ローガン・スケルトン 《ジョニーが凱旋するとき》の主題による25の変奏曲

ローガン・スケルトン

明日よりローガン・スケルトン作曲『「ジョニーが凱旋する時」の主題による25の変奏曲』の楽譜の販売を開始します。作曲家、教育家、ピアニストとして多方面で世界的に活躍するローガン・スケルトン。世界各地でピアノのマスタークラスを行い、ナクソスレーベルがリリースしたCDではウィリアム・ボルコムと二台ピアノで共演をしています。

本作品は、南北戦争時に流行し日本でもよく知られている《ジョニーが凱旋するとき》の主題をベースとした、様々な音楽様式が登場する25の変奏曲です。近年ではピアニストの福間洸太朗が演奏会で取り上げ話題となっていました。

福間洸太朗さんによる演奏


本作品の楽譜表紙
価格:税込2500円
序文:ローガン・スケルトン
カタログ番号:MP-00201
ISBN番号:ISBN978-4-909668-21-9
こちらからご購入頂けます(明日の4月24日より発送開始)

作曲者のローガン・スケルトンは本作品について以下のようの語っています。

 「ジョニーが凱旋するとき」の主題による25の変奏曲は、1988年に書かれ、1989年にニューオーリンズにてジョン・マーフィーにより初演されました。この作品は、当初は私の心強いサポーターで、後に大親友となったマーサ・アン・サミュエルに捧げられています。彼女の南北戦争に対する興味は、この戦争に何らかの形で関わった祖先を持つ第9世代ミシシッピ人である私の出自と相まって、私の関心を刺激しました。

 この作品の作曲する上で、聴衆が飽きずに継続的に聴くことができるような魅力と親しみやすさを兼ね備えつつ、同時に音楽の楽しみ方を熟知した経験豊かで冒険的な聴衆にも興味を持ってもらうために高潔で洗練されたものを提供したいと願っていたことをはっきり覚えています。一つ付け加えるとすれば、その頃、私がミシシッピに住む叔父を尋ねた際、彼が南北戦争時代に流行した「ジョニーが凱旋するとき」の旋律をハミングしているのを聞きました。どういう訳か、その旋律が私の頭から離れませんでした。数ヵ月後、歩いてるとき、シャワーを浴びているとき、食事をしているとき、寝ようとしているときまで、その旋律をハミングしている自分にふと気づいたのです。この旋律は、変奏曲に特に適していたので、私の叔父が歌っていた通りに旋律を書き留め、ピアノ曲として作曲にとりかかりました。そのような聞き慣れた旋律を使用するということで、不協和音程を用いた書法を含めたりしながら、時折、主題から著しくかけ離れることも可能であるように私には思えました。この作品の構成において私が熟考したことは、どのようにして幅広い変化に富んだ様式の整合性を図るかでした。主題からどのくらいかけ離れることができるでしょう? 主題を認識してもらうために主題のどの要素を持続させる必要があるのでしょう? 様式を変更せざるを得ない場合、それはどのように、そしてコントラストはどのようになるでしょう? これらから生じた音楽は明らかに多様なものです。

プログラム・ノートより(ローガン・スケルトン)

ローガン・スケルトンについて
ピアニスト、教師、作曲家として活躍し、彼の作曲作品は世界的に評価を受けている。ピアニストとして、アメリカ、ヨーロッパ、アジアにて演奏会を行い、中国のラジオ放送、ルーマニア国営放送など、数多くのテレビ・ラジオ放送に出演している。現在までに多くのCDをCentaurやAlbany、Crystal、Blue Griffin、Equilibrium、Supertrainからリリース、そしてNaxos RecordsのCDでは彼の友人であるコンポーザー・ピアニストのウィリアム・ボルコムと共に2台ピアノを演奏した。数々の国際ピアノコンクールに審査員として招聘され、世界各地で開催される音楽祭にも出演している。作曲家としては、特に歌曲に愛着を持っており、いくつもの歌曲集を含む200近くの歌曲を作曲してきた。また、教師としても熱心に活動し、その高度な教育を讃えられ、ミシガン大学からハロルド・ハフ賞等を、最近では大学で最も名誉あるArthur F. Thurnau professorshipを授与された。スケルトンのピアノの生徒たちは、いくつもの世界的コンクールで賞を授与されている。現在、マンハッタン音楽大学、ミズーリ州立大学およびミシガン大学にて教鞭を執っている。

福間洸太朗「France Romance」(Naxos Japan)

2019年4月17日、世界で活躍しているピアニストの福間洸太朗の最新作「France Romance」をナクソス・ジャパンよりリリースされます。タイトルからも分かるよう、本アルバムはフランスにゆかりのある作品を収録。弊社刊行のサティ/ 福間洸太朗編の「ジュ・トゥ・ヴ」(あなたが欲しい)、そしてアレクシス・ワイセンベルクの「シャルル・トレネによる6つの歌の編曲」も本アルバムに収められています。ちなみに、福間洸太朗は日本人として初めてワイセンベルクの「シャルル・トレネによる6つの歌の編曲」 を全曲を取り上げ、大変な話題となりました。本アルバムの発売記念として、2019年4月13日にサントリーホール・大ホールにて「福間洸太朗ピアノ・リサイタル~ウィーンとパリにて~」が開催されます。演奏会の詳細はこちらをご覧ください。

