲作品について以下のように語っています。

ヴェルディの不朽の作品として語り継がれている作品『行けわが思いよ、金色の翼に乗って』(オペラ「ナブッコ」より)への熱烈な想いがこのピアノ編曲版を生み出す動機となったことはもちろんですが、19世紀のコンポーザー・ピアニストが挙って当時のオペラ作品を基にしたピアノのためのパラフレーズや幻想曲などの編曲作品を生み出し爆発的な人気を博していたことあったにも関わらず、現代ではこの作品を基にした決定的な編曲が無かったこともまたこの編曲を生み出す動機となりました。

この編曲作品を書いている間、ピアノが表現できる範囲内であたかもヴェルディのオリジナル作品のような印象を与られる編曲になるように努めました。そうすることで、コンポーザー・ピアニストの伝統があった過去と現代の差を少しでも埋めることが私の望みです。

定価:税込1500円
販売開始日:2018年7月2日(ミューズ・プレスのウェブショップより)
仕様:菊倍判/8ページ
ISBN:978-4-909668-06-6

ロマン派作品弾きとして知名度を上げ支持を得ているマーク・ヴァイナー(Facebookファンページ)。クラシックのCDレーベルであるPiano Classicsにて積極的にアルカンやタールベルク、シャミナードなどを録音しています。数日前に販売された有名ピアノ情報誌である”International Piano“の第50号ではマーク・ヴァイナーのインタビューも掲載され、表紙を飾りました。

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マーク・ヴァイナー プロフィール

1989年に生まれる。11歳の時にピアノを始め、その2年後に奨学金を得てパーセル音楽学校に入学し、テッサ・ニコルソンに師事する。その間にスミス・スクエアやセント・ジョンズ(ロンドン)、ウィグモア・ホールなどのコンサートホールを筆頭に各地で演奏活動を行う。その後は、奨学金を得て王立音楽大学に入学する。ニール・イメルマンの下で6年間学び、2011年の最終試験で最高得点を獲得しサラ・ムンドラク記念賞を受賞、最優秀生徒として学士号を取得する。またThe Countess of Munster Musical Trustによる奨学金も得て、優秀な成績で修士を得て2013年に王立音楽大学卒業する。

2012年、ギリシャ・アテネで開催されたアルカン・ジンメルマン国際ピアノコンクール第1回では第1位を受賞する。ギリシャで公式デビューリサイタルを行い、メディアでも「2012年の最も素晴らしい演奏会」として取り上げられた。現在までに、ファロス芸術財団やフーズム・ピアノ珍曲祭、レヴォカ・インディアン・サマー音楽祭、チェルトナム音楽祭、オックスフォード歌曲祭などの数多くの音楽祭に招待され、BBCやDeutschlandfunkなどのラジオ放送局にも出演する。マーク・ヴァイナーの生まれ故郷であるオックスフォードのシェルドニアン劇場では、マリオス・パパドプーロス指揮でオックスフォード交響楽団と共演する。近年は、Keyboard Charitable Trustとの提携によりアメリカ合衆国、ドイツ、イタリアの参加国でツアーを行い大好評を博す。

演奏・教育活動の傍ら、ライターやフランツ・リスト協会やシャルル=ヴァランタン・アルカン協会の会長も務める。または、CDレーベルPiano Classicsよりタールベルクやリスト、アルカン、シャミナードのピアノ作品を積極的に録音している。それらの録音は各方面から高い評価を得ている。

コル・デ・フロート『左手のための編曲作品全集』刊行決定のお知らせ

ピアノの黄金時代と言われる20世紀頃、幅広いレパートリーを誇りヨーロッパ各国で大活躍したピアニスト、コル・デ・フロート(Cor de Groot)。

オランダ・アムステルダム生まれる。アムステルダム音楽院に入学後、エグバート・フェーンとウルフェルト・シュルツにピアノ、サミュエル・ドレスデンに指揮法と作曲を師事する。1932年、音楽院を主席で卒業すると同時に本格的な演奏活動を開始し、1936年にウィーンで開催されたコンクールで入賞を果たしました。1938年からはハーグ王立音楽院で教鞭をとり優秀な弟子たちを輩出、多忙を極める毎日でしたがデ・フロートは生涯に渡って教育活動に熱心でありました。オランダのコンポーザー・ピアニストであるフレデリック・マインダースも彼の弟子の一人です。