本アルバムに対する思いを福間氏本人が語っています。

アルバム情報

商品情報
アルバムタイトル:France Romance
アーティスト:福間洸太朗(Kotaro Fukuma)
レーベル:Naxos Japan
品 番:NYCC-27308
発 売 日:2019年4月17日(予定)日本・ヨーロッパ同時発売
価 格:2,500円(消費税別)

収録楽曲
ドビュッシー:夢
ドビュッシー:レントより遅く
フォーレ:8つの小品集Op.84より第5番即興曲、第8番ノクターン
フォーレ:3つの無言歌Op.17
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル:ラ・ヴァルス(福間洸太朗編)
サティ:ジムノペディ第1番、ジュ・トゥ・ヴ(福間洸太朗編)
プーランク:即興曲第15番「エディット・ピアフを讃えて」、3つのノヴェレッテ
ワイセンベルク:シャルル・トレネによる6つの歌の編曲
ルノワール:聞かせてよ、愛の言葉を(福間洸太朗編)     ~全22トラック

レコーディング・データ
2018年11月28~30日/新潟県柏崎市文化会館アルフォーレ
ベヒシュタインピアノ使用(C. Bechstein D-280)
ディレクター&レコーディング・エンジニア:武藤 敏樹(アールアンフィニ)
アシスタント:エンジニア:小島 幸雄
ポストプロダクション・エンジニア:川波 惇
24bit/352.8kHz DXDマスター

【楽譜・初出版】黛敏郎作曲の「12の前奏曲」と「エレジー」

黛敏郎生誕90年記念シリーズとして、スリーシェルズが合同会社ミューズ・プレスへ資料協力をした楽譜が2019年2月22日に2冊の楽譜が発売されます。先行販売は、2月22日から24日かけて東京文化会館にて行われている東京二期会による「金閣寺」(作曲:黛敏郎)の公演にて行われます。一般販売は、2月25日(月曜日)よりミューズ・プレスのウェブショップにて開始します。

今回は2タイトルの楽譜を出版します。詳細は以下の通りです。

ソプラノとピアノのためのエレジー
価格:¥1,000(税込)
ページ数:8ページ
出版番号:MP-02201
企画協力:スリーシェルズ、黛家
発売日:2019年2月22日
発行部数:30部(第1刷)

1948年、東京音楽学校(現東京藝術大学)在学中に作曲された2ページの断片的な歌曲「ソプラノとピアノのためのエレジー」。作曲経緯などは一切分かっておらず、黛によって記された作詞者“Mr. K YABE”の詳細も不明である。


ピアノのための12の前奏曲
価格:¥3,000(税込)
ページ数:44ページ
出版番号:MP-02202
企画協力:スリーシェルズ、黛家
発売日:2019年2月22日
発行部数:50部(第1刷)

1945年から1946年の間に作曲された黛敏郎の初期作品に位置する「12の前奏曲」。もともとは2巻構成の24曲に渡る前奏曲集が構想されたが、黛自身のノートに「十二曲だけで纏めて第一巻とする(第二巻は来年頃着手)」と記されたものの前半の12曲のみが完成に至った。本格的な作曲を開始する準備として位置付けられ作品番号を0としたが、それぞれにタイトルが与えられ個性的な作品が並ぶ。70年の時を経て、スリーシェルズと黛家の協力の下、遂に楽譜が出版される。

黛敏郎による自筆譜表紙


「12の前奏曲」の収録曲目

I. Marche
II. Arabesque
III. Barcarole
IV. Toccata
V. Fantasie
VI. Pastorale
VII. Intermezzo
VIII. Sarabande
IX. Berceuse
X. Nocturne
XI. Sérénade
XII. Élégie

もともとは第1巻と第2巻に分かれる全24曲の前奏曲集となる予定であったが、後半の12曲は構想のみで終わった


黛 敏郎 Toshiro MAYUZUMI(1929-1997)

1929年(昭和4年)2月20日、横浜生まれ。東京音楽学校(東京藝術大学)で橋本國彦、池内友次郎、伊福部昭等に師事。1948年(昭和23年)に作曲した「拾個の独奏楽器の為のディヴェルティメント」により才能を認められる。1950年(昭和25年)作曲の「スフェノグラム」は、翌年のISCM国際現代音楽祭に入選して海外でも知られるようになる。1951年(昭和26年)パリ・コンセルヴァトワールへ留学、トニー・オーバン等に学ぶ。フランスから帰国後、ミュージック・コンクレートや日本初の電子音楽を手がけた。1953年(昭和28年)芥川也寸志、團伊玖磨と「3人の会」を結成。また、吉田秀和等と「二十世紀音楽研究所」を設立。雅楽・声明をはじめ、日本の伝統音楽にも造詣を深める一方、交響曲、バレエ、オペラ、映画音楽等の大作を発表した。1964年(昭和39年)より、テレビ番組「題名のない音楽会」の企画、出演。東京藝術大学講師、茶道「裏千家淡交会」顧問、評議員。「日本作曲家協議会」会長、「日本著作権協会」会長などを歴任した。1997年(平成9年)4月10日逝去。 主な作品は「ルンバ・ラプソディ」(1948)、「饗宴」(1954)、「曼荼羅交響曲」(1960)、「シロフォン小協奏曲」(1965)、オペラ「金閣寺」(1976)、オペラ「KOJIKI」(1993)、バレエ「The KABUKI」(1986)、バレエ「M」(1993)他がある。ピアノ曲は、「前奏曲集」「金の枝の踊り」「天地創造」などがある。  受賞歴は「涅槃交響曲」(1958)第7回尾高賞、「BUGAKU」(1962)第15回尾高賞、ISCM入選(昭和31、32、38年)。毎日映画コンクール音楽賞(昭和25、32、38、40年)。毎日演劇賞(昭和33年)。ブルーリボン賞(昭和40年)。仏教伝道文化賞(昭和50年)。紫綬褒章(昭和61年)。受賞歴は「涅槃交響曲」(1958)第7回尾高賞、「BUGAKU」(1962)第15回尾高賞、ISCM入選(昭和31、32、38年)。毎日映画コンクール音楽賞(昭和25、32、38、40年)。毎日演劇賞(昭和33年)。ブルーリボン賞(昭和40年)。仏教伝道文化賞(昭和50年)。紫綬褒章(昭和61年)。

【楽譜出版のお知らせ】サティ/福間洸太朗(ピアノ編曲):「あなたが欲しい」

昨年の12月に登場し現在まで大好評を博している福間洸太朗編曲の「モルダウ」(作曲:スメタナ)に引き続き、福間洸太朗の編曲による「あなたが欲しい」(作曲:サティ)が第2弾として今年の12月に登場します。12月1日に新潟県・柏崎市で開かれる福間洸太朗ピアノ・リサイタル「音魂の不思議」にて先行販売を行います。一般販売は、12月10日よりミューズ・プレスのウェブショップにて取り扱いを開始します。

現在までに「あなたが欲しい」の編曲は数々と出版されていますが、こちらの福間洸太朗による編曲は煌びやかながらも繊細な編曲に仕上がっており、ピアノ独奏用において決定版と言っても過言でないでしょう。

エリック・サティ/福間洸太朗:「あなたが欲しい」
価格:1500円(税込)
先行発売日:12月1日(演奏会会場にて
一般発売日:12月10日(ウェブショップにて
ページ数:16ページ
序文:福間洸太朗
~序文より抜粋~
2013年、パリでの演奏会のアンコールで、このトランスクリプションを初披露しました。その数年前にオンフルールのサティの家を訪れた際、奇想天外で面白い展示物、例えば「羽の生えた梨」などに魅了され、その時の遊園地にいるような感覚からこの編曲のアイデアが生まれました。


福間洸太朗プロフィール

fukuma_photo

photo by Takuji Shimmura

パリ国立高等音楽院、ベルリン芸術大学、コモ湖国際ピアノアカデミーにて学ぶ。20歳でクリーヴランド国際コンクール優勝(日本人初)およびショパン賞受賞、以来五大陸で演奏活動を展開。

これまでにサントリーホール、カーネギーホール、リンカーンセンター、ウィグモアホール、ベルリン・コンツェルトハウス、サルガヴォーでリサイタル他、クリーヴランド管、モスクワ・フィル、イスラエル・フィル、フィンランド放送響、トゥールーズ・キャピトル国立管、ドレスデン・フィルなど、海外の著名オーケストラとの共演も多数。

これまでに以下のレーベルからCDを発売している。Naxos、ARS Produktion、Éditions Hortus、Orpheus Classical、Accustika、日本コロムビア、そしてこの「モルダウ」の編曲も、”水に寄せて歌う”(日本コロムビア)のアルバムに収録されている。テレビ朝日系「徹子の部屋」やNHK FMなどにも出演。第34回日本ショパン協会賞受賞。

www.kotarofukuma.com

アラン・メンケン/森下唯(ピアノ編曲):「美女と野獣」

12月1日(土)に森下唯によるピアノ編曲「美女と野獣」(原曲の作曲者:アラン・メンケン)の楽譜の出版をお知らせします。編曲者が友人の結婚式のため、リクエストに応えて書き下ろされたピアノ編曲作品。愛に溢れた暖かみのある編曲に仕上がっています。