Autograph by Cor de Groot

あるとき、病に陥ったヴィルヘルム・バックハウスの代役も務めベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏することもありました。順調にピアニストとしてのキャリアを築き上げていましたが、1959年のある日突如デ・フロートを襲った神経障害の影響で右手を使うことができなくなります。それ以降は、左手のピアニストとして活動をし90曲以上もの左手のための編曲作品を残しました。

合同会社ミューズ・プレスは現在まで未出版の状態であったコル・デ・フロートによる左手のための編曲作品をオランダ音楽協会とコル・デ・フロートのご遺族の承認のもと全12巻(予定)に分けて8月から来年に渡って刊行することが決定しました。以下に出版予定楽曲リストを掲載します。

コル・デ・フロート『左手のための編曲作品全集』

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. I
Rachmaninoff : Elegie (op. 3 no. 1)
Rachmaninoff : Serenade (op. 3 no. 5)
Rachmaninoff : Nocturne (op. 10 no. 1)
Rachmaninoff : Romance (op. 10 no. 6)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. II
Liszt : Liebesträume No. 1
Liszt : Liebesträume No. 2
Liszt : Liebesträume No. 3
Liszt : Hungarian Rhapsody No. 3
Liszt : Hungarian Rhapsody No. 5

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. III
Liszt : Consolation no. 1
Liszt : Consolation no. 2
Liszt : Consolation no. 3
Liszt : Consolation no. 4
Liszt : Consolation no. 5
Liszt : Consolation no. 6
Liszt : 5 Hungarian Folksongs

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. IV
Debussy : Clair de lune
Debussy : La fille aux cheveux de lin
Ravel : Prélude
Pierné : Improvisata, op. 22
Liszt : Elegie no. 2

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. V
Tchaikovsky : Barcarolle (op. 37a no. 6)
Tchaikovsky : Valse (op. 40 no. 8)
Tchaikovsky : At the Fireside (op. 37a no. 1, January)
Tchaikovsky : Humoresque (op. 10 no. 2)
Tchaikovsky : Snowdrop (op. 37a no. 4, April)
Tchaikovsky : Autumn Song (op. 37a no. 10, October)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. VI
Tchaikovsky : Troika (op. 37a no. 11, November)
Tchaikovsky : Christmas (op. 37a no. 12, December)
Tchaikovsky : Polka de Salon (op. 9 no. 2)
Tchaikovsky : Valse (op. 40 no. 9)
Tchaikovsky : Danse Russe (op. 40 no. 10)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. VII
Tchaikovsky : Valse sentimentale (op. 51 no. 6)
Tchaikovsky : Berceuse (op. 72 no. 2)
Tchaikovsky : Nocturne (op. 10 no. 1)
Tchaikovsky : Song of the Lark (op. 37a no. 3, March)
Scriabin : Valse, op. 1
Scriabin : Impromptu à la Mazur (op. 2 no. 3)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. VIII
Rameau : Le Rappel des Oiseaux
Bach : Preludio (from Partita III for violin)
Beethoven : Für Elise
Albeniz : Sonata no. 3, 1st mvt.
Granados : Recitativo (from “Escenas Románticas”)
Granados : Berceuse (from “Escenas Románticas”)
Dvorak : Walzer (op. 54 op. 4)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. IX
Schumann : Träumerei (from “Kinderszenen”)
Schumann : Schlummerlied (op. 124 no. 16)

5 Stücke von Robert Schumann
-1. Mai, lieber Mai (op. 68 no. 13)
-2. Ländliches Lied (op. 68 no. 20)
-3. Lied ohne Ende (op. 124 no. 8)
-4. Albumblätter (op. 99 no. 6)
-5. Mignon (op. 68 no. 35)

6 Stücke von Robert Schumann aus « Album für die Jugend, Op.68 »
-1. Volksliedchen (no. 9)
-2. Sicilianisch (no. 11)
-3. Kleine Studie (no. 14)
-4. Erster Verlust (no. 16)
-5. Kleine Romanze (no. 19)
-6. Sehr Langsam (no. 30)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. X
3 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Schmetterling (op. 43 no. 1)
-2. Geheimnis (op. 57 no. 4)
-3. Schwermut (op. 65 no. 3)

3 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Entschwundene Tage (op. 57 no. 1)
-2. Zu deinen Füssen (op. 68 no. 3)
-3. Dank (op. 62 no. 2)

4 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Sie tanzt (op. 57 no. 5)
-2. Glockengeläute (op. 54 no. 6)
-3. Abend im Hochgebirge (op. 68 no. 4)
-4. Nocturne (op. 54 no. 4)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. XI
6 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Albumblatt (op. 12 no. 7)
-2. Elfentanz (op. 12 no. 4)
-3. Elegie (op. 38 no. 6)
-4. Heimweh (op. 57 no. 6)
-5. Sylphe (op. 62 no. 1)
-6. Norwegisch (op. 12 no. 6)

3 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Berceuse (op. 38 no. 1)
-2. Wächterlied (op. 12 no. 3)
-3. Melancholie (op. 47 no. 5)

4 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Einsamer Wanderer (op. 43 no. 2)
-2. Walzer (op. 12 no. 2)
-3. Elegie (op. 47 no. 7)
-4. Nachklang (op. 71 no. 7)

Grieg : Gade (op. 57 no. 2)

4 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Grossmutters Menuett (op. 68 no. 2)
-2. Salon (op. 65 no. 4)
-3. Illusion (op. 57 no. 3)
-4. In der Heimat (op. 43 no. 3)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. XII
5 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Hirtenknabe (op. 54 no. 1)
-2. Norwegischer Tanz (op. 38 no. 4)
-3. Melodie (op. 38 no. 3)
-4. Walzer (op. 38 no. 7)
-5. Heimwärts (op. 62 no. 6)

Grieg : Kobold (op. 71 no. 3)
Grieg : Vöglein (op. 43 no. 4)

4 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Valse-Impromptu (op. 47 no. 1)
-2. Melodie (op. 47 no. 3)
-3. Volksweise (op. 12 no. 5)
-4. An den Frühling (op. 43 no. 6)

Manuscript by Cor de Groot

新刊のお知らせ・ゴドフスキー編曲『埴生の宿』

合同会社ミューズ・プレスより、レオポルド・ゴドフスキー編の『埴生の宿』(作曲:ヘンリー・ビショップ)の楽譜を2018年6月26日に刊行いたします。

この作品はゴドフスキーによる自演音源が残されていますが、未出版のまま自筆譜は紛失または消失したと信じられていました。しかし、近年楽譜が発見され今回の出版に至りました。序文は作品の発見者であるマルク=アンドレ・アムラン氏によるものです。一般販売に先立ち、2018年6月25日に武蔵野市民文化会館 小ホールにて開かれる『マルク=アンドレ・アムラン ピアノ・リサイタル』にて先行販売が行われます。一般販売は翌日の6月26日からミューズ・プレスのウェブショップにて開始されます。

定価:税込1000円
販売開始日:2018年6月26日(ミューズ・プレスのウェブショップより)
仕様:菊倍判/8ページ
序文:マルク=アンドレ・アムラン
ISBN:978-4-909668-05-9

【V.マルテンポ】楽譜発送・追加出版のお知らせ

今年の3月に出版告知をいたしましたヴィンチェンツォ・マルテンポの編曲作品の楽譜を6月1日(金)より発送開始いたします。長らくお待たせしてしまい申し訳ございませんでした。ハンガリー狂詩曲 第2番のためのカデンツァトリスタンとイゾルデ 前奏曲に加えて『ピアノのための3つの歌曲』と題した楽譜も追加出版します。こちらのページよりご購入が可能です。それぞれの楽譜のサンプルも商品ページに掲載しておりますので楽譜の一部がご覧になれます。