編曲者は作品について以下のように語っています。

密かな願い、煌めく憧れ、思いがけないほどの喜び、止めどない情熱、穏やかな充足……。愛は(その肯定的な側面だけを見ても)実にさまざまな感情を呼び起こしてくれるものです。この歌は、耳に残る旋律が繰り返されるだけの単純な構成の内に、そうした大きなうねりまで表現してみせます。ピアノソロという利点を活かし、よりドラマチックな緩急を加えて、ロマン派のスタイルで仕上げました。 原曲の歌詞は明らかに愛をテーマにしていますが、 “Love”という単語そのものは一度も登場しません。壮大でありつつ控えめでもあり、強靭でありながら繊細でもある、考え抜かれた内容です。この歌詞の有り様にも表れている、永遠の未到ともいえるもどかしさは、愛の本質のひとつに違いありません。甘美に味わいつつ演奏していただければと願っています。

アラン・メンケン/森下唯(ピアノ編曲):「美女と野獣」
販売価格:1500円(税込)
先行販売日:11月30日(こちらの演奏会にて)
一般販売日:12月1日(ミューズ・プレスのウェブにて)→12月初旬予定
The score can only be delivered within Japan. (We will inform you as soon as the score is available to purchase outside of Japan)

11月30日に開催される森下唯「アルカン ピアノ・コレクション 4 ≪ファウストのように≫」発売記念リサイタルにて先行販売を行います。数に限りがございますので、売り切れの場合は専用申込用紙を楽譜販売ブースにてお配りします。そちらにご記入をいただけますと後日発送いたします。
→2019/6/1より一般販売を開始しました


編曲者の森下唯による演奏動画

諸井三郎によるピアノソナタ

2019/05/27更新:以下の楽譜の販売を開始しました。
諸井三郎:ピアノソナタ 第二番 変イ短調 作品7 (1927)
諸井三郎:前奏曲とアレグロ・ジョコーソ (1970-1971)


皆さんは「日本の作曲家」と言われるとどなたを思い浮かますか?

現在、日本では戦前・戦後を生きた日本の作曲家を取り上げる動きが徐々に活発化し、再評価の兆しは見えていますが、情報や資料・楽譜の入手の困難さ故、その時代を生きた作曲家たちの全貌はなかなか見えてきません。大変な傑作にも関わらず埋もれてしまった作品を今現代にもう一度蘇らせることも出版社の役目だと筆者は考えています。これまでミューズ・プレスは欧米の作曲家・編曲家の作品を中心に出版をしていましたが、来年からは本格的に日本の作曲家の作品も出版することとなりました。年末から来年にかけて諸井三郎(1903-1977)のピアノ作品を明治学院大学・日本近代音楽館とご遺族の承認の得て出版します。ちなみに、彼の存命中に出版された作品は数曲の日本歌曲と「弦楽六重奏」「弦楽三重奏「第二ピヤノ奏鳴曲」「ピアノのための組曲」「ロマンス」(ピアノのために)や4曲の管弦楽曲のみです。

(ピアノソナタ第2番)の楽譜。2000部の出版記録が残っているが、現在では数十部しか現存していない(筆者所蔵)

諸井三郎の第二ピヤノ奏鳴曲の楽譜(所蔵:筆者)

諸井三郎は東京都に生まれ、幼い頃から兄のもとでピアノの手ほどきを受けました。小学生の頃にピアニストである小倉末子によるオール・ベートーヴェン・プログラムの演奏会に接する機会があり、その作品に感銘を受け作曲家になることを志します。東大在学中にはピアノをヴィリ・バルダスとレオニード・コハンスキの下で学びました。20代で結成した音楽グループ「スルヤ」の演奏会では数々の自作曲を発表し、それらの自作曲は注目を浴びましたが、諸井三郎は独学による自身の探究心に限界を感じ1933年にドイツ・ベルリンに留学します。ベルリン留学中は、当時ヨーロッパで流行していた新古典主義音楽の影響も受けながら「交響曲第1番」や多くの器楽曲を発表します。帰国後も創作意欲は衰えませんでしたが、日本が戦争への道と進んでいる不安な様子は作品にも表れます。この頃に最高傑作といわれる「こどものための小交響曲」や「交響曲第3番」が生まれました。戦後は、作曲活動からは一線を引き、作家として活動し多数の著書を残しました。

今回、諸井三郎によるピアノのための作品の出版第1弾として、彼が1927年に作曲したピアノソナタ 変イ短調を出版します。この作品は音楽グループ「スルヤ」の演奏会でも取り上げられました。当時はブラームスやベートーヴェンなどがまだまだ珍しかったということもあり、諸井三郎はそれらの作曲家に影響受け、このピアノソナタにもその影響が伺えます。自筆譜にはSonate Nr. 2と書かれていますが、後に作品1とし「ピアノソナタ 変イ短調」(作品1)となりました。


【ミューズ・プレス – 日本の作曲家シリーズ・諸井三郎】
作曲者:諸井三郎
作品名:ピアノソナタ 変イ短調(第1番・旧第2番) – 作品1
予定価格:税込2500円
出版予定日:2018年12月25日

以下の予約フォームに登録していただけますと、こちらの楽譜のご注文に限り日本国内での楽譜の送料が無料(普通郵便)となります。販売時にミューズ・プレスからご連絡いたします。

エラー: コンタクトフォームが見つかりません。


諸井三郎「ピアノソナタ 変イ短調」のコーダ(演奏:江崎昭汰)

【新刊情報】アレクシス・ワイセンベルク「シャルル・トレネによる6つの歌の編曲」

ピアニストとして世界的に知られているアレクシス・ワイセンベルクが編曲をした作品、通称「シャルル・トレネによる6つの歌の編曲」の楽譜をマルク=アンドレ・アムランの校訂で2018年11月上旬に出版いたします。

販売を開始しました。【以下のURLからご注文ください】
https://muse-press.com/item/mp00701/

Alexis Weissenberg - 1974 At home J.D.Wilson

アレクシス・ワイセンベルク 1974 At home J.D.Wilson

アレクシス・ワイセンベルク(1929-2012)は20世紀を代表するクラシックピアニストで、世界的な知名度を誇り、日本ではファンクラブが創設されるほど大変な人気を博しました。EMI、ドイツグラモフォンなどのメジャーレーベルに膨大な量の録音を残しており、20世紀後半に最も成功しピアニストと言えるでしょう。彼はまた同時に作曲家でもあり、ジャズをはじめとしたポピュラー音楽にも大きな興味を示していました。今年7月には独Schott社よりピアノ作品集が出版され話題を呼びました。自作自演の録音は存在していないようですが、テレビでジャズのスタンダードを即興で演奏して見せたり、シャルル・アズナヴールと自身のオリジナルの伴奏で共演した映像が残っています。(画像提供:Alexis Weissenberg Archive)

 

Mr. Nobody plays Trenet [LD I-600] (Alexis Weissenberg Archive所蔵)

「シャルル・トレネによる6つの歌曲の編曲」は、1950年代に ≪ Mr. Nobody plays Trenet ≫ (左画像) というタイトルでフランスの大歌手 シャルル・トレネ (1913-2001)による6つのシャンソンをワイセンベルクが編曲して収録し、フランスの音楽レーベル Lumenよりリリースされました。このMr. Nobodyがワイセンベルクだったことがかなり後に発表され、プレス枚数も少なかったことから、かねてより知る人ぞ知る録音でした。この録音を元に、これまた世界的ピアニストであるマルク=アンドレ・アムランが採譜を起こしを行い、ワイセンベルク本人の了承の下、2008年にイギリスの音楽レーベル Hyperion からリリースされた ≪ Marc-André Hamelin in a state of jazz ≫ というアルバムにワイセンベルク作曲の「ジャズ様式のソナタ」と共に収録されました。このCDのリリースより11年の月日が経ち、現在まで世界中から楽譜出版を望む声が上がっていましたが様々な事情により本作品の楽譜出版が難航していました。今回、アレクシス・ワイセンベルクのご遺族とマルク=アンドレ・アムランの全面的な協力により楽譜の出版が現実となります。


校訂者のマルク=アンドレ・アムランによる演奏

アムランがワイセンベルクに編曲について尋ねたところ「楽譜は書いていないので演奏するなら採譜をする必要がある」と聞いたそうですが、近年になってワイセンベルクのご遺族によりBoum!とMénilmontant以外の4曲の自筆譜が発見されました。それらの自筆譜はワイセンベルク自身の録音と自筆譜に大きな相違点があり、また楽譜もスケッチ風に書き留められているために、アムランが自身の採譜版とその新発見の自筆譜を推敲して作り上げた録音版とワイセンベルク自身の自筆譜版を二段で同時表記した楽譜となる予定です。なお、楽譜の解説はマルク=アンドレ・アムラン、自筆譜の発見エピソードは発見者であるマリア・ワイセンベルクにより執筆されます。

今回出版する編曲作品の校訂者であるマルク=アンドレ・アムランは編曲について以下のように述べています。

1950年代後半、Lumen社よりMr. Nobody plays Trenetと呼ばれるEPレコードが販売されました。そのレコードには、フランスのシャンソン歌手であるシャルル・トレネの歌をピアノ用に書き換えた面白くも一風変わった編曲が収録されていました。長らくの間、”Mr. Nobody”の正体は秘密とされていましたが、最近になってその正体がアレクシス・ワイセンベルクだったということが分かったのです。2004年にワイセンベルクと初めてお会いする以前、私は、彼が自身の名でこのレコード残さなかった理由は、当時、真面目なクラシックピアニストがポピュラー音楽に手を出すとキャリアに傷が付く可能性があったからだと推測していました。(現在は状況も変わり、そのようなことは歓迎され、むしろレコード会社により推奨されるのです)しかし、ワイセンベルクは「単に録音の出来が十分に良いと思わなかっただけだった」と私に話したのを覚えています。[…] 幾度と無くこの楽譜について訊かれていたので、遂に出版されることをとても嬉しく思います。