田中公平/ピアニート – ガンバスター幻想曲&未完成協奏曲【楽譜出版決定】

ミューズ・プレスより、田中公平/ピアニート「ガンバスター幻想曲」と「未完成協奏」の楽譜出版が決定したことをお知らせいたします。楽譜の先行販売は、2018年5月26日に開催されます「2人で奏でるピアノ〜森下唯・山田剛史デュオリサイタル〜」にて実施されます。なお、一般販売はミューズ・プレスのウェブショップにて5月28日から開始予定です。

2018年5月26日、ミューズ・プレスのウェブショップより販売開始となりました。
https://muse-press.com/item/mp00401/

ガンバスターとは、かのガイナックスが初期に製作したSFロボットアニメ『トップをねらえ!』に登場する、宇宙怪獣に打ち勝つために建造された最強型決戦兵器のことです。『トップをねらえ!』のために田中公平によって作曲された楽曲たちをピアニート公爵が壮大なピアノ独奏曲に書き上げました。その名も「ガンバスター幻想曲」。ピアニート公爵のデビューCD「Singularity」にも収録され、YouTubeニコニコ動画で40万再生以上を記録した大人気曲で、長年にわたり楽譜の出版を願う声がありましたが、7年の時を経て遂に出版されます。編曲者であるピアニート公爵は「ガンバスター幻想曲」については以下のように語っています。

 この「ガンバスター幻想曲」は複数の劇中使用楽曲をもとに、概ね作品の物語を思い起こさせる構成を目指して作られている。劇音楽による組曲あるいはメドレーと、序曲形式との折衷として捉えるのが適切だろう。「ガンバスター」および「ノリコ」の楽句をそれぞれ第1・第2主題とするト短調のソナタ形式とみなすことで、このふたつのモチーフの重要性や全体の成り立ちへの理解が深まるはずである。再現部の扱いなどは典型的なソナタ形式からはかなり外れているが、主題間の調性関係などはあえてセオリー通りに組み立てられている。

 

続いてはTVアニメ『ハーメルンのバイオリン弾き』第2楽章のオープニングテーマ曲「未完成協奏曲」。ピアニート公爵の生き別れの兄である森下唯さんは〈ピアニート公爵Presents「芸術からこぼれた表現たち アニメ監督西村純二が自作を語る」〉で演奏される際にTwitter上で以下のようにコメントを残しています。

こちらの楽譜の校正に協力して下さったフランス在住のピアニスト・作曲家である榎政則さんに厚く御礼申し上げます。

定価:税込2500円
先行販売日:2018年5月26日 – コチラの演奏会会場にて先行販売開始
一般販売開始日:2018年5月28日(ミューズ・プレスのウェブショップより)
仕様:菊倍判/52ページ
ISBN:978-4-909668-03-5

森下唯 プロフィール

筑波大学附属駒場中・高等学校を経て東京芸術大学卒業、同大学大学院修了。2004年、第2回東京音楽コンクール第2位。2006年、東京芸術大学大学院修了の際、演奏優秀者によるベーゼンドルファー・ジョイントリサイタル(浜離宮朝日ホール)に選ばれた。ソロでのリサイタルのほか、オーケストラとの共演、リート伴奏、室内楽などの分野で活動し、スタジオ・ミュージシャンとしても多くのレコーディングに参加。演奏以外にも、映像作品への楽曲提供や文筆など幅広く手がけている。作曲家アルカンの紹介には特に力を入れており、アルカン生誕200年となる2013年から継続的にオール・アルカン・リサイタルを行う。2015年よりアルカン作品を集めたCD「アルカン ピアノ・コレクション」(ALM RECORDS)シリーズをリリース、『レコード芸術』をはじめ各所で高く評価されている。調布国際音楽祭アソシエイト・プロデューサー。東京藝術大学非常勤講師(指揮科演奏研究員)。動画サイトを中心とした活動においては「ピアニート公爵」名義でも知られ、2017年にはCD『Piano Collections FINAL FANTASY XV』に参加。 ピアノを竹尾聆子、辛島輝治、東誠三の各氏に、リート伴奏をコンラート・リヒター氏に師事。

http://www.morishitayui.jp/

 