◾️楽譜名
アレクシス・ワイセンベルク編曲
「シャルル・トレネによる6つの歌の編曲」

◾️収録曲
Coin de rue (街角)
Vous oubliez votre cheval (あなたは馬を忘れた)
En avril à Paris (パリの四月)
Boum! (ブン!)
Vous qui passez sans me voir (去りゆく君)
Ménilmontant (メニルモンタン)

◾️校訂・解説
マルク=アンドレ・アムラン

◾️解説の言語
日本語、英語、フランス語

◾️予定価格
税込3000円

◾️出版日程
2018年11月上旬


アレクシス・ワイセンベルクについてもっと知りたい方へ(画像をクリック)

ロン・イェディディアによるピアノ作品【楽譜刊行開始のお知らせ】

合同会社ミューズ・プレスよりイスラエル生まれのアメリカ在住のピアニスト・作曲家であるロン・イェディディアのピアノ作品の楽譜の刊行を開始することが決定しました。

ピアノ曲やオーケストラ曲を中心に世界的に評価を受けている現代を代表する作曲家でもあるイェディディア。実は、イェディディアのピアノ曲の楽譜が出版社から正式に刊行されることは今回が初めてです。最初を飾る刊行開始楽譜は以下の2曲、イギリスのAltarus Recordsから2001年にリリースされた自作自演CDアルバム “Yedidia plays Yedidia: Piano Works“にも収録された人気曲です。

Ether (1996) 【エーテル】
序文:ロン・イェディディア
価格:2900円(税込み)
仕様:菊倍判/12ページ

Toward the Gardens of Heaven (1997)【エデンの園に向かって】
序文:ロン・イェディディア
価格:4900円(税込み)
仕様:菊倍判/28ページ


ロン・イェディディア プロフィール

1960年、イスラエルのテルアビブに生まれる。幼い頃からアルフレッド・コルトーの弟子であったプニーナ・ザルツマンのもとでピアノの教育を受け、8歳で「Young Concert Artists Competition of Israel」で第1位を受賞する。15歳になると、ピアニストではなく作曲家の道に進むことを決意する。その後は、ジュリアード音楽院に入学し、作曲科博士課程を専攻。デイヴィッド・ダイアモンドやミルトン・バビットの元で研鑽を積みながら、1987年と1989年には、ジュリアード作曲コンクールに入賞する。在学中、彼の作品が音楽プロデューサーのトーマス・フロストの目に留まり、イェディディアのピアノソナタ 第2番が世界中で放送され、1987年にはピアノソナタ 第3番『叫び』がイスラエルの音楽番組にも取り上げられる。ジュリアード音楽院卒業後も作曲家として活躍し、2006年にはサン・アントニオ国際ピアノコンクールのために委嘱作品『ラプソディ』を作曲。2007年には、シアトル室内楽協会主催の音楽祭のためにピアノとクラリネットとチェロのためのトリオの作品を作曲し大好評を博す。2009年には、マンハッタンのBaruch Performing Arts Centerで開催された”The Concert Meister Series”のレジデントコンポーザーを務め、数々の作品が有名オーケストラ(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やイスラエル交響楽団他)によって演奏された。彼の作品を収録したCDもこれまでに17枚ほどリリースされている。また教育者としても後進の育成に力を注ぎ多くの作曲家やピアニストを輩出している。

http://ronnyedidia.com/

 

新刊のお知らせ:ヴェルディ・オペラ編曲(マーク・ヴァイナー編)

合同会社ミューズ・プレスより、イギリスを中心に活躍しているピアニストであるマーク・ヴァイナーの編曲作品である『行けわが思いよ、金色の翼に乗って』(ヴェルディ作曲・オペラ「ナブッコ」より)の楽譜出版をお知らせいたします。出版日は2018年7月2日を予定しています。

編曲者はこちらの編曲作品について以下のように語っています。

ヴェルディの不朽の作品として語り継がれている作品『行けわが思いよ、金色の翼に乗って』(オペラ「ナブッコ」より)への熱烈な想いがこのピアノ編曲版を生み出す動機となったことはもちろんですが、19世紀のコンポーザー・ピアニストが挙って当時のオペラ作品を基にしたピアノのためのパラフレーズや幻想曲などの編曲作品を生み出し爆発的な人気を博していたことあったにも関わらず、現代ではこの作品を基にした決定的な編曲が無かったこともまたこの編曲を生み出す動機となりました。

この編曲作品を書いている間、ピアノが表現できる範囲内であたかもヴェルディのオリジナル作品のような印象を与られる編曲になるように努めました。そうすることで、コンポーザー・ピアニストの伝統があった過去と現代の差を少しでも埋めることが私の望みです。

定価:税込1500円
販売開始日:2018年7月2日(ミューズ・プレスのウェブショップより)
仕様:菊倍判/8ページ
ISBN:978-4-909668-06-6

ロマン派作品弾きとして知名度を上げ支持を得ているマーク・ヴァイナー(Facebookファンページ)。クラシックのCDレーベルであるPiano Classicsにて積極的にアルカンやタールベルク、シャミナードなどを録音しています。数日前に販売された有名ピアノ情報誌である”International Piano“の第50号ではマーク・ヴァイナーのインタビューも掲載され、表紙を飾りました。

* * *

マーク・ヴァイナー プロフィール

1989年に生まれる。11歳の時にピアノを始め、その2年後に奨学金を得てパーセル音楽学校に入学し、テッサ・ニコルソンに師事する。その間にスミス・スクエアやセント・ジョンズ(ロンドン)、ウィグモア・ホールなどのコンサートホールを筆頭に各地で演奏活動を行う。その後は、奨学金を得て王立音楽大学に入学する。ニール・イメルマンの下で6年間学び、2011年の最終試験で最高得点を獲得しサラ・ムンドラク記念賞を受賞、最優秀生徒として学士号を取得する。またThe Countess of Munster Musical Trustによる奨学金も得て、優秀な成績で修士を得て2013年に王立音楽大学卒業する。

2012年、ギリシャ・アテネで開催されたアルカン・ジンメルマン国際ピアノコンクール第1回では第1位を受賞する。ギリシャで公式デビューリサイタルを行い、メディアでも「2012年の最も素晴らしい演奏会」として取り上げられた。現在までに、ファロス芸術財団やフーズム・ピアノ珍曲祭、レヴォカ・インディアン・サマー音楽祭、チェルトナム音楽祭、オックスフォード歌曲祭などの数多くの音楽祭に招待され、BBCやDeutschlandfunkなどのラジオ放送局にも出演する。マーク・ヴァイナーの生まれ故郷であるオックスフォードのシェルドニアン劇場では、マリオス・パパドプーロス指揮でオックスフォード交響楽団と共演する。近年は、Keyboard Charitable Trustとの提携によりアメリカ合衆国、ドイツ、イタリアの参加国でツアーを行い大好評を博す。

演奏・教育活動の傍ら、ライターやフランツ・リスト協会やシャルル=ヴァランタン・アルカン協会の会長も務める。または、CDレーベルPiano Classicsよりタールベルクやリスト、アルカン、シャミナードのピアノ作品を積極的に録音している。それらの録音は各方面から高い評価を得ている。

コル・デ・フロート『左手のための編曲作品全集』刊行決定のお知らせ

ピアノの黄金時代と言われる20世紀頃、幅広いレパートリーを誇りヨーロッパ各国で大活躍したピアニスト、コル・デ・フロート(Cor de Groot)。

オランダ・アムステルダム生まれる。アムステルダム音楽院に入学後、エグバート・フェーンとウルフェルト・シュルツにピアノ、サミュエル・ドレスデンに指揮法と作曲を師事する。1932年、音楽院を主席で卒業すると同時に本格的な演奏活動を開始し、1936年にウィーンで開催されたコンクールで入賞を果たしました。1938年からはハーグ王立音楽院で教鞭をとり優秀な弟子たちを輩出、多忙を極める毎日でしたがデ・フロートは生涯に渡って教育活動に熱心でありました。オランダのコンポーザー・ピアニストであるフレデリック・マインダースも彼の弟子の一人です。

Autograph by Cor de Groot

あるとき、病に陥ったヴィルヘルム・バックハウスの代役も務めベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏することもありました。順調にピアニストとしてのキャリアを築き上げていましたが、1959年のある日突如デ・フロートを襲った神経障害の影響で右手を使うことができなくなります。それ以降は、左手のピアニストとして活動をし90曲以上もの左手のための編曲作品を残しました。

合同会社ミューズ・プレスは現在まで未出版の状態であったコル・デ・フロートによる左手のための編曲作品をオランダ音楽協会とコル・デ・フロートのご遺族の承認のもと全12巻(予定)に分けて8月から来年に渡って刊行することが決定しました。以下に出版予定楽曲リストを掲載します。

コル・デ・フロート『左手のための編曲作品全集』

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. I
Rachmaninoff : Elegie (op. 3 no. 1)
Rachmaninoff : Serenade (op. 3 no. 5)
Rachmaninoff : Nocturne (op. 10 no. 1)
Rachmaninoff : Romance (op. 10 no. 6)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. II
Liszt : Liebesträume No. 1
Liszt : Liebesträume No. 2
Liszt : Liebesträume No. 3
Liszt : Hungarian Rhapsody No. 3
Liszt : Hungarian Rhapsody No. 5