マルテンポによる編曲楽譜・出版のお知らせ

この度は、ヴィンチェンツォ・マルテンポによる編曲作品の楽譜を追加で出版することになりました。

ワーグナー/マルテンポ編曲:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲

あたかも当初から”ピアノのために書かれた作品”であったかの如く…。ピアニスティックに半音階的・対位法的な手法を用いながら見事な編曲に仕上げられています。編曲家として本領発揮です。

全12ページ、税込み価格1,500円を予定しています。出版開始日は、4月初旬を予定、現在は当社のオンライン・ウェブショップで予約を受け付けています。

3月中旬の出版を予定しておりましたマルテンポ氏によるフランツ・リスト作曲「ハンガリー狂詩曲 第2番」のためのカデンツァの楽譜の販売日が4月初旬へ延期となりました。発売をお待ちいただいているお客様に、ご迷惑をお掛け致しますことを深くお詫び申し上げます。

マルテンポ作曲:リスト「ハンガリー狂詩曲2番」カデンツァ・楽譜予約開始のお知らせ

ミューズ・プレスの出版物第2弾は、フランツ・リスト作曲「ハンガリー狂詩曲 第2番」のためのカデンツァです。カデンツァの作者は、世界中で高く評価をされているイタリアの若きピアニスト、ヴィンチェンツォ・マルテンポ。2013年には、JK arts主催による演奏会で初来日、アルカンの「全ての短調による12の練習曲」(作品39)を一夜で弾ききるという偉業を達成しました。現在に至るまでアルカンだけに留まらず、様々な作品に取り組み、演奏・録音活動や教育活動にも熱心に取り組んでいます。現在は、スクリャービン・ピアノソナタ全集の録音に取り組んでいるそうで、また、ロシアの作曲家によるピアノソナタの録音集がPIANO CLASSICSより近々販売予定です。

 

このカデンツァは、マルテンポ氏がCD「Liszt: Hungarian Rhapsodies」のために書き下ろしたもので、演奏会でも度々取り上げています。ハンガリー狂詩曲第2番は1851年に出版、コーダ前はリストによってcadenza ad libitumと記され、演奏者が即興または事前に書いておいた”カデンツァ”を自由に演奏できる余地が与えられました。リスト自身のカデンツァも存在し、リストの弟子たちも必ずと言って良いほど、独自のカデンツァを弾いていました。現在では、演奏者が独自のカデンツァを弾くことは滅多になくなりましたが、今日もその伝統を引き継ぐピアニストたちが存在します。

今回出版されるマルテンポ氏の自作カデンツァは、約2分ほどとコンパクトにまとめられていますが、コミカルでユーモアに溢れた即興風の作品に仕上がっています。このカデンツァを弾いてみたい、または、録音を聴きながら目で追って楽しみたい、など色々な方に手に取っていただければ幸いです。

価格は定価1500円(税抜1,389円)となっております。予約は、こちらのストアページよりお願いいたします。カード決済を行なった場合でも、引き落としは発送後となります。正式販売のスケジュールは再度ご連絡させていただきます(2018年3月中旬を予定)*こちらの楽譜の出版日に関してですが、4月初旬の出版なりました。発売をお待ちいただいているお客様に、ご迷惑をお掛け致しますことを深くお詫び申し上げます。