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. III
Liszt : Consolation no. 1
Liszt : Consolation no. 2
Liszt : Consolation no. 3
Liszt : Consolation no. 4
Liszt : Consolation no. 5
Liszt : Consolation no. 6
Liszt : 5 Hungarian Folksongs

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. IV
Debussy : Clair de lune
Debussy : La fille aux cheveux de lin
Ravel : Prélude
Pierné : Improvisata, op. 22
Liszt : Elegie no. 2

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. V
Tchaikovsky : Barcarolle (op. 37a no. 6)
Tchaikovsky : Valse (op. 40 no. 8)
Tchaikovsky : At the Fireside (op. 37a no. 1, January)
Tchaikovsky : Humoresque (op. 10 no. 2)
Tchaikovsky : Snowdrop (op. 37a no. 4, April)
Tchaikovsky : Autumn Song (op. 37a no. 10, October)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. VI
Tchaikovsky : Troika (op. 37a no. 11, November)
Tchaikovsky : Christmas (op. 37a no. 12, December)
Tchaikovsky : Polka de Salon (op. 9 no. 2)
Tchaikovsky : Valse (op. 40 no. 9)
Tchaikovsky : Danse Russe (op. 40 no. 10)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. VII
Tchaikovsky : Valse sentimentale (op. 51 no. 6)
Tchaikovsky : Berceuse (op. 72 no. 2)
Tchaikovsky : Nocturne (op. 10 no. 1)
Tchaikovsky : Song of the Lark (op. 37a no. 3, March)
Scriabin : Valse, op. 1
Scriabin : Impromptu à la Mazur (op. 2 no. 3)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. VIII
Rameau : Le Rappel des Oiseaux
Bach : Preludio (from Partita III for violin)
Beethoven : Für Elise
Albeniz : Sonata no. 3, 1st mvt.
Granados : Recitativo (from “Escenas Románticas”)
Granados : Berceuse (from “Escenas Románticas”)
Dvorak : Walzer (op. 54 op. 4)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. IX
Schumann : Träumerei (from “Kinderszenen”)
Schumann : Schlummerlied (op. 124 no. 16)

5 Stücke von Robert Schumann
-1. Mai, lieber Mai (op. 68 no. 13)
-2. Ländliches Lied (op. 68 no. 20)
-3. Lied ohne Ende (op. 124 no. 8)
-4. Albumblätter (op. 99 no. 6)
-5. Mignon (op. 68 no. 35)

6 Stücke von Robert Schumann aus « Album für die Jugend, Op.68 »
-1. Volksliedchen (no. 9)
-2. Sicilianisch (no. 11)
-3. Kleine Studie (no. 14)
-4. Erster Verlust (no. 16)
-5. Kleine Romanze (no. 19)
-6. Sehr Langsam (no. 30)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. X
3 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Schmetterling (op. 43 no. 1)
-2. Geheimnis (op. 57 no. 4)
-3. Schwermut (op. 65 no. 3)

3 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Entschwundene Tage (op. 57 no. 1)
-2. Zu deinen Füssen (op. 68 no. 3)
-3. Dank (op. 62 no. 2)

4 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Sie tanzt (op. 57 no. 5)
-2. Glockengeläute (op. 54 no. 6)
-3. Abend im Hochgebirge (op. 68 no. 4)
-4. Nocturne (op. 54 no. 4)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. XI
6 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Albumblatt (op. 12 no. 7)
-2. Elfentanz (op. 12 no. 4)
-3. Elegie (op. 38 no. 6)
-4. Heimweh (op. 57 no. 6)
-5. Sylphe (op. 62 no. 1)
-6. Norwegisch (op. 12 no. 6)

3 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Berceuse (op. 38 no. 1)
-2. Wächterlied (op. 12 no. 3)
-3. Melancholie (op. 47 no. 5)

4 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Einsamer Wanderer (op. 43 no. 2)
-2. Walzer (op. 12 no. 2)
-3. Elegie (op. 47 no. 7)
-4. Nachklang (op. 71 no. 7)

Grieg : Gade (op. 57 no. 2)

4 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Grossmutters Menuett (op. 68 no. 2)
-2. Salon (op. 65 no. 4)
-3. Illusion (op. 57 no. 3)
-4. In der Heimat (op. 43 no. 3)

The complete transcriptions for the left hand alone, Vol. XII
5 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Hirtenknabe (op. 54 no. 1)
-2. Norwegischer Tanz (op. 38 no. 4)
-3. Melodie (op. 38 no. 3)
-4. Walzer (op. 38 no. 7)
-5. Heimwärts (op. 62 no. 6)

Grieg : Kobold (op. 71 no. 3)
Grieg : Vöglein (op. 43 no. 4)

4 Lyrische Stücke von Edvard Grieg
-1. Valse-Impromptu (op. 47 no. 1)
-2. Melodie (op. 47 no. 3)
-3. Volksweise (op. 12 no. 5)
-4. An den Frühling (op. 43 no. 6)

Manuscript by Cor de Groot