ヴィンチェンツォ・マルテンポ プロフィール

1985年、イタリア・カンパニア州ベネヴェント生まれ。セルジオ・フォオレンティーノの弟子であったサルヴァトーレ・オルランドに師事し、2005 年にローマ・サンタチェチーリア音楽院を最高位の成績で卒業。2006年の第13回ヴェネツィア・ピアノコンクール入賞後は、アメリカやヨーロッパ、アジアの世界各地で演奏活動を行う。これまでにドイツ・フーズム城音楽祭やライディング・リスト音楽祭、マイアミ・国際ピアノ音楽祭、メキシコ・国際ピアノ音楽祭“El blanco y negro”など数々の音楽祭にも出演し熱狂的な支持を得る。2013年にはシャルル・ヴァランタン=アルカンの「全ての短調による12の練習曲」の全曲演奏会を日本の横浜で行い好評を博す。リストのピアノ作品集(Gramola)やアルカンの「全ての短調による12の練習曲」(Piano Classics)、リストのハンガリー狂詩曲全曲(Piano Classics)やリャプノフの「12の超絶技巧練習曲」(Piano Classics)他などを録音し、合計11枚のCDを リリース。それらのCDは数々の音楽雑誌から高い評価を得て特選盤として紹介される。 ピアニストとしての活動の傍ら、ラヴェルの組曲「ダフニスとクロエ」やハンス・ロットの交響曲第1番をピアノ独奏用に編曲、「ピアノソナタ」や「ピアノのための練習曲」などの自作曲も生み出している。また、教育活動も積極的に行い各地のマスタークラスに講師として招待され、オランダ・アイントホーフェンにてイモラ国際ピアノアカデミーの分校を設立する際には設立者・講師の一人とし ても活躍した。現在は、ベネヴェントのカルロ・ジェズアルド音楽院で教鞭を執る。

http://www.vincenzomaltempo.com/

 


*マルテンポ氏による自作カデンツァは9:15あたりから

福間洸太朗 編曲「モルダウ」通販開始

福間洸太朗 編曲「モルダウ」の通販を当サイトにして開始いたしました。ヘッダーメニューのショップページから購入できます。1部2,000円となっております。60セット限定の福間洸太朗コンサートパンフレット(英語)付き(定価据え置き)も販売しておりますので、お早めにお求めください。なお、出荷開始は9日を予定しております。

対応決済方法

  • クレジットカード(VISA/Master/American Express)
  • 代引き(ゆうメール/ゆうパック)
  • 銀行振込(みずほ)
  • 郵便振替

対応送付方法

  • ゆうメール
  • ゆうパック

福間洸太朗 編曲 「モルダウ」楽譜発売のお知らせ

この度、私たちミューズ・プレスからの最初の出版物として、ピアニストの福間洸太朗氏編曲による「モルダウ」(スメタナ作曲)の楽譜の発売をお知らせいたします。

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この作品は、2015年発売のCD「モルダウ ~水に寄せて歌う」(日本コロムビア)にも収録され、コンサートでも度々演奏されているものです。作品は楽譜に書き下ろされていなかったのですが、今回の出版にあたり、共同設立者の江崎が譜面起こし・写植を行い、福間氏によって細かな改定やより簡易に演奏するための代替フレーズ(音楽用語でオシアと言います)が設けられ、決定版と呼べる内容になっております。全32ページ(楽譜26ページ)に渡る編曲は、この音楽史に輝くオーケストラ曲の響きを余すところなく捉えつつも、ピアノ曲としても充実した内容となっております。ピアノを弾く方には演奏する喜びを、楽譜を追うだけでもたった1台のピアノがどこまでの音を表現できるのかを味わえることでしょう。

2018年1月よりの正式販売に先立ち、福間洸太朗氏の12月のコンサート会場にて先行販売が行われます。価格は定価2,000円(税抜1,852円)となっております。正式販売の際には再度告知させていただきます。

福間洸太朗プロフィール

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photo by Takuji Shimmura

パリ国立高等音楽院、ベルリン芸術大学、コモ湖国際ピアノアカデミーにて学ぶ。20歳でクリーヴランド国際コンクール優勝(日本人初)およびショパン賞受賞、以来五大陸で演奏活動を展開。

これまでにサントリーホール、カーネギーホール、リンカーンセンター、ウィグモアホール、ベルリン・コンツェルトハウス、サルガヴォーでリサイタル他、クリーヴランド管、モスクワ・フィル、イスラエル・フィル、フィンランド放送響、トゥールーズ・キャピトル国立管、ドレスデン・フィルなど、海外の著名オーケストラとの共演も多数。

これまでに以下のレーベルからCDを発売している。Naxos、ARS Produktion、Éditions Hortus、Orpheus Classical、Accustika、日本コロムビア、そしてこの「モルダウ」の編曲も、”水に寄せて歌う”(日本コロムビア)のアルバムに収録されている。テレビ朝日系「徹子の部屋」やNHK FMなどにも出演。第34回日本ショパン協会賞受賞。

www.kotarofukuma.com

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